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介護士のお仕事

介護士の労働環境の改善について。労働環境は確実に改善されている。

介護の仕事のイメージには「タイヘン」「きつい」というものがあります。
確かに仕事内容は、決してラクとは言えません。しかし、近年は介護業界全体が、介護士をとりまく労働環境改善のために様々な取り組みをしています。

また、介護業界は常に人材不足であるため、介護士の確保という点で、介護業界すべての企業、法人が、介護士の労働環境改善のために様々な努力をしています。
そのため、考え方によっては他の業界ほど「タイヘンでないかも?」「きつくないかも?」と思える時代になってきたとも言えます。

今回は、介護士の労働環境が改善されている点とそのメリットについて触れてみたいと思います。

残業を極力減らす方向になってきた

40~50年前の介護や福祉の業界で働く人には、ボランティア精神が求められたりする時代でした。
つまり、時間外勤務(残業)や休日出勤も「働く人の善意で」行われており、またそれが良しとされている時代でもありました。

しかし、時代は変わりました。
介護業界に限らず、様々な業種業界で長時間労働の問題がニュースで取り上げられています。

介護業界も全く同じで、40~50年前は美徳とされてきた無償の残業や休日出勤も、近年は良い意味で美徳とされない雰囲気となり、介護業界全体が、定時に帰宅できる仕事の仕組み作りに取り組んでいるとも言えます。

特に入所型施設で働く常勤の介護士は、シフトによる不規則勤務が基本となるため、介護士の心身を守るために、職場として特別な事情がない限りは、定時少し過ぎには帰宅できる労働環境を整えるようになった職場が増えました。

業界全体が働きやすい環境づくりをはかっている

介護士の時間外勤務(残業)を減らすことをはじめ、介護士の離職防止を図り、また介護士として働きたい人を増やす努力を、介護業界全体が取り組んでいる時代となりました。

入所型施設においては、早番、日勤、遅番、夜勤とシフトによる不規則勤務ではありますが、就業時間中にはきちんと休憩時間を確保する(本当はあたり前なのですが)職場も増えました。

職場によっては、休憩時間中は職場に全く拘束されず、職場を離れて用事を済ませてきてもかまわないといった職場も増えてきており、これも介護士の労働環境改善に結びついています。

利用者事故に対する事故防止に効果あり

これだけ介護士の労働環境改善が進んできている最大の理由は、先にも述べた「介護士の離職防止」「介護業界全体として介護士を1人でも多く増やす」という目的があります。

介護業界は慢性的な人手不足ですが、介護需要のピークは2025年以降にやってくると予想されており、まだまだ介護の担い手が必要であり、近い将来やってくる介護需要のピークに業界全体として備えなければいけないという事情があります。

また、介護士の労働環境を改善することは、介護士が就業時間中により仕事に集中でき、ご利用者様への関わり方や介護方法の間違いを防ぐことができます。

例えば就業時間中に適切な休憩時間が取れずに、介護士が就労を続けた場合、気持ちがリフレッシュできていない状態で集中力を欠いた介護によって、ご利用者様のケガや事故が発生するリスクが高まります。

したがって介護士の労働環境を改善することは、介護士が最も大切にすべきご利用者様をケガや事故から守ることにも結びつきます。

過度なストレスと疲弊は虐待を生む

介護士の労働環境を改善することは、ご利用者様の虐待防止に大きな効果があります。

ここ数年、介護に関する残念なニュースも多く目にするようになりました。
記憶に新しいところでは、某有料老人ホームの上層階から、介護士がご利用者様を落とした(故意に転落させた)事件や、障害をもったご利用者様の施設で発生した殺傷事件などがあります。

事件を起こした介護士(または元介護士)に問題があるといえばそれまでなのですが、事件を起こした介護士の供述は、ストレスに関する内容もありました。

介護業界で働くことを目指してきた多くの介護士は、ご利用者様の心身を傷つけるような虐待とは無縁のように感じている方も多いと思います。
しかし、そんな志高くして介護業界に入ってきた介護士も、過度なストレスや疲労から、ご利用者様ときちんと向き合えなくなり、自制心を失って、気がついたら虐待をしていたというケースもあります。

また直接的な虐待ではなくても、介護士はストレスや疲労がたまってくると、ご利用者様に対して「待っていてください」「座っていてください」と、ご利用者様の行動を制御するような言葉かけが増える場合も多々あります(厳密に言えば、これは言葉による拘束として取り扱われます)。

したがって、介護士を過度なストレスや疲労から守ることは、ご利用者様に対する虐待防止、拘束廃止につながり、ご利用者様に対する介護サービスが向上すると言えるのです。

まとめ

いかがでしたか?
「介護士の労働環境改善は業界全体で取り組んでいる」とも言える時代となりました。

今回の記事を読まれた方が「介護士の労働環境は大幅に改善されてきている」と感じていただき、介護士として働いてみたい、介護士として可能な限り働き続けたいと思っていただければ幸いです。

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