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介護士のお仕事

介護士としてレベルアップ!「初めての介護は特養か療養型病院を選べ」

介護士の仕事は決してラクではありませんが、介護や福祉の分野に興味・関心がある方すべての方にチャンスがある仕事とも言えます。
実務経験を重ねるのと同時に必要な研修を受講して、筆記試験に合格すれば国家資格である介護福祉士を取得することも可能です。

今回の記事は、介護の仕事を長期間続けたいと考えている方向けに、
高い介護スキル習得のために「初めての介護現場は特養か療養型病院を選べ」という内容に触れてみたいと思います。

初心者によくある落とし穴

介護士として初めて働くその前に、今はほとんどの方が「初任者研修」(以前のヘルパー2級相当)程度の内容を修了してから働き始めるのではないでしょうか?

介護士としての初めての就職面接において、よく「資格を取得したばかりで初心者なので、まずはご利用者様の介護度が軽いデイサービスから介護士の仕事を始めたい」という希望を申される方がいますが、私の経験上は反対します(介護士としての実体験上も反対ですし、採用担当側になった経験者としても反対です)。

私が介護士としての経験上、お伝えできることは「資格を取得したばかりだからこそ、知識や技術を学んで熱いうちにモノにした方が良い」ということと「だからこそ、介護度が高く、介護量も多い就労場所を選んだ方が良い」ということです。

特養や療養型病院でグングン身につく介護の力

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私は採用担当者として、資格取得したばかりの介護未経験者の面接会や学生が多く集まる面接会にも参加したことがあります。
そのときに「最初は介護度の軽い方から関わるような施設で介護士として慣らした方がよいでしょうか?」と質問されたら、「個人的な価値観ではあるけれど」と前置きをしたうえで、ほとんど次のように返答してきました。

「資格を取得したばかりだからこそ、介護度の重たい方を介護して、習ってきたことを忘れないうちに介護知識や介護技術を自分のモノにした方がよい」
「重たい方から、軽い方へ切り替えることは簡単だけど、軽い方から重たい方へ切り替えるのは介護士として身体的にも精神的にもタイヘンだと思う」
「だから、あえて特別養護老人ホーム(文中ではこれ以外は特養と記載します)や療養型病院で、介護度の重い方を積極的に介護した方がよいと思う」と返答してきました。

施設系でも、介護の力が一段と付く特養と療養型病院

介護の力をつける施設として、前述までに、特養と療養型病院の2つしか出してきませんでしたが、実はこれには理由があります。

介護保険法上の施設サービスとしては、特養と療養型病院の他、介護老人保健施設(老健と呼ばれている施設です)もあります。

また介護保険法上では施設サービスに位置付けられていないものの、よく施設サービスと勘違い(というか、勉強していないとわからない内容にはなってしまうと思いますが)されるのが、介護付き有料老人ホームであったり、認知症高齢者グループホームになります。
(法律上の位置付けは施設サービスではありませんが、実質上ご利用者様が居住し24時間型の介護サービスであることにはかわりありません。)

法律上の位置付けはともかく、さまざまな入所型のサービス形態がある中でも、
介護の力をグンとアップさせるためには、特養や療養型病院のように「ほとんどのご利用者様(病院では患者様)が重度である」「療養型病院においては医療依存度が高く、介護士として医療の知識を肌で学ぶことができる」環境がとてもおススメです。

例えば入浴介助であっても、排泄介助であっても、ご利用者様(患者様)の生活を支えるうえではとても大切な介助(介護)でありますが、重度のご利用者様ほどやるべき手順が決まっていたりもします。

ヘンな言い方ですが軽度のご利用者様だと、場合によっては例えば「今日はこっちから支えてもらえますか?」とか「身体のこっちの方を強く洗ってほしい」等、ご利用者様のご要望によっていつもと介護手順が違う場面が発生することもあり、経験の浅い介護士ほど「結局、基本の手順はどっちだっけ?」と混乱のモトにもなる場合があります。

その点、重度のご利用者様の方が、介護手順が毎回良い意味で同じ(基本どおり)な方が多く、介護士としてはこなす回数も多くなるので、必然的に介護士としての力がついていくのです。

介護士としてのレベルアップはある意味「場数」とも言えます。
場数を踏むうえでも、特養や療養型病院で重度のご利用者様を数多く介護する事が、ご自身の介護士としての将来(リーダーや主任クラスを目指す方は必ずといっていいほど、その経験値が)を左右するといっても過言ではないのです。

また国家資格である介護福祉士の筆記試験に出題される問題も、特養や療養型病院で仕事として身に付いた知識を活かすことができる問題が多いので、
介護福祉士合格に向けた筆記試験にとっても有効な就労場所とも言えます。

まとめ

いかがでしたか?
資格を取りたて、学んで熱いうちに重度のご利用者様と関わることで、介護の知識や技術は大きく伸びていき、それは介護士の経験値としてご自身の財産にもなります。お金では買えない価値のある経験になります。

今回の記事が、未経験や経験が浅くて重度のご利用者様の介護をためらっている方や、心配になっている方にとってのプラス思考のきっかけとなり、1人でも多くの方が積極的に介護の仕事をして、介護のスキルアップに結びつけば、業界としても大歓迎、とても幸いに思います。

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