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介護士コラム~体験談~

認知症の行方不明体験談。発見時の特徴は写真とは異なっていた!

認知症のご利用者様がいる入所型施設や通所型の事業所(デイサービスなど)において、心配事の1つが「認知症ご利用者様が、万が一、施設(事業所)の外に出てしまったらどうしよう」「行方不明(介護業界では離設という言葉を使用する場合もあります)になってしまったらどうしよう」というものです。

認知症のご利用者様の行動制限にならない範囲で、行方不明未然防止対策を講じていたり、もしも行方不明になったときの対応マニュアルを作成している施設は多いですが、それでも実際に行方不明になってしまい、発見が遅れるということもあります。

今回ご紹介する内容は、認知症のご利用者様が実際に行方不明になってしまった(約3時間後に無事発見することはできましたが)ケースと、発見時のご利用者様の容姿などを、実体験としてご紹介します。

自動ドアは内側から開かないはずだったが、行方不明になってしまった

認知症ご利用者様の行方不明防止対策として、多くの施設で行っていることの1つが「玄関出入口の自動ドアを、内側から開かないように設定する」という対策です。

もちろん行動制限(拘束)にならないように、扉内側に押しボタンを設置したり、開閉は事務所で行うようにしていたりします。
ご利用者様が屋外へ出たい様子があるときは、職員付き添いのもと、散歩など屋外へ出て、行動制限(拘束)しない環境を作っている施設も多いです。私が勤めていた施設でも、実際にそのようにしていました。

また、私が勤めていた施設では職員の通用口がなかったため、出入口はご利用者様やご家族様などと共用の1か所しかありませんでした。
職員の通用口がなかったため、私が勤めていた施設での行方不明防止対策には、上記のような内容に加えて「職員が出入口から外に出ていくときは、必ず後ろ(出入口)を確認して、ご利用者様が外に出てこないか確認する」という対策マニュアルを講じていました。

そこまでしていても、認知症ご利用者様の行方不明は発生してしまったのです(なぜ、行方不明になってしまったかは不明であり、自動ドアから出ていったかも不明です)。

昼食までの空白の30分

私が勤めていた施設では、ご利用者様の所在確認を毎日決まった時間に行っていました。今回、実際に行方不明に気がついたときは、昼食開始の時間でした。

普段であれば、そのご利用者様は、認知症がありながらも食事時間には席の近くを歩かれていることが多いので、職員の声かけにより昼食を食べていただくというのが、毎日の習慣でした。

ところがその日は、昼食時間になっても姿が見えません。
職員が居室を確認しましたが、姿はなく、トイレ、浴室、階段付近等、そのご利用者様が普段よく行く施設内の各場所を探しましたが、やはり姿はありません。

そこで、職員たちは「ひょっとして屋外に出てしまったかも」「行方不明になったかも」と気がついたのです。

直近の所在としては、昼食開始の30分前に職員がトイレ誘導をしていました。その時点では所在は確認できていたということです。
行方不明に気がつくまで30分、そのご利用者様の脚力を考えると、そんなに遠くまでは歩いていないであろうと職員間で推測をしました。

顔と全身写真を、警察に情報提供したけど、意味無し、その理由は?

「行方不明になったかも」という状況となり、職員間には緊張感が走りました。「一刻もはやく発見したい」そう願うばかりでした。
ご家族様に連絡し、ご家族様の許可を得たうえで警察や市役所(広報無線放送を使用させてもらうため)等、関係機関に連絡しました。

このときに活用したのが、そのご利用者様の顔写真と全身写真でした(しかし、今回の行方不明においては結果的に役に立ちませんでした)。
私が勤めていた施設では、ご利用者様の入所時には必ず顔写真と全身写真を写真撮影することになっていたため、これもご家族様の了解を得たうえで、写真を関係機関の情報提供させていただきました。

(発見までの、数時間の職員の動きや焦りは、省略させていただきます。)

行方不明と判断してから、約3時間後に、そのご利用者様は無事に発見することができました。
施設から、わずか200メートル程度の距離にある畑の中に座っていました。

ところが、発見時の容姿の特徴が、そのご利用者様の写真と全く違っていたのです。
施設から、関係機関に情報提供した写真と、伝えてあった当日の服装の特徴がどのように違っていたかご説明します。

まずメガネですが、施設から情報提供した顔写真はメガネをかけた状態(もちろん、普段の生活においてメガネをかけている方だったので、メガネはかけているものだとばかり思っていました。)。
ところが、発見時のご利用者様はメガネはかけていませんでした。

そして当日の服装について、施設から関係機関には「上下黒のシャツとズボン」「茶色の靴」と伝えてあったのですが、発見時のご利用者様の見た目は「深緑色のジャンバー、深緑色の帽子着用、靴は長靴」という、普段のご利用者様の特徴とは全く違っていたのです。

ご利用者様が認知症であるので、なぜそのような格好になってしまったか真実はわかりませんが、職員間では「畑の物置小屋で身につけてしまったのでは」と推測しました。

無事に発見できたことは良かったのですが、ご利用者様の見た目の特徴が写真と異なり、普段の服装とも異なっていたため、近場にいながらも結果的にはすぐに発見できなかったという結果となったのです。

まとめ

認知症のご利用者様の行方不明対策として、行方不明になってしまった場合は「顔写真や全身写真を関係機関に情報提供するという」方法は、介護施設や介護事業所として取る方法の1つです。

しかし、今回の場合は「発見場所は施設から近かった」が「姿は、写真と全く異なっており別人のようだった」ため「発見が遅れた」ということが考えられます。

今回ご紹介した体験談が、認知症のご利用者様の行方不明対応策の参考となれば幸いです。

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