HOME > すべての記事 > 介護士のお仕事 > 認知症の親と一緒に暮らすためにしておきたいこと

介護士のお仕事

認知症の親と一緒に暮らすためにしておきたいこと

医学が進歩し、患ってしまったら死に至ると言われていた病気が治ると言われるようになっています。
そのようにどんな病気でも治ると思えてきてもおかしくない現代ですが、認知症という病気は今現在でも患ってしまうと治ることのない病気だと言われています。

進行を遅らせる薬は現在でも存在していますが、治す為の薬はいまだに開発されていないのです。
また、認知症というのは忘れっぽくなってしまうというのが代表的な症状のひとつですが、最後には死に至る病気だということがあまり知られていません。

そのような病気に自分の身近な人間がなってしまった場合はどうしたらいいのでしょうか。
今回はもしも自分の親が一緒に暮らしていて認知症になってしまった時にしておきたいことについてお話させていただきたいと思います。

認知症の種類

認知症というのは脳の病気です。
大半の人がアルツハイマー型認知症になると言われています。
その他にも認知症には種類があり、脳血管性認知症やレビー小体型認知症などがあります。
私の働いていた施設ではその三種類の認知症の方に出会うことが出来ました。

アルツハイマー型認知症とは一般的に想像される認知症の症状が多くみられるものです。
たとえば、同じ話を何度もしてしまったり人の名前を覚えることが出来なかったりという症状が出てしまうことがあります。

脳血管性認知症は血管が切れたりすることからの記憶障害から始まります。
すべてを忘れてしまうのではなく、忘れているところと覚えているところがありまだらになっている症状が主になります。

レビー小体型認知症というのは忘れることよりも先に身体の方に衰えがきてしまう認知症です。
なので、記憶力がある場合もあります。

認知症患者の気持ち

kaigo

認知症になると何もかも忘れてしまうと勘違いされてしまう方が多くいると思います。
それは間違いであって、認知症の方も感情は残っています。
悲しいけど何で悲しいのかわからずもっと悲しくなってしまうこともあります。

私が実際に認知症の症状がまだあまり進んでいない女性の方とお話した時のことです。
その女性に私は縫物をお願いしました。何分かするとその女性は泣き出してしまいました。

どうしたのですかとお尋ねすると、私は縫物が得意だったの。でも、やり方を忘れてしまった。
それだけではないの。何でも忘れて行ってしまうの。怖いの。と話してくれました。

私は何も言えず一緒に泣きそうになってしまいました。
その人は今では忘れることも忘れてしまっています。
なかなか聞くことが出来ない認知症患者の気持ちを私は忘れてはいけないと思っています。

認知症のお母さんと息子

どんな病気になったとしても悲しい気持ちにはなると思います。
受け入れることも困難になってしまうことがあるかもしれません。

私が実際に施設で働いている時によく聞いていた例があります。
それは息子さんがいるお母さんが認知症になってしまった場合の時、息子さんはお母さんが認知症ということを受け入れることに時間がかかってしまうことが多いのです。

そのせいで病院に連れて行くことが遅くなってしまい進行が進んでしまったりと本人にも家族にも辛い思いをさせてしまったケースが沢山ありました。

自分自身が歳をとっていくということは周りいる人間も歳を重ねていくということを忘れてはいけません。
少しでも変だと感じたらすぐに病院へ検査へ行きましょう。
定期健診と同じだと思えば気持ちも軽くなるかもしれません。

ひとりで抱え込まないようにする

認知症以外にも言えることなのですが、親が介護を必要になった時に福祉のお世話になることや施設に入居させることは後ろめたいことだと感じている人が数多くいます。
しかし、実際に施設に入居されたご家族は離れているからこそ関係が良くなったと言ってこられるのです。

施設に入ったからといって見捨てたというわけでなく手助けしてもらう幅を広げたと考えてほしいと私は思っています。
そうしないと共倒れになってしまうということを忘れないでほしいです。

まとめ

まず、親が認知症になってしまった時は認知症という病気がどのような病気なのかを理解しておくことが大切です。
敵が現れた時に敵の事をよくわかっておくことが大切なのと同じことです。

次に大切なのは親の事を理解してあげることが大切です。
なぜなら認知症患者の人は自分がどうだったかも忘れることがあるからです。
なので元気なうちから親の事はよく知っておきましょう。

親の事を理解してあげることによって自分が楽になることもあります。
また、少しでも得意なことをさせてあげることで元気を取り戻して進行を遅らせることが出来ます。

会話は繰り返されてしまうことが多いですが否定をしてはいけません。
しかし、何度も同じことを言っているのは確かな事実です。

そんな親を見ていると苛立ちも悲しさも出てきてしまうと思います。
親を大切にすることは大事なことですが、誰かの手助けをもらうことはけしてダメなことではありません。

自分自身の生活もあるのですから、すぐに福祉の力を借りて訪問介護やデイサービスなどを利用してみてください。
もちろん子どもの存在は大きいですが、離れてる時間も大切で一緒にいるときに少しでも余裕のある状態で過ごしていけるのが理想的だと思います。

掲載中の転職サイト一覧

介護士のお仕事関連記事