グループホームで働く介護士の仕事

介護サービスを利用している方の中には、理解や記憶する事が出来なくなってしまい、同じ話を何度もされてしまういわゆる「認知症」の方がいます。
理解する事が出来なくなってしまっている為、食事を何度も食べてしまったり、買い物に何度も出かけたりする行為なども見られるので、家族としてはとても心配になります。

その為、介護サービスを利用し、介護士に身の回りのお世話や介助をしてもらう事をお願いするのですが、自宅の場合だと24時間常に介護サービスを利用する事は出来ません。

「夜中外に出て万が一の事があったらどうしよう」こんな家族の不安を解消してくれるのが、介護施設の「グループホーム」になります。
入居施設ですので、24時間体制で介護士が施設に常駐しているのでしっかりと対応してくれます。

では、グループホームで働く介護士はどのような対応をしてくれるのでしょうか？

一緒に外出してくれる

24時間体制での入居施設であるグループホームでの介護士の仕事は、「家庭的な環境と、地域住民との交流」が基本方針としてあります。
グループホームは地域密着型サービスとなっている為、元々いた地域での入居が可能なので、入居前と変わらず地域交流をする為に外出等を行う事も可能です。

「でも、認知症の方は外出させると危険なのでは？」と思われますよね？もちろんその通りです。
ですが認知症の方を一人で外出させる事は非常に危険な為、そこはしっかりと介護士が同行します。

介護士と一緒に数人で外出し、散歩をしたりよく行っていた花屋さんなどにも行く事が出来るので、そこで地域の人と昔と変わらない交流を行う事が出来ます。
その他にも、買い物などにも介護士と一緒に出掛ける事も出来るので、外出の機会は多いでしょう。

身体介護もしっかり行う

当然介護施設ですので、グループホームの介護士も「入浴・排泄・食事」の介護を行います。
これは、ほとんどの施設が行う事になっている3大項目と言える内容です。

例えば入浴ですと、利用者が自分でシャワーを出す時に、熱湯の温度にして体に浴びてしまうような事が無いようにしっかりと確認する事が必要ですし、お風呂場は床が濡れて滑りやすくなっていますので、利用者が転倒しないよう支えたりする介助が必要になります。

食事で言えば、異食行為に注意しなければなりません。
テーブルに置いてあるティッシュを誤って食べてしまわないか、他の利用者の食事を食べてしまわないか等をしっかり見守る事も介護士の仕事になります。

排泄も定期的にトイレに誘導したり、失敗していた場合には更衣の介助も介護士の仕事になります。

食事の支度も介護士の仕事？

ここが他の施設との大きな違いになってくると思いますが、グループホームは食事の調理も介護士が行う所が多いようです。
老人ホームやデイサービス等で働いている介護士は、意外とこの仕事内容は知らないようで、話を聞くとビックリしている方もいます。

多くの施設には必ず「厨房スタッフ」がいて、調理師や栄養士の方が調理を行い、食事を提供しています。
その為、グループホームで働いた事のない介護士がビックリするのも当然と言えば当然なのでしょう。

グループホームの介護士は、シフトで食事を作る介護士を決めて調理を行っていきますが、ここで「家庭的な雰囲気」としての方針通り、利用者と一緒に作る所も多いようです。
女性の利用者は、特に料理を何十年としてきた方達が多いので手伝ってもらいやすいですし、細かな作業は機能訓練にもなるのでリハビリの要素にもなるでしょう。

認知症専門の介護士が豊富

実はこのグループホーム、認知症の方しか入居出来ません。
ですので「認知症の方もいる」というわけではなく、「認知症の方しかいない」という状況になっています。

認知症の方の行動を把握するのは非常に難しく、また認知症の方は1人1人状態が違う為、対応方法は十人十色となります。
認知症の方を1人対応するのにも難しいのですが、グループホームの介護士はしっかり対応できるのか、家族としては心配なことかもしれません。

しかしそこは問題ありません。グループホームは認知症対応型施設ですので、認知症の利用者をしっかり対応する事がメインの仕事になります。

また、認知症対応型の施設という事で、認知症専門の介護士が多く働いています。
外部講習を受けに行ったり、施設内での勉強会などを行い、認知症についてしっかり学んでいるのです。

さらに「認知症ケア専門士」という資格があり、そちらを取得している介護士も多いようです。
介護の仕事でも、認知症を専門として仕事をするわけですから、対応方法に関する知識は豊富にあると言えるので安心できますね。

まとめ

グループホームの利用者は、認知症である事を条件に入居できる施設です。
また、住み慣れた地域を出ていく事もなく過ごす事が出来、地域との交流を大切にしています。

ただ、入居出来る人数が少なかったり、そもそもグループホームの施設自体が少ないので、なかなか入居するのに時間がかかってしまう現状です。
一人でも多くの方が入居できるよう、もっともっと施設が増えていけばありがたいですね。