なぜ介護の仕事は人気がないのか

世間では、「介護業界は○○だからやめた方がいい」や「きつい、汚い、帰れない」と言ったことを一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
また、人手不足の業界でもあり、上述のことや利用者虐待問題の横行により、職場環境に対してもあまり良いイメージを持たない方も数多くいると思います。

また、介護業界の仕事において「きつい・汚い・帰れない」という言葉を一度は聞いたことがあったりする等の理由から働きたくない、という方も多くいるのではないかと感じます。
そこで、ここでは介護業界の仕事内容と人気のなさについて紹介していきます。

介護業界の仕事

介護業界の仕事は、食事やオムツ介助をして、あとは利用者の方とお話をすることが介護の仕事だというふうに想像している方はかなり多くいるのではないでしょうか。
確かに、それでもあながち間違っていることではありませんが、仕事内容はそれだけではありません。

介護業界で働く際、介護施設の特色や形態により異なりますが、食事介助・オムツ介助・入浴介助・お茶やおやつ介助はどの施設でも共通して行われています。

また、施設によっては食事の際に特別メニューが出る施設や、月一回のレクレーションや飲酒・喫煙介助を行う施設もありますが、意外と利用者の方とお話をする時間はそれほどありません。

介護の仕事をするなかでは覚えなければいけない知識や技術が一杯あり、それをフルに使って仕事をする必要があります。

また、利用者の求めるものや状態によって仕事の内容も違っていきます。
例えば、食後に熱いお茶が飲みたいとの要望があった際、当然のことですが無視するわけにはいかず、食後にお茶をきちんと持っていく必要があります。

このように、利用者の個性や要望にあった仕事をする必要があり、自分の都合で仕事をすることは許されません。
しかし、全部の要望が叶えられるわけではありません。

例えば、糖尿病の利用者の方が「アメが欲しい」と言っていたとします。
その際、要望があったからアメをずっとあげ続けた際、糖尿病がかえって酷くなってしまい日常生活にも大きく影響を与えるだけでなく、糖尿病が元で亡くなるケースもあります。

このように、利用者の体のことも踏まえた仕事のやり方が重要になってきます。

なぜ介護の仕事は人気がないのか

では、気になることは「なぜ介護の仕事は人気がないのだろうか」ということです。
その理由の一つは、介護業界が人手不足だからです。

人手不足の業界で仕事をしたいという方はあまりいないと考えています。
なぜなら、人手が足りない分、その職場にいる方が何倍も多くの業務をこなさないと、一日の仕事が回らなくなってしまうからです。

そうなると、自分たちのところにもあまり必要ではない仕事が回ってくることがどうしても多くなってしまうだけでなく、足りない人手の分を補うために、本来では違法な行為も横行することもあるためです。
また、休日出勤があることも仕事に人気がないことに拍車をかけているといえます。

もう一つの理由は、介護の仕事や施設内にもあります。
どういったことかと言いますと、排泄介助が多くの方は抵抗があったり嫌がる人が多いです。

これは大体の方は、オムツが汚いと思うから仕事をしたくないという方がいたり、介護の仕事自体に「汚い物に触れる」という認識のため、そういったことを避けたいから嫌がる方が多いと考えられます。

また、利用者の方が自分たちの言うことを聞いてくれなかったり動作が遅かったりといったような、高齢者特有のよくあることにイライラして我慢が出来ないから介護の仕事はしたくないという方もいます。

実際、そのことが理由で利用者の方に暴行を加えたり場合によっては殺害にいたるケースもあります。
「Sアミーユ」や「やまゆり園」等の事件はそういった面が強く出ていたため、介護の仕事はしたくないという方も数多くいるのではないでしょうか。

さらに、人手不足の業界のため、職場の雰囲気が悪いと言ったように思っている方もいると思います。
そういったことから、介護の仕事は人気がないということが言えると考えられます。

まとめ

以前は「汚い・きつい・帰れない」の3Kの代表とも言われていた介護業界も、待遇面や人手を増やすための工夫が国会内でも行われており、介護給付金はその証拠だと私は考えております。

とは言え、介護施設のにおいが嫌われたり、排泄介助が嫌だったり、高齢者特有の症状に耐え切れないから介護の仕事をしたくないという方が多いことも現状ではあります。

しかし生きている限り、人間は誰でも歳をとっていくものであり、耳が遠くなったり体のどこかが異常をきたしてやむなく介護を受ける方も少なからずいます。
そうなった際、目の前で上記のことが自分たちにあったらどのように感じるでしょうか。

そうなったことも考えていくことが、介護業界の人手不足や人気のなさを解決する糸口になるのではないかと考えております。