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介護士のお仕事

医師や看護師など介護士が他職種連携を上手く行う方法

身体の不自由な方や、今増えているお年寄りに必要な介護職ですが、介護は介護職だけでは成り立ちませんよね。被介護者一人に対して、家族や知人・老人クラブ・自治会・医療・介護などの様々な人や団体が協力し、少しでも自立した生活が送れるよう支えています。

その中で介護職が仕事として直接連携を取り合うことが多い他職は、医療関係職です。
介護職は生活のお手伝いをする、被介護者にとって最も近いともいえる職種ですが、被介護者の状態や症状を回復することや、適切な処置をすることなどはできません。

被介護者に対して適切な介助をおこなうには、医療関係職の協力は不可欠なのです。
より良い介護をおこなうために他職種との連携を上手くとるには、どのようにしたらよいでしょうか。

仲が悪い?施設介護に多い介護と看護の問題

本来は望ましくないことですが、介護職と看護師の不仲はよくあることで、特に特養や老健に多い問題です。

その根本的な原因は、協力を得られないと感じていることや意見の食い違いからきています。介護職目線で極端なことを言えば「看護師が働かない」「看護師がうるさい・好ましくない指示を出してくる」という事です。

例えば、おむつ交換の時間に介護職がどたばたしているときに、同じ場所にいるのに看護師が椅子に座ってお喋りしていたら腹が立つこともあるでしょう。
自信を持って介助をおこなっているとき、介護のプロでもない看護師から突然「そんなやり方じゃダメ」と言われれば、気分を害することもあるでしょう。

他の職種でもそうです。
ケアマネや相談員から介護職に対して、無茶とも思える要求をされ、面白くない思いをすることもあります。

これらは職種や立場の違いによる考え方の違いが原因ですが、人ひとりを支えるために必要な意見であり、介護の中心となる介護職にとっても重要です。

協力が得られないのは当たり前


例えば、入浴介助に看護師が手伝いに来たのに傷の手当や健康管理に関わることしかしない。手が空いていても着衣を手伝ってくれない…

これは、人道的には忙しくしている介護職を見たら手が空けば手伝ってあげたい、風呂から上がった利用者に早く服を着せて差し上げたい、と思うのが当然という前提があるからです。

看護師は、入浴介助をしに来たのではなく、入浴の安全や利用者の健康のために来ているのです。介護職の手伝いではなく、利用者の手当やチェックに来ているわけですね。

手伝ってあげたいと思って介護職の業務を手伝ってくれる看護師もいます。
介護のプロではない者が出しゃばってはいけない・事故の原因になるかも…と考えて控えている思慮深い看護師だっています。
さて、どちらが正しい判断でしょうか。

上手な連携を取るには職種の理解が大切

例えば、食事の摂取量が定められているお年寄りが「腹が減った、どうしても何か食べたい」と言ったら、どうしましょう。

次の食事時間が近ければ待ってもらうでしょうが、介護職としては何らかの工夫をして、少しの食べ物を提供することが多いかと思います。残りの時間を少しでも有意義に生きてもらいたくて、本人のために提供したものです。

しかし看護師の立場から考えると、これは絶対にNGです。医師からの指示に従って、その人の健康のためにできる最大限のことをしているからです。

果たして、これはどちらが正しいでしょうか。

同じ人のための判断でも、職種が違うというだけで結果は大きく違います。
上手な連携を取るために、まずは職種が違えば考え方も違うことが当然であることを理解しましょう。

包括ケアチームの一員であり、第一人者ではない

被介護者の直接介助をおこなうのは、主に介護職です。
しかし、その人が抱えている問題を全て介護職が解決することはできません。

地域生活の問題や健康状態や病気の問題など、これらが密接に関わり合ってその人の問題となっている為、それぞれの分野のプロが協力して一人を支えていくのが日本の介護です。

様々な要素が絡み合って問題となっている以上、介護職もその他の職も、それぞれの分野の専門家による情報を参考にしなければ、どの分野でも適切な支援はできません。
介護職が中心の世界ではないのです。

まとめ

上手な連携を取るには、他職種が他職種であることを受け入れ、それらの情報を適切に取り入れたうえで、適切な介助をおこない、また、必要な情報を他職種に提供することが大切です。

業務のシステム上、朝礼や記録などによって情報は他職種に必ず提供できる仕組みになっているはずです。それでも漏れてしまうことや、他職種から見て対応や介助方法に問題があるとされてしまうことがあるのは、職種の違いとその考え方を、お互いが理解できていないからです。

その道のプロにプロらしき判断と指示を仰ぐには、その判断をしてもらうために必要な情報を提供しなければなりません。
また、適切な介助をおこなうためにも、彼らの多角的な情報が必要なのです。

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