相談員のやりがいと苦悩

どんな仕事にも大変な事はありますし、一方でやりがいを感じて頑張ろうと思う事もありますよね。人との関わりが密接になる相談員の仕事には、他の仕事にはない悩みや苦悩が、あるかもしれません。

具体的にはどんな事があるのでしょうか？そして相談員の仕事をしていてよかったと思う時はどんな時でしょうか。

相談員が悩む事①　コミュニケーションのとり方

相談員に問われるのは高いコミュニケーション能力です。福祉の仕事自体がそうなのですが、一般の介護職の場合は「お年寄りが好き」「人の役に立つ仕事がしたい」という思いさえあればそれほどコミュニケーション能力がそれほど高くなくても仕事に差し支えはないように思います。

しかし相談員の仕事は利用者の方だけを相手にする訳ではありません。家族の方や、施設内の職員、利用者のかかりつけの病院などいろんな人とスムーズに人間関係が築け、仕事をする事が求められます。

いろんな人がいますから、その人にあったコミュニケーションのとり方に悩む人が多いようです。特に大変なのはやはり家族の方とのコミュニケーションでしょうか。ケアプランや治療方針などで家族の協力は欠かせませんが、忙しい事を理由になかなか施設に来てくれなかったり、「時間がとれない」と会ってくれなかったり、家族に振り回される事もあったりします。

利用者の家族の方はだいたい50代～60代の人が多いので比較的若い相談員にはなかなか悩みを相談しにくいという事もあるようです。しかし時間は少しかかっても誠意ある対応をしていれば、家族からも信頼されるようになるでしょう。

お互い信頼関係ができてしまえば、多少の問題があってもそれほどのクレームにならない場合もあります。例えば、利用者の方が施設内で転倒して怪我をした場合なども、「普段、きちんと対応してくれているのだから仕方なかったんだろう」と施設側を責める事はほとんどしない家族が多いです。

相談員が悩む事②　仕事の大変さに比べて収入は決して多くない

相談員の年収は場所や取得している資格の種類にもよりますが、だいたい300万～400万ほどです。
介護の世界自体、給料が安いと言われています。しかし、安定して収入を求めて介護の世界に入ってきて、相談員を目指す人も多くいます。なので厳密に言うと「仕事が大変なわりに給料が安い」という事だと思います。

仕事が大変なのは職場によって大きく変わるので一概には言えませんが、例えば特養で介護福祉士の資格を所有していて生活相談員として働く場合、20万前後の手取り額のところもあります。

これを多いか少ないかと思うのは個人差があると思いますが、基本的に特養で介護福祉士の資格を所有していて、介護士として現場で働く場合は夜勤もしなければなりません。
早出、日勤、遅出、とバラバラな時間帯のシフトの上に毎月夜勤を4～5回やって、給料は20～25万あれば良い方です。

日勤で相談員の仕事に就く方がいいのか、夜勤に入って夜勤手当をもらった方がいいと思うのかは人それぞれです。
しかし、夜勤は年齢を重ねるごとに「辛い」と感じる人も多いようで、現場の介護福祉士から相談員の仕事に変わる理由の一つにもなっています。

相談員のやりがい①　利用者や家族から感謝される

相談員の仕事をやっていて一番やりがいを感じる時はやはり自分が受け持った利用者の方や家族から「ありがとう」と言ってもらえた時です。
特に家族から感謝される事も多くなります。介護を必要とする人が自分の家族にいる時、それはその人の人生を左右するほどの大きな悩みになる場合があります。

「本当は自分で親や夫や妻の面倒をみたいけど、事情があってどうしてもできないので施設に入れた。でも家族を見捨てたようで辛い」そう思っている家族の方は多いです。
心配でも毎日施設まで会いにいくのは難しい方もいますし、そんな家族にとって、毎日利用者の方に触れ合う事のできる施設の相談員はとても頼りになる存在なのです。

利用者の方には認知症の方も多くいますが、認知症の方への対応は専門の知識がないと相手を怒らせたり、症状がひどくなってしまう場合もありますが、逆にきちんとした対応をする事で、毎日心穏やかな生活ができるように導いていく事もできます。
そんな専門的なアドバイスも家族は求めているのです。

まとめ

生活相談員の仕事は大変な事の方が多いかもしれません。利用者の方や家族に深く関わってその人の人生を大きく変えるきっかけを作る仕事だと言っても過言ではありません。

自分は相手の事を思ってやった事でも、それが裏目にでて怒らせてしまったりする事もあるかもしれません。
一生懸命やった事が評価されない事もあるでしょう。
それでも相談員を長く続けている人は数多くいますし、相談員を目指している方もたくさんいます。

大変な分、自分の仕事が上手くいった時に感じるうれしさは他の仕事では味わえないものなのかもしれませんね。そんな仕事にみなさんはやりがいを感じているのでしょう。