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介護士のお仕事

感染症対策はとても大切!「その嘔吐物、ノロウィルスかも?」

介護施設にとって、感染症対策は非常に大切です。
感染症の種類にもよりますが、インフルエンザやノロウィルスなどは、ご利用者様に感染すると施設内に感染が拡大し、多数のご利用者様の生命に関わる場合があります。

今回の記事では、嘔吐物への対応方法において、気をつけるべきポイントをご紹介します。

嘔吐物を発見したら、ノロウィルスの可能性を考える

介護施設において、恐い感染症の1つにノロウィルスがあります。
ノロウィルスに感染すると、激しい嘔吐や下痢といった症状がでます。

そのため介護施設に関わらず、高齢者がノロウィルスに感染すると、重症化することがあります。
激しい嘔吐や下痢による脱水症状や栄養不足に陥ると、体力が低下している高齢者にとっては生命の危機に直面する恐れがあります。

介護施設において嘔吐物を発見した場合は、仮にノロウィルスの可能性が低くても、介護士は「ノロウィルスかも?」と念のために疑いをもって嘔吐物の処理にあたる必要があります。

「慌てない」「大人数で対応しない」

嘔吐物に限りませんが、ご利用者様の特変や事故などが発生すると、介護施設においては、その場面に複数名の介護士が集まってしまう傾向があります。
経験の浅い介護士だけが勤務している時間帯などは特にそのようになります。

特変、ケガ、事故に対して「心配だから」「自分にも何かできることはないか」という純粋な親切心から、介護士がその場面に集まってしまう傾向にありますが、「限られた介護士の人数で、多くのご利用者様を介護している現場」という視点から考えると、事が発生した1か所に介護士が複数名集まってしまうのはよくありません。
他のご利用者様の様子を見守ることができずに、2次事故、3次事故等が発生する危険が生じるからです。

嘔吐物、ノロウィルスという視点に話を戻すと、複数名の介護士が嘔吐物の処理に対応するとよくない点がもう1つあります。
それは「複数の介護士が嘔吐物処理に対応すると、より多くの感染源を施設内にばらまいてしまう可能性がある」という点です。

嘔吐物というものは目に見えているだけではなく、実は目に見えない程の嘔吐物のしぶきなどが、その周辺に飛んでいる可能性があります。
嘔吐物がもしノロウィルスに起因するものだった場合、目に見えない嘔吐物が処理にあたった介護士の服や靴に付着する可能性があり、処理が終わった介護士がその後施設内を行動することによって、知らないうちに、介護士がノロウィルスを施設内に拡散させてしまうことがあるからです。

嘔吐物を発見すると、心配になり、複数名で対応にあたりそうになりますが、少し冷静になって、慌てず、複数名で対応しない方が、結果的にはその後のリスクが少なくなると言えるのです。

処理方法、対応方法を間違えない

嘔吐物を発見すると、その辺にある雑巾などで早く拭き取ってしまいたくなります。
しかしこれは嘔吐物がノロウィルスに起因するものだった場合において、非常に危険な対応です。慌てず、冷静に対応したいものです。

嘔吐物に対する処理方法、対応方法のポイントを簡単にご説明します。

まず、処理にあたる介護士をできるだけ少人数にすることです。
先にも述べましたが、大人数で対応すると、他のご利用者様の2次事故、3次事故を招いたり、嘔吐物がノロウィルスに起因するものであったりすると、介護士が感染源を拡散させてしまう可能性があるからです。

次に、処理にあたる前に必要になる物をすべて近くまで持っていきます。また処理に使う道具は基本的には使い捨てるようにします。
ノロウィルスは感染力が高いので、洗ったり消毒しただけではウィルスを完全に処理できない可能性が高いからです。

実際に処理にあたるときは「外側から内側に」嘔吐物を集めていくように処理します。その反対をやってしまうと、ノロウィルスが拡散する恐れがあります。

処理の最後には、処理に使った道具を厚手のビニール袋(最低でも2枚以上)で覆うようにしながら、ビニール袋をしっかり結んで捨てるようにします。

ノロウィルス対策の消毒は次亜塩素酸ナトリウムを使用する

ノロウィルス対策の消毒に関して、基本的な知識として「アルコールは効き目無し」「次亜塩素酸ナトリウムを使用する」ということを覚えておいてください。
アルコールを噴霧して消毒した気になっていると、ノロウィルスが感染拡大してしまいます。

次亜塩素酸ナトリウムは、用途によって希釈する%が決まっています。マニュアルなどで確認して適切な濃度で使用するようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか?
介護施設で嘔吐物を発見したら、可能性が低くても「ノロウィルスの可能性を疑って対応する」必要があります。

慌てずに冷静に対応することで、感染拡大を防ぐことができ、ご利用者様の生命を守ることにもつながります。
今回ご紹介した内容が、介護士の方の仕事の参考になれば幸いです。

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