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特養と老健の相談員の仕事内容の違いについて

特別養護老人ホーム(以下、特養)と老人保健施設(以下、老健)は老人ホームと呼ばれる施設であり、介護保険上の施設という位置づけでは代表的な施設になります。

特養の特徴と相談員の仕事

相談員の仕事内容は社会福祉士やケアマネの資格を持っているかどうかで多少変わってきますが、基本的に仕事の流れは資格があってもなくても同じになります。

介護業界はどこも慢性的な人手不足ですが、特に特養の場合は介護度が重い方が多く、利用者一人一人の介助に時間がかかるので介護職員の人員不足は深刻です。
そのため施設によっては相談員もレクレーションや外出支援、年中行事の際に介護職員と同様に利用者の介助をしなければいけいところが多いです。

特養の利用者の方の一日の流れは、起床→朝食→レクレーション→昼食→入浴→自由時間→夕食→就寝、といったところがほとんどです。
相談員はレクレーションや自由時間の時に、利用者やその家族からの相談業務をこなし、空いている時間は雑用や簡単な介助の手伝いなどをします。

さすがに入浴介助まではしないとですが、ある程度元気な方のトイレ誘導や車いすの移動などです。
相談業務だけやっているという人は忙しい特養ではあまりいないと思いますし、普段から利用者の方と少しでも関わる事で相談業務がスムーズにいくので現場でも仕事をしている相談員は多いです。

特養は終の棲家とも言われており、一度入所した利用者の方は、病気や体調の急変などで病院に入院する以外はこの施設で最後を迎える場合がほとんどです。
基本的に特養は利用者の方の「看取り」を行っているのです。
そのため特養の相談員は利用者の方や家族から「どんな形で最後を迎えたいか」という希望をあらかじめ確認しておかなければいけません。

例えば食事が自分で食べれなくなったら場合、医療的な処置をせずにそのまま最後を迎えたいのか、どんな形でもできるだけ延命してほしいのかなど、急変した時では家族と連絡がとりづらい場合もあるので、事前に希望をきいておくのです。
特養には様々な方が入所されており、ある程度元気な方ももちろんいますが、比較的要介護4~5までの介護度が重い方が入所されていますので、ターミナルケアに重きを置いたケアブランも必要になってきます。

利用者の方の中には寝たきりの方や認知症で会話をするのがをするのが難しい方も多いので、家族から要望をきいて実践する場合も多いので家族とのコミュニケーションも大事になってきます。

「看取り」は利用者の方の人生の最後を締めくくるデリケートな問題です。家族の中にはあまりプライベートな家族の問題に口を出されたくないという方もいるので家族のケアにも気を使います。

老健の特徴と相談員の仕事

老健は基本的にリハビリをして身体機能が回復するまでの決められた期間に入所する施設なので比較的利用者の方と接する期間は特養と比べると短いです。

一日の流れは起床→朝食→リハビリ→昼食→入浴→自由時間やリハビリ→夕食→就寝といった感じでリハビリ時間が多い事以外はあまり特養と変わりません。
入所している間、利用者の方はリハビリを中心とした生活になりますので、特養ほどレクレーションや外出支援などの行事はありません。
その分利用者の方と接する時間が短いので、一人にかける相談時間なども短いのですが、老健は短期間で利用者が入れ替わる事も結構あるので、たくさんの利用者を担当する事になり、せっかくお互いに慣れてきて信頼関係が築けたのにもう退所してしまうという事が結構あるので臨機応変に対応する事が大事でになってきます。

老健は病気や怪我などで不自由になった体のリハビリを目的としています。
なのでケアマネの資格を持っていれば、自分でケアプランを作成するのが基本ですが、その際にも老健に常駐している看護師や理学療法士、作業療法士などから治療やリハビリに関してのアドバイスを聞いてケアプランを作成しなければいけません。

まずはケアプランに老健に入所している間に、どこまで身体機能を回復する事を目的とするのかを記入して、それに沿ってリハビリをすすめていきます。
そのため老健の相談員をするのなら医療の知識もある程度もっていなければいけません。

ケアプランを自分で作らないにしても、利用者の方と関わる上で医療の知識は必ず必要になってきます。
また病院を退院してそのまま老健に入所する方が多いので、治療方針など病院からも相談や連絡を小まめにとったり、病院からのカルテや資料などもチェックしなければいけないので、事務仕事も多いです。

まとめ

特養と老健に入所されている利用者の方の大きな違いは、特養の方が認知症の方が多く、症状も重い方が多いという事です。

老健にも認知症の方はいますが、重い症状の場合は優先的に特養などの施設に入所されるからです。
どちらが働きやすいというのは人それぞれなので、一概にはいえませんが、しいて言うなら「利用者の方の最後の時まで関わる仕事がしたい」という方は特養が向いているかもしれません。

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