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介護士のお仕事

介護のリスクマネジメントとは?

介護の仕事は、高齢者が生活していく上で必要な介助やお手伝いをする仕事になります。
介護サービスを利用している方達は、色々な理由から一人で行う事が困難になってしまったものがあります。

そういった方達の為に、介護士は日々利用者のお手伝いや介助を行う事で、その方が普段と変わらず生活していけるように支援をしていくのです。

在宅での支援の場合には、自宅へ伺い1対1で行う介護サービスが通常です。
その為、介護士もしっかりとその人の為だけに時間を使う事ができ、利用者の希望やその場でお話を聞きながら対応する事が可能です。

しかし入居施設の場合には、1対1で時間をとる事が難しい場合が多く、数人の介護士で何十人もの利用者の介護をしなければなりませんので、当然事故のリスクは上がってしまいます。

リスクマネジメント

リスクを最小限に抑える為には、介護士一人一人の知識が非常に大事になっていて、全体を見ながら危ない状況になりそうな時には、先読みをして行動しなければなりません。
先読みをして事故を未然に防ぐ事、これを「リスクマネジメント」と言います。

何故それほど重要なのかというと、介護士が相手にするのはほとんど高齢者の方だからです。
高齢者の方は、頭で理解していても行動がなかなかうまくいかなくなっていたり、筋力低下によりちょっとした怪我で生活に支障が出てしまうような大きな事故に繋がってしまう事があります。

特にその多くは転倒による骨折で、歩行が不可能になってしまったり、手を使う作業が不自由になってしまう事があります。
こうなるとその方の生活の質は低下してしまい、その人本人の意欲低下等にも繋がる場合もあり、状況によっては認知症になってしまう事もあるのです。

そのような状況にならない為にも、介護士は常に接している利用者だけに限らず、フロアにいる他の利用者の事も気にかけながら、危険に繋がりそうな時にすぐ対応できる状態で業務にあたる事が必要になるのです。

しかし、誰もが最初からリスクマネジメントの知識があるわけではありません。
長年現場で経験しながら、状況判断が出来るようになってくるものです。

しかし「新人だから事故が起きても仕方のない事」ではいけません。新人の対応もベテランの対応も、介護される利用者にとっては関係のない事ですから。
その差を少しでも無くすために、勉強会・研修会を開く事が必要で、先輩から後輩にしっかりと指導をしていかなければなりません。

報告書から見えてくる対処法

指導方法は様々ありますが、リスクマネジメントを考える時に一番有効なのが、「事故報告・ヒヤリハット」を利用する事です。
同じ事故を二度と起こさない為にも、事故報告書を用いてどう対応していくかの話し合い行い、改善策を明確にしていく事が必要なのです。

また、ヒヤリハットを利用する事も必要です。
ヒヤリハットは今後事故に繋がってしまう可能性がある内容が書かれていますので、未然に防ぐ為にも早めに対応策を話し合う事が重要になるのです。

特にこの事故報告やヒヤリハットについては、その施設で起きた事例になります。
しっかりと確認すると、ある一定の法則や、いつ起きているのか・何が要因だったのかが把握できるようになってきます。

大事なのは「どうしてそうなってしまったのか?」「要因はなんだったのか?」この2つになります。
要因となる内容もいくつかあるでしょう。

■人的要因
スタッフの対応や、決まっていた介護方法をしっかり行う事が出来ていたのか。
その方の状態をしっかり理解し、合った対応方法だったのかを考える。

■設備的要因
利用者が使用している設備に劣化や不具合が無かったのか。
また、利用者に合った福祉用具や設備だったのかを考える。

■環境的要因
その日の職員の人数は充足していたのか、欠員が出ていなかったのかを考える。
また、利用者の人数や一度に行う介護内容は適していたのかを考える。

■管理的要因
その利用者に対する介護のルールがあったのか。
また、対応する職員が決まっていたのかを考える。

こういった要因事に考えていくと、今後の予防策へとつなげていく事がしっかり出来るようになります。

周知徹底をする事

施設で働く介護士の2,3人が対処方法について理解していても意味がありません。
その介護士が毎日対応するわけではないので、必ず対応する介護士全員に周知徹底を行い初めて「予防策」となるのです。

もちろんリスクマネジメントについて話し合いを行う際に、全員の職員がいるわけではありません。
話し合った事、決まった内容については書面で記録し、必ず話し合いに参加できなかった人にも確認してもらうようにしましょう。

また、申し送りなどで2,3日報告するような対応も良いでしょう。

まとめ

スクマネジメントは、利用者の行動や反応を常に先回りして考え、事故が行らない様に対応する事です。それでももちろん予期せぬ行動を利用者がとってしまい、事故に繋がるケースはいくらでもあります。
そういった新たな情報もしっかり話し合い、「この利用者はこういった行動を行う事もある」という事を理解し、対処法を考えなければなりません。

だからといって、100%事故を防げるわけではもちろんありません。
しかし、行動について理解をしておけば、事故を最小限にとどめる事ができます。

そして必ず職員全員が周知する事。知らない職員が1人もいては、予防策にはならない事をしっかり理解し、職員同士声を掛け合いながら対応していきましょう。

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