高齢者の方・ご家族の方向けコラム
QOLとは?QOLを高めるには
- 2018.04.29 @ 新着
- 高齢者の方・ご家族の方向けコラム
日本の高齢者の寿命は、年々上がっているのを知っていますか?
現在の日本の平均寿命は男性が81歳、女性が87歳となっており、世界でも3本の指に入る程の長寿大国となっています。
「人生50年」という時代もあった日本。そんな国がここまで長寿の国になったのは、医療の進歩や生活習慣が要因となっているのです。
今では100歳まで生きる人は、そこまで珍しい事でもありません。
しかし長生きをする事ばかりがいい事でもありません。医療が進歩しているが故に、「生かされてしまう」という現実もあるのです。
そんな状況にならないよう、介護保険制度がスタートし、自分の健康を維持して行く為の取り組みや、なるべく自宅で生活できるよう介護サービスを受けながら生活していく支援が開始されたのです。
寿命が延び、定年を迎えてからもまだまだ長い人生ですので、しっかりと元気に過ごして行く為には心身ともに健康でないといけません。
特に現在では、QOLの向上を目指していく事が健康に繋がる内容として注目されています。
QOLとは?
QOLとは、QualityOfLife(クオリティオブライフ)といい、「生活の質」と言う意味です。医療や看護の分野ではよく耳にする言葉ですが、ここ最近では介護業界にも浸透してきました。
生活の質とは、人間らしい生活をしていく事。そしてそこには高齢者が満足できているかが重要なポイントとなっていくのです。
高齢になればなる程に出来ない事が増えていき、自分の趣味や楽しみを行う事が出来なくなってしまいます。
このような事が1つから2つ、さらに3,4つと増えていけば、楽しみや生きがいが無くなってしまい、喜びを感じられる事や生きがいがどんどん減少してしまい、その人の生活の質は落ちてしまいます。
もし自分が楽しみや生きがいがない人生を送るとしたらどうでしょう?
「生きていく意味」が分からなくなってしまう事もあります。
それが我々のように若い世代であれば、新しい事の出会いやきっかけでまた生きがいを感じられるかもしれませんが、高齢者にとって新しい事を自分で見つける事や行う事は難しい状況でもあるのです。
このような状態になってしまうと、精神的な面からだんだん健康が損なわれ、やる気もなくなり一人自宅に閉じこもってしまうようなケースもあるでしょう。
こうなってしまえばQOLが低下してしまい、自分を「必要ない人間」と悲観的に見たり、否定的に感じてしまい、うつ病などを発症してしまう事もあるのです。
うつになってしまえば、今度は精神面だけでなく体の体調も悪くなり、肉体的な支障もきたしてしまいます。筋力低下や意欲低下を伴い、どんどんと悪い方向に進んでしまうのです。
このように、QOLを維持・向上させる事が、心身ともに健康な生活を行う為に重要なのです。
それでは実際に、QOLを高めていくにはどのような方法があるのでしょうか?
寝たきりにしない
なかなか自分で体を動かせなくなってくると、意欲も低下してしまいどんどん寝たきりになってしまう事があります。
「寝たきり」と言われている高齢者の多くは、介護をする事で車いすに移乗したり、ポータブルトイレに座ってトイレをする事が実は出来るのです。
このように、日中は車いすで自宅のリビングで生活をしたり、施設等ではフロアで過ごす為に「体を起こす」事は、QOLを高める為にまず必要な動作と言っても過言ではありません。
まずは少しずつ、体を起こす時間を増やしていきましょう。
レクレーションや趣味活動の再開
1日何もする事なくボーっと過ごしている人には、楽しみや生きがいを感じる事はなかなか出来ません。
大切なのは、日々の生活の中に楽しいと思えるような刺激がある事です。
例えば、不自由になり出来なくなった趣味を再開してみる事は、本人の楽しみに繋がっていきます。
「もうどうせ出来なくなっているから」と、諦めてしまっている方が多いと思いますが、もしも介護士の支援があれば、再開できる事もあるかもしれません。
さらには、介護士から新しい趣味や楽しみを提案する事も大事です。
その人の身体状況を確認しながらレクレーションに参加してもらう事も、一つの対応方法になります。
機能訓練を定期的に行う
体の拘縮や、手足が動かしにくい状況の原因には、筋力低下や可動域が狭くなっている事があります。
介護士と一緒に機能訓練を定期的に行ったり、リハビリマッサージ等を取り入れて可動域を改善すれば、手先を使えるようになったり、足を動かす事が出来るようになる可能性があります。
そうすれば「字を書けるようになる」「自分で箸を使って食事をとる事が出来る」「物を持つ事が出来る」といった、身体機能の改善に繋がるケースもあるのです。
身体機能が改善されれば、QOLを向上させる項目が増えるでしょう。
QOLの向上は、すなわち「生きる意欲」に繋がりますので、とても重要な事になります。
まとめ
「その人らしく生きる」というのは、人が生活していく中でとても重要です。
特に長寿の国となっている日本は、定年を迎えてからどのように老後を楽しく生活していくかが大事になってきます。
しかし当然ながら、若い頃と同じように生活をしていく事はとても難しく、日頃から自分自身で「自分の生活の質」について考え、それを長く継続出来るようにする為の行動をとらなければなりません。
行動方法については、ケアマネジャーに相談するのが一番です。
できない部分は介護士に補ってもらいながら、自分が出来る事自分で行い、楽しみを継続して生きていく事。
そんな人生を一日でも長く続けられる事を願っています。
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