高級有料老人ホームは職員の給料も高いのか

高級有料老人ホームといっても、入居金が500万の高級有料老人ホームも、入居金が3億円を超える超高級有料老人ホームもあります。
金額が大きすぎてピンとこない数字ですが、その差は60倍。

「2015年 上場企業 業種別生涯年収ランキング」で、一部上場企業の1位の海運業で、3億351万7740円であることを考えると、この3億という金額は本当にとんでもない金額で、どんな生活をしていた人が入居されるのだろうと想像もつきません。

一方、500万の入居金を作ることは容易ではありませんが、考えられない金額というほどではなく、普通よりもいい暮らしをしていた人が入れそうな施設、ある程度収入のある中で節約し、つつましやかに生活し、地道にお金を貯めてきた人が入れそうな金額と言えます。

有料老人ホームの種類

有料老人ホームには「介護付有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」と３つの種類があります。

「介護付有料老人ホーム」は、介護保険制度での「特定施設入居者生活介護」の指定を受けている老人ホームです。
施設内の職員により、排泄や着替え、入浴、食事摂取などの身体介護と、掃除や洗濯などの生活支援、機能訓練やレクリエーションなどの介護サービスが受けられます。

「住宅型有料老人ホーム」は、生活支援のサポートがついた老人ホームです。
介護保険のサービスは、施設外あるいは、併設された事業所のサービスを利用します。

老人ホームからデイに通所したり、福祉用具のレンタルしたりすることができ、本人の希望を元に、ケアマネジャーと一緒にサービスを組み立てます。
介護にかかる費用は「住宅型有料老人ホーム」の費用とは別にかかります。

「健康型有料老人ホーム」は、比較的お元気な方が入っていらっしゃる施設です。
掃除や洗濯などは施設職員に依頼できます。図書室やジムなどの設備や、レクリエーションやイベントが多くあるのが特徴です。

有料老人ホームや介護施設はどのように収益をあげているか

有料老人ホームと他の介護施設との大きな違いは「収入源」です。

介護付有料老人ホームでは介護保険からの収入のある部分もありますが、基本は家賃や入居費などが収入源で、多少の制約はありますが、施設が自由に金額を決定し、そこで暮らす人が費用負担します。

一方、特養や老健などの介護保険での施設は、保険者である市町村からの介護給付費（原則として介護報酬の9割分）と利用者負担（原則として介護報酬の1割分）によってまかなわれます。
介護報酬は各サービスごとに設定されているものです。

各サービスの基本的なサービスに加えて、各事業所のサービス提供体制や利用者の状況等（要介護度によって単価に違いがあります）に応じて加算・減算されるもので、単価は各事業所が自由に決められるものではありません。
どちらにも共通しているところは、入所者の人数が増えると収益が増えるということです。

高級有料老人ホームの職員の給料は高いのか

高級有料老人ホームの場合、施設が豪華な場合が多く、建設費や維持管理費が多くなります。
そのため、たとえ入居費が他の施設の数十倍でも、介護職員をはじめ、職員の給料が他の施設の何倍にもなることはありません。

しかし、自由に入居費や月々の利用金額を設定できるため、多くの収入があること、母体となっている企業の中には一部上場しているところもあり、経営状態が安定していることから、高級有料老人ホームの職員の人件費は、他の介護保険の施設より比較的高いところが多いようです。

しかし施設の規模や経営主体や経営状態、地域性などによって給料の額に差はあります。

高級有料老人ホームは、施設にもよりますが、おもてなしの気持ちや施設に見合う品格のある身だしなみ、立ち居振る舞い、マナーなどが経営者からも入居者からも求められます。
そのために洋服など、身に着けるものにお金がかかるようになる場合もあります。

ホテルのようにチップを渡してくださる入居者がいらっしゃる施設もあり、それは給料以外の臨時収入になります。

まとめ

高級有料老人ホームへの転職を考える場合、収入が高くなるというのは大きな魅力です。
しかし、自分はその高級な場所が身の丈に合っているのか、居心地がいいのか、今まで裕福な暮らしをしてきた方の生活を支えると考えたとき、コミュニケーションの仕方や価値観の違いにどれだけ対応できるかも考えていかなければなりません。

また、高級有料老人ホームの３つの種類をご紹介しましたが、施設の種類によっては、今まで行ってきた介護のイメージと全く違ったり、求められるものが違います。
自分がやりたい介護と施設の理念が合うのか、ということも考えて転職することが必要です。

高級有料老人ホームの給料が高い傾向にあるとはいえ、地域性や施設の種類や理念によって差はあります。
自分がやりたいことと給料とを照らし合わせて、就職先を決めることが必要になってくると思います。