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介護士のお仕事

エアマットってどんな効果があるのか

介護保険のサービスは、高齢者が一人で生活していくには支障が出てきている状態の人を、介護士が補助したり、介助を行う事で生活を支援していくサービスです。

しかし介護保険の中にも、利用者に直接介助を行わない物もあります。
それは住宅改修のサービスや、福祉用具貸与や購入といった、安全に生活をして行く為の道具を利用したり、環境を変更させる事で生活を維持させるサービスです。

特に福祉用具貸与・購入のサービスには、ベッドや車いす、杖や歩行器等を、月々1割から2割の負担で利用する事が出来、費用の負担はほとんど掛からないのがメリットになります。
杖や歩行器は、普通に購入してしまえば何千円から何万円もかかる商品ですので、介護保険サービスで利用できるのは非常にありがたいですね。

そんな福祉用具で利用出来る物の中には、エアマットという物があります。
このエアマットとは、どんな効果があるのでしょうか。

エアマットとは

エアマットとは、空気の入ったマットレスになっています。ある一定の時間で膨らんだり縮んだりを繰り返し、体にかかる圧力を分散させるのです。
空気圧の設定は、体重等でも変更する事が出来ます。

利用される方にとっては、揺れたり浮遊感等を不快に感じてしまう事があります。また、ベッド上は定期的に動いている為、立ち上がる事が難しいのです。
このような状況から、普通に寝起きできる人はほとんど使用する事はありません。

利用するのは筋力低下や骨折、拘縮等が強くなっているような寝たきりの方や、脳梗塞や脳出血などで起こる麻痺での障害を持った方が多いのです。

このような寝たきりの方であったり、麻痺により体を動かす事が出来ない人の多くは、自分で寝返りや姿勢を変える事が出来ません。
そういった方達の姿勢や体勢を定期的に自動で変える事が出来、体にかかる圧力を色々な箇所に分散させてくれるのです。

介護施設なんかですと、介護職員が定期的に体の向きを変えに居室に伺う事が主流になっていて、これを「体位交換」といいます。
大体2時間から3時間に1回、体位交換をする事が基本になっていて、仰臥位から右側臥位、左側臥位と変更していきます。

ただし、体の状態や麻痺、病気によっては向かせてはいけない方向もあると思いますので、注意して下さい。

それにしてもこのような動作はどうして行うのでしょうか。
圧力を分散させる事で、体にはどのような意味があるのでしょう?

褥瘡を予防する

あなたは「褥瘡」という言葉を知っていますか?
褥瘡とは、皮膚の一部がただれたり、発赤が出来てしまったり傷が出来てしまう事を言います。

このような現象が起きてしまう原因は、体重等での体の重さで圧迫されている部分が長時間にわたり同じ個所となる為、血流が悪くなったり滞ってしまう事が原因となるのです。

私達は普通、寝ている時でも無意識のうちに寝返りを打ったり、体の向きを変える等の行動をとっています。
椅子に長時間座っていれば、お尻が痛くなり、少しお尻を浮かせたり立ち上がったりする行動に出るでしょう。

しかし、先ほど説明したような麻痺があったり寝たきりで体を動かせない人は、自分の力で体の向きを変える事が出来ないので、圧迫されている場所はずっと同じ箇所になってしまいます。
そうなれば、その部分が褥瘡となってしまうのです。

また、褥瘡は出来やすい・出来にくい状況は他にもあります。まずは栄養状態が悪く、皮膚が弱っているような方は圧迫ではなく、摩擦やずれ等でもすぐに発赤疹を作ってしまう事があります。
そういった症状が出ないよう、皮膚の状態改善や、介護職員が定期的に体位交換を行い予防に努めるのです。

24時間体制でサービス利用が出来る入居施設には、ずっと介護職員がいますので、そのような対応をしてくれていますが、自宅で生活している人が夜中に体位交換するには、一緒に生活する家族になる事が多いのです。

特に老夫婦2人で生活している家庭では、介護する方も高齢ですので、夜中や明け方に定期的に起き、体位交換する事は非常につらい事でしょう。

このような状況にならない為に、エアマットを使用するのです。
エアマットは自動的に圧迫する箇所を変えてくれるので、体位交換の必要はありません。

手間を省いて病気も予防

このように、施設より自宅で生活する高齢者にはとても必要な福祉用具となっていて、家族の負担や褥瘡の発症を予防してくれます。

褥瘡の出来やすい所は臀部や後頭部、踵と言われています。
もしもその辺りが赤くなってきた場合には、褥瘡の合図かもしれませんので、エアマットを利用する事をお勧めします。

まとめ

エアマットは、自分で体を動かす事が困難な人が利用する、褥瘡予防に効果がある福祉用具です。
特に介護施設等ではなく、自宅で生活していて24時間介護士からサービス利用できない方に最適でしょう。

ただし、褥瘡予防は体位交換だけではありません。栄養状態や皮膚の状態もしっかり観察し、向上に努める事も褥瘡予防の一つになります。
夫婦だけで生活している世帯には心強い用具になりますので、借りる条件等をケアマネジャーに相談してみましょう。

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