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介護士コラム~体験談~

対人援助コミュニケーションで使われる技術について

高齢者に限らず、介護者として人と関わる中で、対人援助コミュニケーションが大切です。そのためには、対人援助コミュニケーションを理解し、どのように援助していくことが有効なのかということを身に着けていかなければなりません。

また、対人援助込ニケーションを円滑に行うことができることにより、利用者との関わりだけではなく、家族や同僚との関わりもより一層良いものとなることがあります。
ここでは、対人援助コミュニケーションで使われる技術について、ご紹介いたします。

初めは傾聴法から学ぶ

対人援助コミュニケーションで、まず初めに行うことは、傾聴法となります。傾聴法とは、相手の話をとにかく聴くということになり、相手が話していることに口を挟まないことになります。例え相手が言っていることが間違っていることや、理にかなっていない内容だとしても、「~さんはそう思っているんですね」などと、とにかく相手の話を聴くことになります。

そのため、普段の会話とは全く違う対応を行わなければならないこともあり、介護者として苦しくなることもあります。また自身の心が動かされ、口をはさみたくなることもあります。しかし、そこは我慢し、とにかく相手の話を聴く、傾聴トレーニングを行うことが、対人援助コミュニケーションにおいて使われる技術となります。

共感・受容で相手の心を開く

高齢者の話を傾聴することができるようになった後は、相手の話を共感・受容していくことになります。共感・受容とは、「~さんはそう思っているんですね。それはとても辛かったですね」などと、相手の心情を察知する言葉をかけることになります。

また「~さんがそう思っていることに対して、私もこのような思いを抱きます」などと、相手の心情を考えながら、自身も同じように辛い気持ちを抱いたり、考えたりしたことを、相手の気持ちに寄り添う応答を行っていくことになります。

それは、自身が本当に思っていないことかもしれませんが、相手の気持ちに寄り添い、相手の立場に立つことにより、心を開きやすい環境を提供することができます。対人援助コミュニケーションでは、相手に安心感を与えることが大切であり、安心感を与えることにより、より一層深い話をしてくれ信頼性もアップしていくことができます。

否定的態度はNG

高齢者が発することの中には、間違っていることもあります。そのため、「それは違うよ」ということを、介護者は言いたくなることもあります。しかし、高齢者にとっては間違っていることではなく、むしろそのことが辛く悲しい出来事のこともありあます。そのため、対人援助コミュニケーションでは、決して相手の言っていることに対し否定的な態度はとらないことが鉄則となります。

中でも、「いやそれは違う。本当はこうだよ」などと、高齢者が思っていることと全く違うことをアドバイスしてしまうと、高齢者との信頼関係を結ぶこと自体もできなくなることもあります。そのため、介護者にとって間違っていると思うことであっても、決して高齢者を否定しない態度をとることが、対人援助コミュニケーションの技法の一つとなります。

何事も、プラス思考で相手の考えを確認

高齢者の中には、マイナス思考となりすべてを否定的にとらえてしまっている方もいます。そのため、「家族に捨てられたからここにいる」「みんな私のことが嫌い」などと言っている場合などには、「~さんは家族に捨てられたからここにいると思っているのですね。でも、私たちは~さんのことが好きで、一緒にいたいと思っていますよ」などと、否定的な言葉から肯定的な言葉への返還を行う技術があります。
マイナス思考に対し、マイナス思考のみで返してしまうことで、より一層マイナス思考を助長させてしまうことがあります。そのため、マイナス思考に対して、プラス思考で返し相手の考えをプラスに傾けていくことも、対人援助コミュニケーションの技法の一つとなります。

まとめ

対人援助コミュニケーションとは、傾聴・受容・共感の技術を習得し、相手の心を開かせることがまず第一歩となります。介護者として、間違っていることは修正していきたいと考えてしまうこともありますが、高齢者が実際に思っていることをまずは介護者が受け止め、高齢者との信頼関係を得ることから、対人援助コミュニケーションは始まります。

互いの信頼関係を得ることができ、高齢者が介護者にとって安心してこの人なら話すことができるという認識を得たのち、徐々に高齢者にとってどうしていくことが良いのかというアドバイスを行っていくことになります。そのため、まずは対人援助コミュニケーションとして、傾聴・受容・共感を行い、高齢者にとって安心で安全な場を提供することが、技法となり介護者が習得する儀重となります。

また、高齢者にとって安心な場を提供するためには、高齢者の思いや考えなどに対し、決して否定的態度を取らないことも、対人援助コミュニケーションにおいて、大切な技術となります。

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