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介護士のお仕事

11月11日の「介護の日」について。介護に対する理解を深めよう。

11月11日は「介護の日」ということをご存じですか?
11月11日の「介護の日」は、世間的にはまだまだ認知されていない日ではありますが、介護に対する意識を高め、介護に対する理解を深めてもらおうと、厚生労働省から発信された日であります。

その「介護の日」とは、いったいどんな日なのでしょうか?「介護の日」が設けられた目的とは何でしょう?
今回は、この「介護の日」を様々な角度から見つめながらご紹介したいと思います。

厚生労働省が発信した、介護に対する意識を高める目的

「介護の日」の内容に触れる前に、これからの日本は、ますますの超高齢化社会へと進んでいく状況について、ご紹介しておきます。

日本は今後、更なる高齢化社会に向かっていきます。
2025年には、日本で一番人口の多い世代である「団塊の世代」全員が75歳を超える(つまり後期高齢者になる)年になります。

今、直接介護を受けていない人も、何らかの病気や心身の衰えをきっかけに介護を必要な人に立場が変わるかもしれません。
また、若い世代であっても、例えば実の親、配偶者の親、きょうだいなど、身近な親族を介護する立場になる可能性もあります。

もちろん私達自身、例えば若くして若年性の認知症を発症し、介護が必要になる(40歳を超えている認知症の方は、65歳前でも必要な申請をすれば要介護状態になります)場合もあるかもしれません。

また「介護」という響きとは少し違いますが、交通事故やケガなどで一定期間入院し、その間、病院の看護師さんはじめ誰かの力を借りないと生活できないような状態も、ある意味、要介護状態の疑似体験とも言えます。

つまり「介護」は、人間誰もが、様々な立場や何らかの形でほぼ必ず関わりを持つ事柄と言えるのです。
人間が生きていく以上、介護を受ける側にもなり、場合によっては介護をする側にもなるのです。

「介護の日」が創設された経緯について

そんな時代背景の中「介護の日」は、平成20年に厚生労働大臣から発表される形で、11月11日を介護の日と定めました。

なぜ11月11日を介護の日と定めたのか、その理由は「いい日、いい日、毎日あったか介護、ありがとう」を念頭に、「いい日、いい日」にかけた親しみやすい語呂合わせとしたからです。

介護の日は、日本における、国民の誰もが立場など関係なく、介護に関心をもってもらおう、介護に対する啓発をしようという目的で設けられた日なのです。

介護の日とは(厚生労働省より)

厚生労働省のホームページから引用すると、介護の日は次のように記載されています。

介護について、理解と知識を深め、介護従事者、介護サービス利用者及び介護家族を支援するとともに、利用者、家族、介護従事者、それらを取り巻く地域社会における支え合いや交流を促進する観点から、高齢者や障害者等に対する介護に関し、国民への啓発を重点的に実施するための日。

つまり、介護士のような介護従事者のためだけでもなく、介護を必要としているご利用者様やそのご家族様のためだけでもない、極端に言えば国民全員が介護に関心を持とうという日と言えます。

介護の日をきっかけとしたイベント

「11月11日は介護の日」と、平成20年に厚生労働大臣が発表されて、今年は9年目をむかえます。
これまでの介護の日において、各地では、福祉関係団体のみならず、企業などでも、介護を啓発するための様々なイベントが企画されています。

例えば、ある地方では地元企業主催で「親子で楽しく学べるバスツアー」という企画で、小学校3~4年生とその親を対象にして、1日かけて地域の福祉施設や介護に関係する場所を訪れるという企画が実施されたことがあります。

また、ある地域の社会福祉協議会などでは、地域のお祭りに合わせて「高齢者疑似体験コーナー」を設けて、身体に重りや見にくくなるサングラスなどをつけて、会場内を歩くことで、高齢者の心身機能を参加者に体験させるということを実施していました。

他にも、特別養護老人ホーム職員とその地域の小学生が協力して、認知症になった場合の劇を披露して、認知症に対する理解を深める取り組みをしたりと、介護の日をきっかけとしたイベントは年々増加し、その内容も趣向を凝らしたものも多く占めるようになりました。

介護を特別視しない、普遍化する目的

上述のように、11月11日の「介護の日」は、これをきっかけとして様々な企画やイベントが各地域で展開されています。
特別なような事のようですが、これは最終的には「介護というものを特別視するのではなく、人間誰もが関わることである」と普遍化することが目的です。

人間として生まれた以上、ほとんどの人は、80歳や90歳ともなれば何らかの介護を受けるでしょうし、その前段階として50歳~70歳くらいまでの間に、実の親や配偶者の親の介護をする側を経験する人も多いと思います。

あらためて記述しますが、介護は特別な事ではなく、人間として生まれた以上、ほとんどの人が介護を受けたり、介護をする側になったりと、普遍的な出来事であるのです。

まとめ

「介護」というものが、人間として誰もが関係することであり、普遍的な事であること、11月11日の「介護の日」にそのような事を考えるきっかけとなれば幸いです。

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