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看取り介護、実は低リスク!ご利用者様と介護士双方のメリットとは

看取り介護の経験が無い、または看取り介護の経験が浅い介護士にとって、看取り介護は不安が先行しがちです。
しかし、看取り介護の経験数(場数)を踏んでいくと「看取り介護は、実は様々な面で低リスクでメリットがある」ことが見えてきます。そのメリットはご利用者様だけでなく、介護士にとってのメリットでもあります。

では、どのような点が看取り介護のメリットなのでしょうか?今回は、看取り介護が実は低リスクで、ご利用者様と介護士双方にとってメリットがある点についてご紹介します。

「加療しても病状が改善しない」と医師が判断したとき

看取り介護が低リスクでメリットがある点をご紹介する前に、看取り介護の定義を簡単にご説明します。

上記、小見出しのとおり、そのご利用者様に対して「これ以上、加療を加えても病状が改善しない」と医師が判断したときが看取り介護の開始条件の1つです(この他、こまかな事項もありますが、ここでの解説は省略します)。

人間誰もが高齢化すれば、病気の1つや2つ、何らかの病名がつく方がほとんどです。また明確な病気にならなくても、自然な老衰によって最後は何らかしらの臓器が不全状態で最期をむかえる方が多いとも言えます。

高齢者施設におけるご利用者様は、何らかの病名がついた状態で要介護認定を受け、施設利用している方がほとんどです。この状態で歳を重ね、やがて医師が年齢や病状など総合的に判断し「加療しても病状改善の見込み無し」という判断をするのです。そして看取り期へと入っていくのが一般的な看取り介護の開始です(ご利用者様の状態が著しく改善すれば、看取り介護を解除するという例外もありますので、あくまでも一般的な看取り介護の開始としてご理解ください)。

ご利用者様の環境が大きく変わらないメリット

ご利用者様やご家族様側からの看取り介護のメリットとしては、生活環境が大きく変わらないという点になります。

施設によっては看取り介護にまだ対応できていなく、看取り期に入りそうなご利用者様(そのご家族様)に療養型病院への入院を勧める場合があります。その施設のご利用開始時に看取り期の対応について、利用開始前に施設側の説明を聞いていたご利用者様(ご家族様)の場合「施設退所で療養型病院への入所はしかたがない」と理解していただけるかと思います。

しかし、療養型病院への入院等、看取り介護に対応できない施設から、看取り対応できる場所への移動は、ご利用者様にとっては環境変化をともなうことになります。特に環境変化に弱いと言われている認知症ご利用者様にとってはつらい結果になる場合もあります。

その点、施設で看取り介護に対応できると、ご利用者様の住環境を大きく変えることがない分、ご利用者様(ご家族様)にとって安心して余生を送っていただけると言えます。

病院を探さなくて良いメリット

看取り介護に対応できなく、入院できる療養型病院を探す場合には困難をともなう場合があります。病院探しは主だって、生活相談員やケアマネ―ジャー、もしくはご家族様に探していただくことになります。

入院できる病院が早く決まって、退所日及び病院への入院日が早く決まればまだ良いのですが、看取り期は先にも述べましたが、医師が「加療しても改善しない」と判断している状態です。

療養型病院とは言っても病院であることには変わりはないので、基本スタンスとして「そのご利用者様(病院側から見たら患者様)の病気に対して何らかの対応をする」ということになると、「加療しても改善の見込みがないご利用者様(患者様)は受け入れることができない」という療養型病院も存在します。

そうなると受け入れ病院探しに苦労したり、いざ受け入れ病院が決まったとしても、今までの施設とは住所地が極端に離れていたりして、ご家族様も面会手順を1から覚えなければいけなかったりと、ご家族様の負担も増える結果になりかねません。

看取り介護は恐れることはない

看取り介護は、ご利用者様の生活環境を大きく変化させる必要がありません。一般的には食事摂取や水分摂取が厳しくなってきて、最期にむかっていくという方が多いのですが、多くの場合は急変ではなく徐々に状態が落ちていき、最期にむかっていく過程で血圧、脈、体温、呼吸など(いわゆるバイタルサイン)に兆項が見えてきます。

兆項が見えてきたら、介護士はあわてることなく、呼吸停止に備えて、その時の連絡体制を確認しておき、あとは見守りを強化して対応すればよいのです。

看取り介護は、こまめな見守りや状態確認の回数と記録は必要になってきますが、介助量そのものは減ってくると言えます。ご利用者様が生活環境を大きく変化させることなく、介護士は直接介助の負担は少なく、声かけ、状態確認中心に、記録をこまかく書くことで、大きな心配をすることなく、対応には不備なく介護士としても、そのご利用者様の最期に備えることができると言えます。

まとめ

看取り介護は経験の無い、または経験の浅い介護士にとって不安が先行する場面ではあります。しかし、ご利用者様(ご家族様)にとっても、結果的には介護士にとってもメリットのある介護場面です。

今回ご紹介した内容が、看取り介護に不安をもつ介護士方の不安解消に少しでもお役に立てば幸いです。

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