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介護士のお仕事

入浴することができない場合は足浴をしてみよう~介護士レベルアップ術

介護士としてスキルアップしていくためには、テキストや座学では学ぶことのできない実体験に基づくちょっとしたコツや経験値なども必要になってきます。
今回は、入浴することができないご利用者様に対して足浴で対応してみると、どのような効果が期待できるかといった内容をご紹介します。

体調不良で入浴ができないご利用者様のためにできる事を考える

最初にお伝えしておきますが、今回の記事では「本当は入浴したいけれども、体調不良で入浴できないご利用者様」に対しての介護士としてのスキルアップの視点についてご紹介していきます。
(認知症などで入浴拒否をしているご利用者様への対応ではないので、その点で誤解がないようにご理解ください。)

「本当は入浴したいご利用者様」が「発熱や血圧異常等、体調不良で入浴ができない」場合、よくある代替方法は清拭対応です。
しかし介護士としてスキルアップするためには清拭以外の対応方法を知っておく必要があります。
(清拭に関する内容は、改めて後ほど記載します。)むしろ清拭以外の対応の方がご利用者様に喜ばれ、ご利用者様の体調改善につながる場合もあります。

介護士としてのスキルアップの視点としては「体調不良で入浴できない」から「すぐに清拭する」という考えは一旦ストップして、それ以外の選択肢を知っておくと良いのです。

広い意味での「入浴の効果」を知っておく

体調不良で入浴できないご利用者様に対して何ができるのかを考えるうえでは、広い意味での「入浴の効果」を知っておくと良いです。

介護士として初任者レベルだと「入浴の効果は、清潔保持」程度の理解だと思います。
決してまちがいではないのですが、介護士としてスキルアップするためには入浴に対するそれ以外の効果を理解しておく必要があります。

例えば良い意味で血流が良くなるので、高齢のご利用者様にありがちな冷え症の改善、関節痛の改善なども入浴の効果です。

湯につかることでご利用者様の全身には適度な水圧がかかります。全身に適度な水圧がかかることで、適度な運動効果と同等の効果が期待できます。介護施設においてはご利用者様の入浴介助は日中に行われることが多いので、適度な運動効果と同等の効果があるということは、日中の活動量が上がり、夜間の良眠につながるということが言えます。

また入浴を楽しみにしているご利用者様の場合、精神的にも良い効果が期待できます。
特にご利用者様世代の日本人は「湯船につからないと風呂に入った気がしない」という方も多いので、入浴ができたというご利用者様の満足度という点からも、広い意味での入浴の効果に結びつきます。

清拭が、体調を余計崩す原因になる可能性を知っておく

ただ、介護施設においてよくある事ですが「体調不良で入浴できない」から「清拭対応する」方法を選択する場合が多くあります。
前述でも触れましたがまちがった方法ではなく、かつての介護施設ではあたり前の対応ではありました。

しかし清拭には弊害もあります。例えばご利用者様の身体を拭くために使うお湯の温度管理を間違えると、ご利用者様の身体を冷やす結果になるという点です。清拭対応する場合、基本は熱めのお湯を用意するのですが、初任者レベルの介護士だと適度な湯温のお湯を用意して、ご利用者様の身体を拭く頃にはお湯が冷めているなんてこともありがちな話です。

また清拭で全身の清潔保持をするためには限界があります。洗髪などドライシャンプーなどを活用する方法もありますが、通常のシャンプーに比べると洗浄力は劣ります。

足浴がなぜ有効かを理解する。

「体調不良で入浴できない」ご利用者様への対応方法として、高い効果が期待できるのが足浴です。

足浴のメリットには「良い意味で血流の促進のためには、全身浴と同等の効果がある(簡単に言えば身体が温まる)」「車いすのご利用者様はもちろんのこと、寝たきりのご利用者様でも比較的対応がしやすい(介護士にとっては清拭よりも簡単に対応できる)」「ご利用者様にとって、必要以上に服を脱いでもらわなくて良いので、身体を冷やしにくい」などがあります。

下手に清拭にしてうまく対応できず、ご利用者様の身体が冷えるくらいであれば、足浴を用いた方がご利用者様の心身のためにはメリットがあると言えるのです。

陰部などの清潔保持を気にする介護士もいると思います。確かに大切な視点ですが、陰部の清潔保持は排泄介助時にきちんと行えば良いのです。

まとめ

いかがでしたか?
「体調不良で入浴できないご利用者様」に対して「足浴で代替する」メリットを知っておくと、清拭以外の選択肢が増え、介護士として良い意味で幅のある介護を可能にすることができます。

今回ご紹介した内容が、介護士としてスキルアップしていきたい方のお役に立てれば幸いです。

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