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介護士コラム~体験談~

異食行為に対応できなかった私の失敗体験2「切れないそうめん」

認知症介護を勉強する中で、必ずといってよいほど学ぶ認知症ご利用者様の異食行為(いしょくこうい:食べ物とは違う物を食べてしまうこと)。
テキストや座学では学んだけど、まさか自分の前でこんな展開が!?
今回は異食行為に対応できなかった介護士としての私の失敗体験2をご紹介します。

異食行為に対する油断

異食行為とは認知症のご利用者様がとられる行動の1つではあります。
でも認知症のご利用者様全員が異食行為をするわけではありません。

今思えばそれが油断だったのかもしれません。

重度の認知症、S様との出会い

私が働いていたグループホームに、S様という女性のご利用者様がご入居されました。

認知症高齢者のグループホームなので、認知症という診断(病名)がついてないとご入居できないので、軽度・重度の違いはあっても、ご利用者様全員が認知症という環境です。

S様の基本情報には「異食行為あり。花を食べてしまうこと有り。」と記載がありました。

S様の座るテーブルには、花はかざらないことがグループホーム内では徹底されました。

洗たくものをたたむ場面

認知症高齢者のグループホームは、生活感にあふれている施設が多いと思います。

私が働いていたグループホームも、買い物、食事作り、洗濯などの場面で、ご利用者様ができることはスタッフと一緒に楽しくやれる場面を多く持つようにしていました。

S様は重度の認知症ではありましたが、穏やかな性格で、S様ができそうなことをうながせば「ハイハイ」と笑顔で取り組まれるような方でした。

この日も毎日の日課のように、干し終わった洗たくものをご利用者様とスタッフが一緒にたたんでました。
S様もいつものようにこの中に混じって洗たくものをたたんでくれていました。

その洗たくものの中から、たくさんの糸くずがでてきたのです。
(前の日の日中に手芸をやっていたので、その時使っていた糸ををどなたかがポケットに入れてしまったのでしょうね・・・)

そして「異食行為」の場面がやってきたのです。

「そうめんがかみ切れなくてこまっているの」とS様が口にしていたものは!?

私は糸くずを片付けるために、ほうきとちりとりを取りにいきました。

取りにいって戻るまで1分もかかっていなかったと思います。

ふとS様の顔を見ると、口から白いものが何本か出ているのです。

S様「このそうめん、おいしいんだけどかみ切れないの」と笑っておっしゃってましたが、私は真っ青!
見てあきらかに糸くずです!

S様の穏やかな性格にも助けれれて、とりあえず洗面所までお連れして「歯みがきしましょうか」とお声かけしながら
糸くずを取り除かせていただきました。

まとめ

いや~、基本情報に「花を食べてしまうこと有り。」とは記載がありましたが、糸くずがそうめんに見えてしまうとはビックリでした(飲みこまなくて本当にヨカッタ~)。

このような異食行為に対応できなかった介護士としての私の失敗体験を読んでくださった方が、同じような失敗をしないための参考になれば幸いです。

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