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介護士のお仕事

集団に対してのレクリエーションを成功させるためのポイント

介護現場では、利用者さんが介護の必要度の高い低いに関わらず『生きる喜びと楽しみ』を目的とするレクリエーションがたくさん展開されています。

介護施設で行われるレクリエーションは単なる余暇ではなく、生きていく上での元気、やる気などを作り出すものであり、日常生活動作(ADL)の向上を目的としたものが必要になります。

レクリエーションには習字・絵画・囲碁・将棋などのように個人で行う[個人レクリエーション]と、集団で歌を歌って当時の思い出を話したり、簡単な楽器の演奏・歌に合わせての体操・園芸など集団で行う[集団レクリエーション]があります。

今回は集団で行うレクリエーションについて、どのような用意が必要となるのか、またどのような注意が必要であるのか、集団レクリエーションを成功させるためには何が必要となるのかを紹介します。

レクリエーション介護士とは?

これまでは介護福祉士などの介護職員が順番にレクリエーション担当となり、レクリエーションの内容を考え実践するのが主でした。

そのため、レクリエーションが得意でない介護士は頭をひねって当番の日のレクリエーション内容を考えていました。
中にはレクリエーションの担当になることが耐えられずに介護職を辞めてしまう人もいるといいます。

レクリエーションが大変だという声が少なからずあがったこともあり、最近ではレクリエーションを専門に企画して実践する[レクリエーション介護士]という認定資格が誕生したほどです。
まだ新しい資格で認知度は高くありませんが、介護士に認定取得を求めている施設もあるほどなので、将来は期待できる職業になることに間違いありません。

集団レクリエーションに必要な知識とは?

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利用者さんが高齢者の場合で、集団レクリエーションを成功させるためには以下に挙げる2つのポイントがあります。

1.利用者さんの心と身体の変化を知っておくこと

年齢を重ねることで高齢者には様々な心と身体の変化が現れてきます。
これまで何の心配もなく動いていた手足が加齢と共に動きにくくなることが考えられます。

精神面においても持って生まれた性格だけでなく、身体機能の衰えから生じる喪失感や記憶力の低下に対する不安・死への恐怖などが強まることもあります。
その結果、自己中心的になったり頑固になったりする人も少なくありません。

集団のレクリエーションにはそのような人達が複数で参加されることもあるので、高齢になると起こりうる心身の変化を知っておく必要があります。

2.参加者とのコミュニケーションを意識すること

高齢者の介護施設ではコミュニケーションを言葉としてしっかりと会話できる人はたくさんいます。
しかし、コミュニケーションとは言葉を声にすることだけではありません。
脳卒中などの病気が原因で会話としてのコミュニケーションはできなくても、その日の表情の変化、あるいはしぐさやアイコンタクトなどでコミュニケーションをする人もおられます。

集団レクリエーションでのコミュニケーションには様々な種類があり、レクリエーションを行っているなかでその変化についても知っておくことが次回のレクリエーションに役立ちます。

集団レクリエーションを行う前にしておくこと

集団レクリエーションが単なる余暇とならないためにもレクリエーションを始める前に担当する介護士はやっておかなければならないことがあります。
下記がレクリエーションの前に確認するべきポイントです。

・参加者の人数と男女比(集団レクリエーションの場合は相性が合う方と合わない方がいるため、席などにも考慮が必要です)
・参加者の年齢
・使用する場所の広さや明るさ
・マイクや音楽を使用する場合は音響
・材料や楽器などの道具の数を確認

これらを確認した上で、さらに集団レクリエーションの目標を設定し、企画書を作成します。
また、補助が必要な場合は事前の打ち合わせが必要になります。

集団レクリエーションが終った後にする

無事にレクリエーションの時間を過ごすことができたからといって、レクリエーションはそれで終わりではありません。
以下の確認が必要になります。

・今回のレクリエーションで設定した目標をこなすことができたかどうか
・参加者の表情や反応はどうであったか
・照明や音響に問題はなかったか
・職員の対応は良かったか
・自己の反省点

これらを記録する評価表を作成しておいて見直しをすることで、集団レクリエーションはさらに進化していきます。
喜ばれるレクリエーションを続けていくためにはレクリエーションを進化させることが重要です。

まとめ

集団レクリエーションのポイントは『参加者にどれだけ楽しんでもらえるか』が重要になりますが、ただ楽しいだけでは利用者さんに喜んでもらえるレクリエーションを長く続けることはできません。

いかにしてレクリエーションを進化させるかは[事前の計画・準備・確認]と[終了後のレクリエーションの見直し]が非常に重要になってきます。

企画書に書かれた内容が上手くこなせていのるかどうかでレクリエーションの成果はほとんど決まってきます。
しっかりと目標を持って計画されたレクリエーションが集団レクリエーションを成功させる真のポイントであるといえます。

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