介護の中小企業と大手はどれぐらい違うのか（待遇や労働環境）

今では数多くの介護施設があります。都道府県やＮＰＯ法人の他、営利法人の参入が多く見られ、少し散歩をするだけでも多くの介護事業所を目にします。

特に営利法人が行う介護事業所はどんどん増えており、他業種の参入も目立っています。大手企業になりますと、何百単位での施設経営を行っている所もあり、聞いた事のある介護施設も多いのではないでしょうか。

そんな大手企業や中小企業によって、待遇や労働環境に違いはあるのでしょうか？
もちろん都道府県によっては給料の違いはあると思いますが、その他の条件はどうなのでしょう。

今回は、中小企業と大手企業の待遇や労働環境の違いについて調べてみました。

そもそも企業での介護サービスの差はあるのか

経営状況や上場企業等によって、待遇や労働環境は変わってくるでしょう。しかし企業の違いで介護サービス自体に差はあるのでしょうか。
こちらに関しては、「ない」と言ってよいでしょう。

介護サービスに関しては、運営・人員・設備などにしっかりとした基準が設けられています。その基準を守り、決められたサービスを行います。

逆を言うと、介護サービスはケアマネジャーが作成するケアプランに沿って行うサービスになります。
利用される方の状態・状況・介護度等によって、サービスは人それぞれ違います。ですから差があって当然という事になります。

少し矛盾した内容になってしまいましたが、要するに「ケアプランに則り、サービスを提供していくが、サービスの種類や方法などについては差がない」という事を言いたいのです。

介護度にはもちろん状態によって差はあります。しかしその差が同じ利用者同士で、訪問介護サービスを利用し排せつ交換や食事の準備を行うのであれば、それは同じという事です。
もちろん事業所や施設によっては、介護ロボットを取り入れている所や、芸能人やスポーツ選手が定期的に慰問に来るような所もあるかも知れませんが、それは介護サービスではなく、「付加価値」となるのでまた違う話になってきます。

少し話がそれてきてしまいましたので、本題に戻しましょう。大手企業の待遇や労働環境はどのような物なのでしょうか？

採用条件や資格取得制度がある

まずは採用条件ですが、無資格未経験といった方でも社員雇用されやすいようです。
無資格で採用した場合も、大手になると自社で初任者研修の資格取得が出来たりするようで、働きながら会社で受講出来るので非常にメリットになります。

さらに費用は「社員割引制度」などもあるので助かりますね。さらにすごいと所ですと、無料で受けられる所もあるようです。
これは大手だからこそできる行動でしょう。中小企業ではなかなか難しいです。

しっかりとした教育制度や資格取得支援が充実

上記の採用条件でも少し紹介しましたが、初任者研修を受講できる企業は職員として講師が配属されています。
その為、しっかりとした研修や教育制度があり、未経験の方でもしっかり学びながら働く事が出来ます。

多くの施設では、持ち回りで職員同士勉強会などを開いて学んでいきますが、大手はしっかりとした講師がいる為、研修だけでなく、「介護福祉士」や「介護支援専門員」の資格取得の為の支援講座を行う所も多いようです。

中小企業ではなかなかここまでは行かないでしょう。ここまで労働環境が良い所は非常にありがたいです。

キャリアアップがしやすく、給与もあがりやすい？

中小企業より確かに昇格・昇給は、しやすいかもしれません。その理由としては、「施設の数が多いから」になるでしょう。

多くの施設を運営しているという事は、それ相応の「管理職」が必要になります。
仮に100施設運営していれば100人の管理者が必要ですし、主任・リーダー等も必要ですので、少なくとも300人以上の管理・監督職の人間が必要になります。

また、離職率も高いこの業界ですから、あきらめず、忍耐強く働いていけば、昇格のチャンスが巡ってくるでしょう。
昇格をすれば「主任手当」や、「管理者手当」等がつきますし、基本給も上がるでしょう。

しかし中小企業でも、同じように昇格・昇給はあります。
ただ、大手と比べるとどうしても上がり幅や昇格のチャンスを少ないかもしれません。

まとめ

今回、大手企業と中小企業の待遇や労働環境について調べてみましたが、やはり大手の方がいろんな所で職員に手厚く、またしっかりとサポートしてくれる印象はありました。

しかし最初の入社時の給料などは、中小企業と大手企業の差はほとんどありません。
あとは自分がどれだけ努力をし、サポートを受けながらしっかり勉強をする事が出来るかが重要となってきます。

ここまで大手企業の良さをお伝えしてきましたが、中小企業でも、企業努力をしながら職員に還元している所はいくつもあります。
自分が働く上で何を重要視しているのか明確にしてから、求人内容をしっかり確認したほうがよいでしょう。