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介護士のお仕事

転倒時の対応について

高齢になってくると、足腰の筋力が衰えてくるため、何もない所でこけたり、転倒してしまう事があります。また、目も見えずらくなるため、障害物に気がつかず、思わぬ所で転倒して大怪我をする場合もあります。

介護施設内で、利用者の方が転倒するという事もよくある事なのですが、その時はどのような対処をすれば良いのでしょうか?
看護師などが常駐している施設の場合は、介護士以外に対応を任せる事ができますが、そうでない施設もあると思います。転倒の際はどのような対応をすれば良いのでしょうか?

転倒時に確認しなければいけない事

もし、自分の目の前で、利用者の方が転倒してしまった場合は、どこをぶつけたのか、どのくらいの衝撃があったのかは、だいたいわかるのである程度の怪我は想定できると思います。
高齢者の場合は、少しの衝撃で骨折したり、骨にヒビが入ってしまう事が多いので、転倒した際には、その事も確認しなければいけません。
少しこけてぶつけた場合などは、若い人ならば内出血や、擦り傷だけで済む場合がほとんどですが、高齢者の場合は、そんな軽い衝撃でも骨折したり、骨にヒビが入ってしまう事があるのです。

転倒した場合は、まず血圧を測って異常がないか確認し、本人の意識がはっきりしている場合は30分ほど様子を見てみます。骨折している場合は痛みも強いですから、30分以上経っても痛みの訴えがある、ぶつけた所を少し動かすだけで非常に痛がる、という場合は骨折や骨にヒビが入っている可能性もあるので、病院を受診しましょう。

転倒した現場にいなかった場合は、まず「意識ははっきりしているか」「どこをぶつけたのか」を確認し、この場合もバイタルチェックをした後、しばらく様子をみて痛みの訴えが強い場合は病院を受診しましょう。

転倒した際、すぐに病院に行かなければいけない場合

転倒した際に頭などをぶつけて、意識がない場合などは、すぐに病院に連れていくか、救急車を呼ぶようにします。
異常に血圧が高かったり、低かったりが、長い時間続くような場合も病院を受診した方が良いでしょう。

様子を見ても大丈夫な場合

転倒した後、軽い怪我なら30分ほど経つと、痛みは気にならなくなる事がほとんどです。
高齢者の場合は軽くぶつけてもすぐに内出血になってしまい、青あざが広い範囲でできてしまう事もありますが、本人の痛みの訴えがない、ぶつけた所を動かしたり、触っても痛がらない場合は、病院に行かずに、そのまま様子をみても大丈夫だと思われます。

ただ、念のために次の日も痛みがないかの確認はしておきましょう。
擦り傷や、切り傷がある場合は、絆創膏を貼ったり、ガーゼを当てるなどの対応をしましょう。
認知症の方の場合は、転倒した事を忘れてしまい、痛みがない場合は、絆創膏なども剥がしてしまう事もあるので、軽い傷でも、すぐに取れないように包帯で巻いておくという方法もあります。

転倒を繰り返す人の対応

通常は、利用者の方が転倒した場合は、職員も心配してさまざまな対応をしますが、利用者の方の中には、頻繁に転倒を繰り返す人もいます。
筋力の低下で歩けないため、普段は車椅子で生活している方や、歩行器で生活している方で、認知症がある場合は、自分が歩けないという事を忘れて、歩き出して転倒してしまう事があるのです。

「歩かないで下さい」と言ってもすぐに忘れてしまうので、転倒を繰り返してしまうのです。職員もその方が自分で歩かないように見守りをしていますが、24時間、一人の方につきっきりでいる訳にはいかないので、対応に困ってしまいます。
居室で利用者の方が一人でいる時は、動いた時にすぐにわかるようにセンサーを設置するなどの対応をしている施設も多いと思いますが、職員がすぐに駆けつける事ができない場合もあるので、安全面を優先するならば、職員が常に見守りができるフロアで過ごしてもらうのが一番です。

そして困った事ですが、利用者の方の中には、職員にかまってほしくてわざと転倒するという方も実はいるのです。利用者の方が転倒した場合はヒヤリハットを書いたり、家族の方に連絡をしたりと、やらなければいけない事が増え、職員からすれば、わざとこけるなんて迷惑な話ですが、ずっと施設で暮らしている利用者の方は孤独や寂しさを感じている人も多く、心配されたい、かまってほしいという思いがそうさせているのです。

職員が常にそばにいて声かけをしてあげるようにすると、わざと転倒する事はしなくなったという利用者の方もいます。

まとめ

元気に歩いていた方が転倒によって骨折し、その事が原因で、その後はずっと車椅子生活になってしまう事も珍しい事ではありません。

高齢になってくると、一度落ちた筋力を回復させる事が難しくなってきます。
転倒で怪我をしないように、普段から見守りには気をつけ、もし、転倒してしまった場合は冷静に適切な対応ができるように、普段から対応の仕方を勉強しておく事が大事です。

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