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介護士のお仕事

チョットお得な介護士の話「入浴介助でドリンク飲み放題?」

介護士として仕事をしていると、チョットしたお得(?)な事もあります。
それは介護士の仕事が「心身ともお困りになっている方(ご利用者様)と関わる仕事である」が故に「介護士自身が健康である必要がある」という理由があります。

今回の記事は、介護士をやっているとチョットお得になる話の1つとして「入浴介助でドリンク飲み放題?」という内容をご紹介します。

介護士の世界も「スポーツ根性」は脱却した

いきなり余談ではありますが、40~50年前の介護業界は、現代の介護保険法にも位置づけられる「利用者本位の自立支援」という視点から見れば、当時のご利用者様の生活の質は決して良くなかったという時代でした。

これは働く側の介護士にも少しつながる話にもなります。

40~50年前の、例えばスポーツの世界、特に高校や大学の体育会系のスポーツ系部活動は「根性」や「精神論」が優先されていたように思います。

介護士の世界も、現代は「キャリアパス制度」や「OJT(現場で仕事をしながら指導を受ける方法)」などという言葉がありますが、40~50年前の介護士の世界は「先輩介護士の背中を見て学べ」「わからないことは、黙って先輩介護士の姿を見ろ」的な業界だったと思われます。

今はずいぶん変わりました。
前述の話を読んで「介護はやめよう」と思った方は、今はそんなことはありませんので、どうぞ安心して介護の仕事に就いてくださいね。
介護が初めての方でも、段階的に教わることができる環境がずいぶん整ってきたと思います。

背景の要因の1つは「介護業界は慢性的な人材不足」で、管理的立場の人からすれば「介護士の離職を何としても防止したい」という現状があると思います。

入浴介助者を担当する介護士自身も水分補給すること

話は本題に入ります。
介護士の仕事の1つに“入浴介助”があります。

入浴介助は、ご利用者様に「安全かつ安楽な入浴サービス(入浴介助)を提供する」という、介護士にとってはやりがいのある仕事であり、ご利用者様の生活を支援するためには大切な仕事になります。

しかし、入浴介助の場面は、例えばご利用者様が裸で転倒するかもしれないリスク、シャワーのお湯が熱くて(ご利用者様の身体にシャワーをかける前に湯温確認するのも、介護士の大切な仕事ではありますが)ご利用者様がやけどしてしまうかもしれないリスク、入浴中のご利用者様の体調が変化するリスク等、介護士にとっては心身とも緊張し、体力を奪われる仕事にもなります。

また浴室や脱衣室の室温は、夏場冬場問わず、裸になるご利用者様が寒くない環境に整えておかなければなりません。
言い換えれば「普通の成人にとっては暑い」という室温になります。
その暑い室温の中で、介護士は労働をします。介護士にとっては、夏場冬場関係なく「常に汗をかく環境で、体力を使う労働をする」ということになります。

40~50年前の介護現場だったら「介護士自身が途中で水を飲むとは何事だ!」と怒られてしまっていたかもしれませんが、今の時代は違います。

多くの介護現場、入浴介助の場所に介護士自身が水分を持ち込んで、適宜水分補給しながら入浴介助しています。

入浴介助にあたる介護士は、自分自身の健康面も考えて、必ず水分補給しながら入浴介助をするようにしましょう。

入浴介助の介護士はドリンク飲み放題?

私が今働いている介護施設では、入浴介助担当の介護士用にスポーツドリンクをサーバーに入れて提供しています。
というか、入浴介助中に介護士が適宜それを飲んで水分補給して良いことにしています。

費用は、施設負担です。広い意味では介護士の職場環境の改善の一環であり、ミニ福利厚生とも言えます。

なぜ、介護士が飲むスポーツドリンクの費用を施設が負担してまでも、施設軽費にしているか、私が働いている施設の考え方をお伝えします。

例えば介護士自身が水分補給せずに脱水症状を起こして、入浴介助中に体調が悪くなってしまったらどうでしょう?
ご利用者様の安全な入浴サービス(入浴介助)が提供できなくなってしまいます。
(介護士とご利用者様が共倒れという事態にもなりかねません。)

また私の働いている法人内には他に、ユニット型特別養護老人ホームや認知症高齢者グループホームなど“ユニットケア”と呼ばれている施設もあります。
このような“ユニットケア”と呼ばれている介護現場では、介護現場の特性上、入浴場面そのものがご利用者様お1人ずつでの入浴提供で、担当する介護士もご利用者様を浴室にご案内(介護現場では「誘導」などという言葉を使ったりします。)するところから、脱衣、入浴、出浴後の着衣や整容まで介護士1人で担当したりします。

脱衣室や浴室という人目に触れない場面で、介護士はたった1人になるのです。そのときに介護士自身が体調を悪くしたらどうでしょう?
他の介護士が異変に気づくのは当然遅くなり、その間ご利用者様は放置されたまま・・・と考えると恐くなりませんか?(極端な例え話ではありますが。)

スポーツドリンクの提供だけで、入浴介助を担当する介護士の負担が軽くなるとは思っていませんが、法人・施設としては介護士を大切にしているという姿勢が伝わっているのではと思っています。

まとめ

いかがでしたか?
介護士にとって入浴介助は心身とも緊張や疲れもありますが、ご紹介したような、入浴介助担当の介護士に飲み物が提供される職場もあります。
結果的に介護士としてはチョット得して自分の健康を守ることができると思っていただければ幸いです。

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