HOME > すべての記事 > 介護士のお仕事 > 特養で働く生活相談員はどんな仕事をしているのか?

介護士のお仕事

特養で働く生活相談員はどんな仕事をしているのか?

生活相談員は、介護介のソーシャルワーカーです。
加齢による身体能力の低下や病気などにより生活に困っているお年寄りや、社会的な自立が困難となり、疎外、孤立されてしまっているお年寄りなどが心配なく生活できるように、環境を整えるなど援助をするための専門職です。

特養の生活相談員は、利用者の受け入れや退所処業務が主な仕事となります。
利用者だけでなくその家族や関係者とも連絡をとり、利用者本人が安心して施設生活を送れるよう配慮します。

また、経営の面でも重要な役割を担っています。
施設利用者の欠員をできるだけ減らして経営がうまく回っていくように、入所者・退所者の管理をおこなう側面があります。
具体的にはどんなことをしているのでしょうか。

 

受け入れ可能かの判断

新規の利用者として、家で生活することが困難になった要介護3以上の方が対象です。
要介護になる理由としては、認知症やその他身体的な理由など様々なものがありますが、中には要介護3以上であっても受け入れることができない方もいらっしゃいます。

施設によってどこまで医療行為に対応できるかが違うため、新規入所を希望する方が医療行為を必要とする場合は、その医療行為が施設で対応できる範囲でなければ受け入れはできません。
また、入所を希望する本人やご家族がこのことを知らず、要介護3以上なら誰でも受け入れてもらえると考えられている方も少なくありませんので、受け入れが困難な場合は、こういった方々に説明し、別の解決策を提案するのも生活相談員です。

家族との架け橋は運営に必須の仕事

介護士

新しい利用者の受け入れをするには、本人とご家族・医療機関や行政などと連絡を取り合って受け入れ準備を進めていかなければなりませんが、これらの連絡や報告は受け入れ後から退所まで、ずっと続く大切な仕事です。

例えば、利用者が病気やケガをしたときや、普段の生活に変化がでてきたときには、あらゆる関係者と連絡をとって報告します。
また、生活相談員として、利用者がより自分らしく生活できるよう援助し、環境を整えていくためにも、利用者はもちろん家族との信頼関係を築いていくことも重要なことです。

施設を代表して行う各種会議への出席

サービス担当者会議は、変化のある利用者本人に対して現状のケアプランが適切であるかどうかの確認をする、もしくは、利用者の状態の変化に合わせてケアプランを変えていくときに開かれる会議で、生活相談員も出席し、今後のケアプランについて情報や意見を出し合う会議です。
こういった代表的な会議と合わせて、様々な「会議」に参加する機会が多いのも生活相談員の特徴と言えるでしょう。

利用者の入退所業務と管理をおこなう生活相談員は、経営面でも大きな要となっていることが多いため、施設内の会議だけでも参加する必要性の高いものが多くなります。
また、市町村などで開かれる相談員会議など、他の施設・事業所などの相談員と情報・意見を出し合い、地域全体の介護の質を高めていこうという趣旨の会議へも出席する必要があります。

事務や雑務にも追われる仕事

各種書類の作成と提出や、施設・事業所によってはショートステイや併設しているデイサービスの送迎、特養の介護業務も兼業する場合があります。
電話の対応や利用者・家族からの相談の受けつけ、施設の連携がうまくいくよう調整していくなど、窓口としての役割が大きいなか、これら幅広い仕事をこなしていきます。

生活相談員としての仕事のうち、これらの雑務がどこまで求められるかは、その施設・事業所によるところが大きく、必ずしも生活相談員の仕事とは言えませんが、慢性的な人手不足の介護業界において職員の数が常に足りている職場は少なく、これらの雑務が生活相談員の仕事とされている施設・事業所は少なくありません。

また、職種としての生活相談員として、周囲との信頼関係を結び、その架け橋となる性格が強いため、これらの雑務を請け負うのに最適な条件を備えています。
そのため生活相談員が多忙であっても、これらの雑務を任せられやすい傾向にあると言えます。

まとめ

生活相談員の仕事は多岐にわたりますが、一番の役目は「利用者とその関係者の架け橋」となることです。
利用者が安心して自立した施設生活を送れるよう手配するために、利用者本人や家族などの関係者、行政や医療機関など、さまざま方面と連絡を取ります。
利用者のニーズと背景を理解し、家族の意向、医療的な立場も合わせてより良い生活を送れるよう提案していくのが生活相談員の仕事だからです。

その利用者の生活のためには施設内の職員との連携も大切です。
また、施設経営の面でも重要な役割があり、空床数とその期間を可能な限り短くする必要があります。これは入退所業務の一環としての顧客管理とも言えるでしょう。
その他の雑務はその施設によって求められる範囲は違いますが、どこの生活相談員であっても求められるのが、「信頼関係の構築」ではないでしょうか。

掲載中の転職サイト一覧

介護士のお仕事関連記事