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介護士のお仕事

対人援助のポイント、バイスティックの7原則とは?

介護士が利用者と関わる中で、対人援助のポイントがあります。
利用者に対して、常に誠実に関わるだけではなく、きちんとした原則の元関わっていくことが、介護の現場では求められていることになります。
対人援助の倫理であるバイスティックの7原則を理解し、介護を行っていくことが、対人援助のポイントとなります。

ここでは、対人援助のポイント・バイスティックの7原則についてご紹介いたします。

バイスティックの7原則は基本的なこと

バイスティックの7原則と聞くと、とても難しいことと思いがちですが、実は日常的に介護の現場で行っていることになります。
基本的なことができていれば、バイスティックの7原則はクリアできているということになります。

バイスティックの7原則とは、個別化・意図的な感情表出・統制された情緒関与・非審判的態度・自己決定・秘密保持・専門的援助の関係の事です。
言葉だけを並べると、わかりづらいことありますが、対人援助を行う上では本当に基本的なものばかりなのです。

利用者に寄り添う姿勢で関わる

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バイスティックの7原則の中の、個別化、自己決定は、利用者の立場に寄り添い、対人援助を行うことになります。
人と人とがコミュニケーションをとっていく中で、介護者は相手に寄り添い、共感・受容を行い、相手が信頼できる関係性を築き上げていくことになります。

特に、介護者側の対応として、意図的な感情表出いわゆる、相手の状況や表情等に合わせて、介護者の表情や仕草などで態度を示していくことは、信頼関係を築く手段の一つとなります。

介護者が切羽詰まった表情では、利用者は何も発することができず、相談することもできません。
そのため、介護者は自分の中で起こっている感情を表出するのではなく、相手の気持ちに寄り添った対応をしていくことが原則となります。

どの現場でも守秘義務は必須

医療職・介護職に限らず、どのような職種においても、守秘義務は必須となります。
特に、介護の現場などにおいては、利用者の個人情報保護等に対しては、守っていかなければなりません。

どこまでが個人情報なのか、どうすることが個人情報漏洩に当たるのか、わからないこともあります。
また、守秘義務だからといって、何も他人に伝達しないということは、利用者の命を危険にさらしてしまうこともあります。

例えば、利用者の命に関わらない事であり、特定の介護士だからこそ言えたことなどに対しては、守秘義務として守ることもあります。

しかし、その中でも命に関わることや、他人が関わっている事、さらには高齢者自体が悩んでおり、他者との共有が必要なことなどに対しては、個人情報であったとしても上司等と相談していくことは決して守秘義務を守っていないということにはならないのです。

介護者として情報を得た場合には、一人で抱え込まず、同僚や上司と相談を行い、どうしていくことが解決の糸口なのか考えていくことも良いでしょう。

介護者の意見を押し付けた介護はしない

高齢でさらに認知症が進行すると、頑固となり介護者の言うことを聞かないこともあります。
しかし、利用者は介護者の言うことを聞かないのではなく、利用者なりの言いたいことや思いがあります。
そこで、利用者がなぜ今それをしたくないのか、どうしてそう思うのかということを確認していくことになります。

このような、受容・共感・傾聴の行動を怠り、介護者の意見を押し通そうとすることは、非審判的態度の原則に反することになります。
非審判的態度の原則とは、利用者に介護者の意見や価値観を押し付けるのではなく、利用者の考えに介護者が寄り添うことが原則となります。

利用者は友達関係ではない

利用者と介護者という関係の中で、特定の介護士に対して何でも話すことができ、どこかに出かけたときなどにお土産などを買ってきてくれる利用者もいます。
しかし、利用者と介護者は友達関係ではなく、あくまでも援助者であることを忘れてはなりません。

これは、専門的援助の関係の原則であり、一線を越えた関わりをしないということになります。
特に、専門的な援助の関係性が崩れてしまった場合には、他の利用者との差別化が表出してしまい、その施設において利用者も介護者自体も居づらい状況となります。
そのため、専門的援助の関係を崩さないよう、誰に対しても同じ対応を行い、差別をしないことが原則となります。

まとめ

対人援助のポイント、バイスティックの7原則とは、基本的な人と人とのコミュニケーションを行うことができれば問題はありません。
難しく考えるのではなく、対人援助をしていく中で何が大切なのか、どのようにしていくことが良いのか、基本的なことを考え実践していくことがポイントとなります。

特に、介護者の価値観を押し付けるのではなく、利用者に受容・共感・傾聴的な態度で関わり、個人情報の保護を行うことで、バイスティックの7原則をクリアすることができるのです。

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