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介護士が加害者にならない方法!介護士の高齢者虐待の未然防止!

超高齢化社会への加速に比例するように、介護施設における事故や事件性のある悲しいニュースを見かける機会が増えました。
介護施設で働く介護士にとって、なんとしてでも防ぎたいことの1つが「介護士による高齢者虐待」です。「ウチの施設は高齢者虐待は無いから大丈夫・・・」と思っていたら、驚くことに身近な介護士が高齢者虐待をしてしまっていた(自覚の有無にかかわらず)というケースも増えています。

介護士にとって、高齢者虐待は近年より身近な話題であり、しかし絶対に防ぎたい事柄です。ご利用者と介護士が、高齢者虐待の被害者と加害者にならないために、今回の記事では、介護施設における高齢者虐待の未然防止について触れてみたいと思います。

自覚症状が無いまま「高齢者虐待」に陥ってしまう

介護施設における高齢者虐待、事件として記憶に新しいニュースの1つに、某老人ホームにおける上層階から介護士が利用者を転落させ死亡させた事件があります。

介護業界に携わる1人として悲しくなりますが、同時に「明日は我が身かも・・・」と少しだけ恐ろしくも思うときがあります。

介護施設において介護士が利用者を虐待してしまう場合、意外と「虐待という自覚症状が無い」まま「虐待行為に走ってしまった」というケースが多くあります。

介護士による高齢者虐待の可能性は、意外と「そんなつもりはなかった」けど「(ご利用者様が)言うことを聞いてくれない」「介護の手間が多すぎる」「認知症が進行し、見守りが困難」というような理由になります。そして、例えば「介護の仕事を必要以上に増やさないために虐待をしてしまった」というケースになる可能性が否定できません。

介護士チーム内はホンネで話すことができているか

介護士による高齢者虐待の要因の1つに「介護ストレス」があります。

誤解のないように申し上げますが、ストレスがたまっている介護士の虐待を容認するということではありません。
一般社会においても「腹が立ったから相手を殴った」場合は事件になります。それと同じで「介護にストレスがたまっていたから虐待してしまった」というのは決して許されることではありません。

しかし介護士も人間である以上、(介護士個々の性格にもよりますが)介護ストレスが溜まってしまう場合があります。

大切なのは、その介護ストレスをご利用者様に向けるのではなく、いかに上手に逃がしてあげるかです。

介護ストレスを上手に逃がすために重要なポイントの1つは「介護チーム内はホンネで話すことができているか」という点です。

ご利用者様のいる場面では発していけない言葉はたくさんありますが、休憩時間や介護士だけの空間になったときに、悪い事も介護チーム内で話すことができていると、介護ストレスは大きく軽減します。同じチームの介護士に悪い事を話すことができ、介護士チーム内で良い意味で責め合わないことで、介護士は心をリフレッシュし、頭をリセットしてご利用者様と関わることが可能になります。そうすることで高齢者虐待はある程度防ぐことができます。

小さい芽で摘み取り、責任を1人にかぶせない姿勢

介護士による高齢者虐待は、小さな芽(虐待に至らない状態)で摘み取ることが重要です。ご利用者様を守ることはもちろんですが、加害者になる介護士を作らない(未然に防ぐ)ことで、介護士が罪に問われなくて済みますし、施設を守ることもできるからです。

高齢者虐待は法律で通報義務があります。隠すことも罪に問われます。

介護士が高齢者虐待をしてしまう前に、同じチーム内で虐待の芽を摘み取ることが、被害者と加害者を作らずに、関わるすべての人を守ることにつながります。

虐待に至る前の、小さい芽の発見の手がかりについて

介護士による高齢者虐待を未然に防ぐための手がかりとして大切な場面が2つあります。

1つは入浴介助の場面、もう1つは認知症ご利用者様の言葉や態度です。

入浴介助の場面においては、介護の基本事項の1つである「全身状態の観察」ができます。ご利用者様が裸になる場面において、衣類で見えない部分に不自然な内出血やアザがあったら、介護士は高齢者虐待の可能性を否定しないようにしましょう。

また意外なことに、認知症のご利用者様の発する言葉で(表現が悪くて申し訳ないのですが)「よく理解できないけど、介護士誰かのことをさかんに言っている気がする」と感じた場合、また「認知症のご利用者様が特定の介護士に近づいていかない」という態度を感じた場合は、やはり高齢者虐待の可能性を否定しないようにしましょう。

ここも誤解のないように申し上げますが、犯人探しをするということではありません。
虐待の可能性を否定せず、チーム内の介護士の態度に気を配り、様子が気になる介護士には声をかけ、虐待の芽が小さいうちに摘み取る姿勢が大切であるということです。

まとめ

介護施設において、介護士による高齢者虐待は絶対に防ぎたいことの1つです。超高齢化社会への加速によって、介護従事者も増え、様々なタイプの介護士が存在する時代です。

そのような中で、関係者すべてが悲しくなる介護士による高齢者虐待を、上手に防ぎ、介護士が活き活きと働く施設が増えていけば幸いです。

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