介護業界、労働環境は以前より大幅改善！時間外勤務が少ない傾向

“介護士の仕事のイメージは「クサイ」「キタナイ」「キツイ」という良くないイメージが先行します。
しかし、それを除くと労働環境としては適切な職場、優良な職場が増えてきています。いわゆるブラック企業ではない介護施設、介護事業所が増えているのです。

その理由の１つとして「介護士は、実は時間外勤務（残業）が少ない」という内容に触れてみます。

昔の福祉・介護業界のようなボランティア精神は排除されつつある

今でこそ、介護の仕事は良くも悪くもメディア等でとり上げられ、世間一般に知られるようになりました。
しかし３０～４０年前の福祉・介護業界は、現在のように高齢化社会ではなかった時代背景もあり、世間における認知度も低い時代でした。

そのような状況の中、福祉・介護業界に携わる職員には「ボランティア精神」のようなものが求められていた職場も存在しました。

私の実体験ですが、私が介護を始めた◯◯年前は、休日にボランティア出勤（手当無し）して、地域の廃品回収や法人主催のバザーなどを手伝ったりしていました。
当時は休日出勤扱いにならず手当無しで働くことに何の疑問も持たず（周りが皆そうだったというのもありますが）、休日勤務手当を請求しようとさえ思いませんでした。

しかし時代は変わりました。介護業界は慢性的な人手不足です。
介護人材の確保として、国の施策はまだまだ不十分ではあるものの、介護士の賃金改善、労働環境改善は業界全体で着実に進んでいると言えます。

時間外勤務は原則無し

私がこの数年間で関わった介護施設は、介護士の時間外勤務は原則無しという職場ばかりでした。

入所型の介護施設なので、早番、日勤、遅番、夜勤の交替勤務ではあります。また土日祝も関係無くシフトで１か月あたり９日～１０日間の休日でシフトは作成されます。

介護士として働いたことのない方は「夜勤有りの不規則勤務、土日祝関係無しで勤務」と聞くと「介護の仕事は労働環境が厳しそう」というイメージを持たれるかもしれません。

しかし介護士として働いてみると（私が関わった施設においては）、不規則勤務や土日祝出勤という条件を除けば、意外と労働環境にめぐまれているという実感を持つことができます。

なぜなら「不規則勤務であっても、勤務終了時間になったら勤務を終えることができる」からです。（ただし、ご利用者様の体調急変時等は別です。これについては後述します。）

介護士を守ることは、法人や施設を守ること

介護士は不規則勤務であってもなぜ定時で勤務終了することができるのか、介護施設の責任者クラスに話を聞くことができました。

理由は大きく２つです。１つは「介護士を不必要に残業させて疲れさせると、次の出勤日にご利用者様に対して良い状態で介護ができなくなる」という点です。
もう１つは「経営面におけるコスト削減」です。

介護施設の運営を担う責任者クラスの胸の内は、実情は「経営面におけるコスト削減」という考えはあります。しかし、最近では１番めの理由である「雇用管理の面から、介護士を必要以上に疲れさせない、労働過多にさせない」という理由を優先して介護士の雇用管理をする法人・施設が増えました。

言い方を変えれば「介護士がご利用者様と笑顔で関わる（良い介護を提供する）ためには、きちんと退勤させ介護士自身が休むことができる労働環境を重視する時代になった」と言えます。

また介護施設の運営・管理の責任者クラスにはリスク管理が必要になりますが、介護現場の事故が発生したときの介護士の労働状況がチェックされた場合、雇用管理担当の責任者クラスに、その責任が問われる場合があります。

例えば「介護士が労働過多の状態で、事故を発生させてしまった」場合「その時の当事者の介護士の状況は連続勤務で休日がしっかり取れていなかった」となると、雇用している法人・施設側の責任が問われる場合があるのです。

ご利用者様の体調急変時は別だが、手当はきちんと支給される傾向

ただし、介護施設はご利用者様の体調急変もいつ何時と考えられます。
退勤時間が近づいてきたときに、ご利用者様が体調急変、事故等で救急車を要請する場合などは、時間外勤務をする場合もあります。

しかし頻度は少なく、また介護記録や事故報告書と連動させるために（介護士がきちんと対応した証拠づけ）適切に時間外勤務を発生させている介護施設が多くなっています。

まとめ

介護士の仕事は、仕事としての介護経験が無い方からみると「たいへん」「きつい」というようなイメージが先行しがちですが、メリットもたくさんあり、特に最近の介護施設の職場環境は介護士が良い意味で守られる傾向にあります。

今回は、介護士は時間外勤務が少ないという内容をご紹介しました。
今回触れた内容が、介護の仕事に興味・関心をもっていらっしゃる方の参考になれば幸いです。