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介護士のお仕事

パーキンソン病の方を介護する時に知っておきたい注意点

歩くときになかなか足が出ない、また手足に震えがある高齢者はよくみます。その高齢者の中で最も多い病気はパーキンソン病となります。パーキンソン病は、日常生活において不自由を生じ介助が必要となってきますが、介助者が主体となり介助してもうまく介助が進まないことが多く、高齢者がどのように動きたいのかどうしたいのかという事を理解することを必要となります。そこで、パーキンソン病の方を介助するときに知っておきたい注意点についてお伝えします。

リズムに合わせて介助を行うことが大切です。

 パーキンソン病は脳の病気になるため、自分で脳の指令をうまく出すことができません。また、それに伴い自分がやりたいように体がいう事が聞かないのです。そのため、立ち上がり時や歩くときが特に困難を生じてしまいます。このような場合介助者は、高齢者に対し「1.2の3」と声をかけ足を出すように脳への指令を手伝います。そうすることで、足を出しやすくします。
 脳の病気は、自分が思い通りに体が動かないため高齢者自身も辛く苦しんでいます。そのため、「早く」などと焦らず、リズムに沿ってゆっくりと誘導してあげることが必要となります。

足元の段差に気をつけ、転倒予防に心がけることが必要です。

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 パーキンソン病は足が出づらいのと同時に歩幅が狭く、また足が上がりづらいためすり足歩行となります。そのため、足を上げて物をよけて歩くということが難しく、なおかつ歩き出しは小走りになることが多いためその物をよけて歩くことが難しいです。パーキンソン病の方に限らず、高齢者は足を上げることが難しく転倒しやすい状況であり、転倒すると立ち上がることが難しいだけではなく転倒そのものが命の危険もあるということを理解しておくことが必要です。
 そのため、転倒しない状況を作ることが介護士として必要不可欠となります。床に物を置かないことや、歩き出しは特に注意をすること、また転倒予防に適した靴例えばサイズや靴底を確認し、高齢者に合ったものを購入してもらうなどの配慮が必要となります。

■日々の生活の中で、リハビリを取り入れることが大切です。

 パーキンソン病になると、動きが鈍くなり筋肉が硬くなってしまいます。また、歩きにくさがあることによって歩くことを嫌がり、転倒の危険性もあるため車椅子を使うことが多くなることも少なくありません。しかし、日々の生活の中でリハビリを行うことにより進行を遅らせることが大切となります。
 介護士は、時間がかかったとしても自分でできることを自分でしてもらえるよう援助していくことが大切となります。また、歩行状況が悪く転倒のリスクはありますが、歩ける限り二人介助などを行いできる限り歩くよう介護していくことで、筋肉が固まるのを遅らせることができます。さらに、パーキンソン病の症状の中で「うつ」に似た症状もあります。その場合、ベッドから出てこないことなどもあります。ケアの中で無理強いは良くありませんが、お部屋でお食事を取る際などには、姿勢を正しできる限り全身の筋力を使うよう生活の中で工夫を取り入れていくことが必要となります。

■まとめ

 パーキンソン病は難病であり、進行することはあっても治癒することはありません。そのため、病気と共に生きていくことができなければなりません。しかし、病気の進行と共に心身ともに生活の質が低下していくため、少しでも進行を遅らせられるようケアを行っていくことが必要となります。また、進行を遅らせるためだけではなく、転倒などにより骨折等をしてしまうと寝たきりとなりさらに症状を悪化させてしまうこともあります。そのため、日常生活においても転倒予防にも十分注意し、安全な生活を送ることができるよう配慮が必要となります。

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