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介護士コラム~体験談~

女性は男性利用者からセクハラを受けるのか、対策方法もご紹介

介護職の経験のない人には、意外かもしれませんが、男性利用者からセクハラを受けたことがあるという女性介護職はかなりいます。
施設(通所施設を含む)でのセクハラだけでなく、訪問介護で自宅を訪問したときに密室でセクハラを受ける場合もあります。

訪問サービスでは、利用者や利用者の家族にとっては自分のフィールドで気持ちが楽になること、個別対応で他者の目がないので素が出やすくなるという特徴があります。
セクハラを受けたほうは、一人で助けてくれる人がおらず、逃げ場がなく、非常に怖い思いをします。

セクハラをするのは男性というイメージの方もいると思いますが、女性利用者がセクハラをすることもあります。
セクハラは女性職員がされるものと思いがちですが、男性職員がされる場合もあります。

平成28年度介護労働者実態調査によると、過去1年間に、仕事中に利用者やその家族からセクハラを受けた経験の人は9.0%います。(男女比等の調査なし)

セクハラは許されません

利用者の方の中には、認知症など脳の機能障害による理性の欠如によりセクハラ行為をする人もいます。
しかし、「病気だからセクハラをしてもいい」「病気だから、介護職はセクハラをされても我慢しなければならない」と言うことはありません。
介護の現場だからといって、セクハラは許されることではないのです。

「セクハラをされるのは、自分の対応が悪かったから」「これくらいのことが嫌な自分はダメだ」などと自分を責める必要もありません。
職場によっては、上司から「セクハラをされたのは、あなたにも隙があったのではないか?」「あなたの思い違いでないか」などと言われることもあるそうです。
まさに、「女性の敵は女性」のパターンです。

介護の世界では「受容」という言葉がよく使われますが、言動を受容するということではありません。気持ち、心情を受容するということです。

例えば、「死にたい」という方に対しての受容とは、どういうことでしょうか。決して自殺することを、容認する、受容するということではありませんね。
死にたいという気持ちを受容する、死にたいほど辛い気持ちを受容するということです。

セクハラでもセクハラという行為は受容しない、受容するのは、「寂しい」「構ってほしい」「その場を和やかにしたい」という気持ちだけです。

セクハラの対処方法

まずは、「されて嫌だ」「言われて嫌だ」ということを、毅然とした態度と言葉で示すことです。
相手とのコミュニケーションだと思って、悪意なくセクハラをしていても、された当人は嫌なことです。その人と接することが苦痛になることもあります。

また、悪意なくセクハラをしている場合、当人には悪いという自覚がないのですから、そのままにしておけば改善されることがありません。
笑顔で「やめてください」と言っても、相手には禁止ではなく、会話のキャッチボールとして流されてしまい、繰り返されてしまうことがあります。

「少しぐらいは我慢しなければ」という思いは、本人にとっては許されている、悪いことではないという認識につながり、セクハラをエスカレートさせる可能性があります。

セクハラを受けた場合、自分だけで解決しようとせず、職場で伝えることが大切です。
そして、同僚とチームとしてどう関わるのか、どう対処するのか検討していく必要があります。

介護という職業特性上、身体的接触が多いこと、介護するうえで利用者の方が体を見る場面もあることから、他の職種よりもセクハラが起こる可能性が高いと言われています。

異性の職員の対応でセクハラ行為が出ることが多いので、同性介助にする、若い職員がセクハラをされていた場合、ベテランの職員が対応するなど、介助する職員を変えることで、解決できる場合もあります。

セクハラの精神的なショックからうつ病を発症したり、仕事を辞める人も多くいます。
セクハラをされた話をすることが辛いこともあると思いますが、話をすることで楽になる、辛い気持ちを同僚にわかってもらえる場合が多いと思います。

また、介護職というプロとしてその人の問題行動を同僚と共有する、記録に残すという意識も必要です。
上司などと相談したうえで、家族にご連絡をする場合もあります。家族にとってもセクハラ行為は信じがたいことですが、今後のサービスの利用にかかる重要なことです。

まとめ

セクハラには言葉によるものと、身体的ものがあります。されて嫌なことは人によって違います。
セクハラも、ある人にとっては笑って流せることでも、別の人にとっては嫌な辛いことということがあります。

「セクハラをされて嫌だった」という思いを理解してもらえない職場は、セクハラを受けた職員にとっては二重の苦しみになってしまいます。

なぜセクハラが起きているのか、どう対処するかということは、セクハラを受けた人が個人で考えるのではなく、チームで考え取り組むことが勤めやすい職場にもつながると思います。

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