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介護士のお仕事

初任者研修と実務者研修、学ぶ内容の違いについて

介護業界には色々な資格があり、自分のスキルアップの為にも仕事をしながら学習したり、介護の仕事に就く為に講習を受けている人が多くいる様です。

介護に関わる様々な資格

その中でもよく聞く介護の資格として、「介護福祉士」「ケアマネジャー」なんかは、介護業界の仕事をしていない方でも一度は耳にした事があるでしょう。

介護福祉士は直接介助を行う介護士にとって、取得しておきたい国家資格です。
また、ケアマネジャーは更なるキャリアアップとして介護技術だけでなく、介護保険の成り立ちや介護保険法を学ぶ専門職になります。

その他にも介護保険の請求のプロとして「介護事務」「社会福祉士」等もあります。
その中でも最初のキャリアアップとして目指す所は、やはり先ほども紹介した「介護福祉士」になるでしょう。

現在、介護福祉士になる為には「実務経験3年以上+実務者研修修了者」となっています。
今までは3年以上の実務経験があれば受験資格はありましたが、28年度より変更となりました。

今後、質の高い介護福祉士の誕生を目指す為に、より多くの知識と深い専門性を持たせる事が狙いとなっているようです。

専門性の高い仕事に変わりつつある介護業界

最近の介護業界では、介護士を希望しているが「資格取得の費用が払えない」方や、「資格取得の方法がわからない」といった無資格者も多くいるようです。

そんな介護の仕事を希望している無資格者の為に、採用後にそのまま初任者研修講座を受けてもらう企業もあります。しっかり働きながら、休みの日や仕事終わりに講座を受けて、資格取得を可能にしています。

また、自社では初任者研修の講座を開催していない所でも、他の企業が行っている初任者研修講座を受けてもらい、その資格取得にかかった費用を補助している所もあるようです。

今では求人誌やネット求人等を見てみると、採用条件として「初任者研修資格保持者」となっている所が増えているようです。

「経験や知識が無くても働ける仕事」「誰でもすぐに採用してくれる仕事」というイメージがまだまだ残っている介護業界ですが、今ではしっかりと専門的な知識や技術を身につけた人ではないと働けない専門職に変わりつつあります。

より深い内容を学ぶ事になる実務者研修

介護の仕事を始める為に必須条件になりつつある初任者研修と、介護福祉士になる為に必要な実務者研修ですが、学ぶ内容についてはどう違うのでしょうか。

■初任者研修
まずは初任者研修ですが、介護の為の基本的な知識を学ぶ事になります。
人間の尊厳や自立、社会の仕組みや介護の基本について学び、生活支援や認知症についても同様、「基本的な知識」を学ぶ事になるのです。

ようは、介護の仕事に就くにあたり必要最低限の知識を身につけ、なるべく早く介護の仕事を理解しながら実務を行えるようにします。
また、講座時間も大体130時間程度ですので、早ければ1ヶ月程度で取得する事が出来ます。

最後に修了試験を受け、合格すれば初任者研修の資格取得となりますが、この資格だけでは介護福祉士の受験資格にはなりませんので注意して下さい。

■実務者研修
初任者研修とは違い、400時間以上のカリキュラムが組まれているので、資格取得までには数か月かかる事になります。もちろん初任者研修と同じ科目があり、最初は基本的な内容について学んでいきます。
初任者研修資格を持っている人は、免除される項目もあります。

実は、学ぶ内容としては初任者研修とほとんど同じ科目名になりますが、より深い内容を学ぶ事になるようです。
例えば初任者も実務者も「社会の理解Ⅰ」という科目がありますが、実務者には 「社会の理解Ⅱ」も学ぶ事になります。

その他「介護の基本Ⅱ」「生活支援技術Ⅱ」「障害の理解Ⅱ」等、初任者研修まではⅠしか学ばない事を、さらに多くの知識を付けるが実務者研修となっているのです。

医療行為

初任者研修と実務者研修の最大の違いは、「医療ケア」について学ぶ事でしょう。
初任者研修には医療ケアについての項目はありませんが、実務者研修になると、医療ケアについてもしっかり学ぶ事になります。

その後、しっかり実務者研修の資格を取得する事が出来た場合には、痰吸引や経管栄養を行う事が出来るようになるのです。
今までは医師や看護師にしかできない業務であった痰吸引や経管栄養ですが、その業務が介護士でも出来るようになったのです。

初任者研修の講習では学ぶ事はありませんので、ここが学習内容の最大の違いとなるでしょう。

まとめ

初任者研修と実務者研修の違いを紹介してきましたが、初任者研修は基本しっかり学び、短い期間で習得できる資格になるので早めの就職が可能になるのが魅力の一つです。
そして実務者研修では、初任者研修で学んだ内容をより深く、より専門的な知識を身につけた介護士になる為のキャリアアップになります。

また、国家資格となる介護福祉士になる為にも、実務者研修は必須資格になりますので、タイミングを見てしっかり資格取得をしておきましょう。

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