介護士のお仕事

力がないけれど介護士の仕事は務まるのか？

2018.04.06 @ 新着
介護士のお仕事

介護の仕事は人相手のお仕事です。高齢で体が不自由になってきた方や、物忘れなどがひどくなり、理解する事や判断力が鈍ってしまった方の身の回りのお世話や、身体的な介護を行う事が主な仕事になります。

介護の仕事というと、「体が小さいから私には難しいだろう」「力がないから介護は出来ない」と思っている方も中に入るのではないでしょうか。

確かに自分で動く事が出来ない方なんかですと、ベッドから車いすへ移乗しなければならなかったり、入浴の介助の時に服を脱いでもらう為に体を持ち上げたりするようなイメージがあります。
そうなれば、力のない人は介護の仕事をするのは確かに難しいでしょう。

しかし介護の仕事をしている方の中には、そんなに力がありそうには見えない方も働いています。
力はなくても介護士の仕事は務まるのか？今回はこの内容についてご紹介していきます。

介護のイメージ

先程も簡単に説明しましたが、介護の仕事と一口で言っても色々な業務があります。
「介護の仕事は力仕事」と思われているのは、身体介護の事を想像しての事でしょう。

確かに介護施設には、寝たきりの方や体に麻痺がある方等を介助する事があります。
もちろん寝たきりですから、「お風呂の時間ですから行きましょう」と声を掛けただけでは、動く事が出来ない為、その利用者はお風呂場に行く事は出来ません。

ではどうしたらいいのか？もちろんそこは介護士が介助する事になります。
まずはベッドの近くに車いすを持ってきて、ベッドから体を起こします。そして職員の首に両手を回してもらい、そのまま利用者を引っ張り上げて車いすへ移乗します。

この一連の動作が「力が必要」となっている原因なのでしょう。
どうしても「抱える」「支える」「持ち上げる」等のイメージが強く、「自分には出来ない」となっているようです。

力仕事だけが介護ではない

もちろん、他にも介護業務はたくさんあります。機能訓練やレクリエーションを考えて実行したり、買い物の同行や病院への付き添いの仕事等もあります。
利用者と一緒に食事を作る事もありますし、洗濯物を畳んだり部屋の掃除を行う業務もあります。

このような内容には、当然力仕事を連想させるような内容はありません。
もちろん施設か在宅での介護によって、行う・行わない業務もありますが、力仕事が全く必要ない業務だってたくさんあるのです。

じゃあ一番力を使わないで出来る介護事業者は？

上記でも説明した通り、全く力なんか使わない介護業務もたくさんありますが、その中でも一番力がなくても介護の仕事が可能な事業者はどこでしょう？

「絶対に力は必要ないです！」と、言い切る事は出来ませんが、一番力が必要ないのは「訪問介護」になるでしょう。
理由としては、訪問介護には、掃除や洗濯、調理といった生活介護があり、そういった生活をしていく上で困っている内容のお手伝いをする介護サービスがあるからです。

当然、入浴の介助や車いすへの移乗介助もあります。
しかし自宅での入浴や移乗介護ですので、そこまで介護度は高くなく、見守りや一部介助で大丈夫な方が多いようです。

もちろん重度の方もいらっしゃいますが、そういった方は訪問入浴を利用されていたり、デイサービスで入浴してくるケースが多いようです。

そもそも一人でやろうとしていませんか？

力仕事があまり必要ない訪問介護の業務について紹介しましたが、実は介護施設の仕事でも、力がなくても務まります。
これも介護に対するイメージがそう思わせてしまっているのだと思うのですが、何も1人で行う必要はないのです。

もちろん在宅で行う訪問介護は、自宅に伺い、短時間にはなりますが一人で対応する事になっています。
先ほど紹介したように、そこまで力を使う事はないにしろ、1対1の仕事になりますから、何かあった時には全て自分で対応しなければなりません。
訪問介護にはそういった苦労はあるのです。

介護施設になれば、職員が必ず数名から数十名いますので、何かあれば相談したり手伝ってもらう事も可能です。
そう、介護施設では何も1人で利用者の移乗をする必要はありません。寝たきりで力が必要な利用者は2人でベッドから車いすへ移乗すればよいのです。

介護士はまだまだ女性が多い職種になりますので、そういった体重が重い方や寝たきりの方等への対応は、「2人介助」をルールとして介助をする事を決めている施設等も多くあります。
施設としても、1人で無理やり起こそうとして、支えきれず利用者をそのまま転倒させてしまいました、なんて事は絶対避けたい事ですので無理に1人でやらせません。