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介護士のお仕事

骨折の疑いがある場合、介護士としてどのように対応すればいいのか?

介護施設で働いていると、自分が思っているよりも高齢者の方の体は脆いのだと痛感する事があります。
手引き歩行をする際、少し力を入れただけで、皮膚の弱い高齢者の方は内出血になって、手にアザができてしまったり、体位変換をするだけでアザができてしまう事もあります。

皮膚と同じように、骨ももろいため、簡単に骨折をしてしまうので、普段から気をつけなければいけません。
もし、骨折に気づいた場合は、どのような対応をしたら良いのでしょうか?

いつもと様子が違う場合は骨折している可能性も考えられる

骨折している場合、強い痛みを感じる事がほとんどですが、場所によっては強い痛みを感じない事もあります。助骨などを骨折している場合は、体を動かした時や、息を大きく吸い込んだ場合に痛みを感じる事はありますが、普通に過ごしている時は、強い痛みではないので、本人も骨折しているとわからない場合があります。

「少し痛い」という訴えが長く続く場合は骨折の可能性もあるので、病院を受診するようにしましょう。

原因はわからないが骨折が疑われる場合

介護士ならば、利用者の方を介護する際には注意を払い、怪我をさせないように気をつけていると思いますが、自分でも知らない間に利用者の方を骨折させてしまっている場合があります。
高齢で、特に女性の方の場合は、骨粗しょう症などで、とても骨がもろいため、ベットから車椅子に移乗させる時などの衝撃で骨折してしまう事もあります。

施設では、常に時間に追われているので、急いで介助していると、思わず力が入ってしまい、勢いよく車椅子に乗せてしまう事があるのです。
介護士本人に悪気はないのですが、介助が原因で怪我をした場合は、やはり介護士の責任になります。
しかし、利用者の方があまりコミュニケーションを取れない方の場合は、痛みの訴えはあっても、いつ、どこで、誰の介助が原因で骨折してしまったかなどは、はっきりわからない場合もあります。

骨折した原因を調べる

原因がわからない場合でも、うやむやにせず、「なぜ、骨折してしまったのか」という事も職員同士で話し合う事が大事です。
ほぼ寝たきりか、車椅子の方の場合は、自発的に動いて骨折する事はあまり考えられないので、職員の介助の仕方に原因がある場合が多いです。

骨折した箇所で、どういう状況で怪我をしたのか、だいたい推測する事ができます。
足の付け根付近の骨が骨折した場合は、車椅子へ移乗する際に強い力が加わったことが推測されますし、助骨などの場合は、体位変換の際に力が加わったのかもしれません。
助骨は他の骨と比べても非常にもろいため、寝返りを打っただけで骨折する人もいるので一概には言えせんが・・。

いつから痛みの訴えがあるのかで、どの時間帯で骨折をしたのかがだいたいわかります。そうすれば、その時間帯の勤務の職員の介助が原因という事が考えられます。
大事なのは犯人探しをする事ではありません。
移乗の仕方や、体位変換の仕方など、介助の仕方を気をつけ、同じ事が起こらないようにするのが目的です。

虐待で骨折した可能性がある場合

あってはいけない事ですが、実際に介護士による虐待で怪我をしてしまう利用者の方もいます。
虐待が起こりやすいのは、職員の数が少ない夜間に多い傾向があります。
一緒に働いていると介助の仕方が乱暴だとか、利用者の方に冷たいとか、職員同士で相手の人間性がわかってくるものです。

何となく、この職員が原因で、利用者の方が怪我をしたのでは・・と思っていても実際に口に出して言う事は、やはり難しい事ですし、もし、違っていた場合の事を考えると、なかなか口に出せない、そのため、見てみぬふりをしてしまう事もあると思います。
直接、相手の名前を出す事が難しい場合でも、利用者の方が怪我をしていた場合は、その都度、上の人間に報告する事で、虐待防止に繋がる事もあります。

知らないふりではなく、何らかのアクションをおこす事で、虐待しにくい職場にしていく事もできるのです。
自分が日勤で出勤した時に、利用者の方の顔や体にアザがある、というはたまにある事ですが、もちろん全てが虐待によるものではありません。
ほとんどの職員は一生懸命、真面目に仕事をし、自分の休憩がまともにとれなくても、利用者の方の介護を頑張ってやっています。

しかしそれでも、夜間は職員の数も少ないので見守りが十分にできないため、利用者の方が自分で動いて怪我をしてしまう事はよくあるのです。
夜間は2~3人の夜勤者で40~50人の利用者の方の介護をしなければならない施設もあるので、日中に比べると、怪我をしてしまうリスクは高くなります。

まとめ

コミュニケーションが十分にとれない利用者の方の場合、骨折していても自分で具体的な痛みを伝えられない場合もあります。
普段、お世話をしている介護士が、異変にいち早く気づき、きちんとした対応をしてあげる事が大事です。

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