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介護士のお仕事

ノロウィルス対策方法について

介護施設において、最も怖いのが「集団感染」ですが、その中で1位2位を争う感染症が、ノロウイルスです。

ノロウイルスは、主に冬場に発症するケースが多く、11月頃から流行が始まり、12月から2月くらいまでがピークとなります。

ノロウイルスは非常に危険なウイルス

ノロウイルスは、特に乳幼児や高齢者にとっては非常に危険なウイルスです。
発熱や嘔吐を繰り返し、脱水症状に陥いってしまい最悪な事態を招いてしまう可能性もあります。

また、病院に行ったとしても、その菌を治療する明確な薬はありません。
解熱剤や下痢止め、整腸剤などの処方になってしまいます。

治す為には、とにかくその菌をすべて体内から出すしかありません。
そうする事により、体調が回復するので下痢がひどいからと言って、下痢止めを服用するのは、逆に菌を体内に潜伏させる期間を増やしてしまう事になりかねませんので、服用をしすぎないように注意しましょう。

ただ、ノロウイルスは発症から2,3日で体調は改善するので、長期間ノロウィルスの症状に苦しめられる事はほとんどありません。

しかし、仕事に復帰するのは改善してから2,3日後にする事をお勧めします。
何故ならノロウイルスは、体調が改善してからも体内におり、排泄し続けている状態になっている事が多いからです。

長い人だと、2週間以上体内に菌が滞在している事もあります。
ですので体調が改善したからとすぐに職場へ行くと、同僚や利用者に感染してしまう事がありますので、十分に注意をして下さい。

先程も少し説明しましたが、嘔吐を繰り返してしまう症状がよく見られ、脱水状態になってしまう危険性が高い病気です。
つらい状況ですが、水分補給はこまめにするようにしましょう。また、高齢者や乳幼児等は、病院に入院しながら点滴を受けるような処置を行う方が安全と言えます。

こんなつらい状況になってしまうノロウイルス。しっかりと予防対策をしておく事が大切です。
特に介護施設は何十人、何百人と利用者がいるので、一番怖いのは「蔓延」してしまう事なのです。

このような状況にならないようにする為には、どんな予防策が適切なのでしょうか。

感染経路は?

まずはノロウイルスの感染経路から紹介していきます。
ノロウイルスは経口感染が1番最初の発症になります。ノロウイルスに汚染された牡蠣等を食べてしまい発症するケースがほとんどです。

その発症した人が嘔吐などした場合、嘔吐物に家族や介護職員などが触れてしまうと、菌が移り「接触感染」となってしまうのです。
その為、蔓延を防ぐには「接触感染による発症を防ぐ」事がとても重要な事になります。

この接触感染を予防する為には、いくつか方法があります。

普段から消毒清掃を行う

ノロウイルスに対する消毒方法は、「次亜塩素酸」が効果的です。
特に利用者や職員が触れるような場所は、しっかり次亜塩素酸を利用して、ふき取るようにして下さい。

廊下の手すり・居室の戸・トイレの手すり・食堂のテーブル等を、定期的に雑巾等で拭く事がとても大事な作業です。
それをする事により、付着している菌は取り除かれますので、出来れば毎日行うようにしましょう。

「でも次亜塩素酸が入っている消毒液ってどんな物?」と思われますよね。
家庭でも利用している「ハイター」が一番有名でしょう。ハイターを適量の水で薄めて使用し、しっかりと拭き掃除をして下さい。

この時に素手で行うと、次亜塩素酸で皮膚が荒れたり、ただれたりする事がありますのでゴム手袋などを利用して下さい。

手洗い・うがいをしっかり行う

介護職員自身も、しっかりと予防を行う事を心がけて下さい。
基本的な事ですが、必ず「手洗い・うがい」を行うようにします。これは施設に入ってきたらまず行うようにしましょう。

ノロウイルスに限らず、外から何らかのウイルスも一緒に施設内に入っているかもしれません。万が一その菌を施設に持ち込んだとしても、手洗いうがいを行えば、菌は消滅するのです。
「面倒くさい」「手間だから」等と思っても、必ず行うようにして下さい。

また、施設内でも職員の手を渡り、感染してしまう可能性がある仕事内容があります。それは「排泄介助」です。

介護職員は、失便してしまった利用者のオムツ交換の介助を行う事になります。
そのオムツ交換をした相手がノロウイルスに感染していれば、便からの接触感染によって、職員もノロウイルスになってしまうのです。

そして、そのまま違う利用者の介助を行えば、今度は介護職員から利用者に感染してしまう事になります。
当たり前の事ですが、一人の利用者の排泄介助が終了したら、必ず手洗いを行ってください。

まとめ

ノロウイルスは自分だけでなく、他者を巻き込み、次から次へと感染者を増やしてしまう、とても恐ろしいウイルスになります。
また感染力も強く、これといった治療薬もありません。

さらには高齢者がかかってしまうと、命の危険を脅かす非常に怖いウイルスです。
介護施設ではそういった免疫力が低下している高齢者が何十人といますので、普段から適切な感染症予防・対策をしっかり行っておきましょう。

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