介護士のお仕事
ケアカンファレンスはどのように行われるのか?
- 2017.11.12 @ 新着
- 介護士のお仕事
介護関係者がよく聞く言葉に、ケアカンファレンスというものがあります。
ケアというのは手入れや管理、そして介護などのお世話という意味があり、カンファレンスとは会議を意味し、特に医療・介護で多く使われる言葉です。
介護職の言うケアカンファレンスとは、その名の通り介護についての会議のことです。
被介護者一人の関係者が情報の共有を図り、より良いサービスを提供するために行うものです。
これが無ければ必要な情報や適切なケアのしかたが共有されず、その人に合った介護をおこなうことは難しいでしょう。
では、この重要なケアカンファレンスは、具体的にどのようなものがあるでしょうか。
また、どのようにして行われているのでしょうか。
「関係者」の幅は広い
ケアカンファレンスは簡単に言うと「被介護者とその関係者の会」ですが、「関係者」とは誰のことでしょうか。
実は関係者の幅は実に広く、本人はもちろんのこと、その家族などや、医療・介護施設やそのスタッフ、福祉、行政など、様々な分野から被介護者をサポートする人々が「関係者」です。
これら全ての人が一堂に会し、一人のための会議を開く…と思うと、あまり現実的ではありませんね。
しかしやらない訳にはいかないはずですが、どのようにして行っているのでしょうか。
狭義ではケアカンファレンス=サービス提供者会議
ケアカンファレンスの代表的なものに、サービス提供者会議というものがあります。
サービス提供者会議というのは、ケアプランを作るために、ケアマネージャーが主催する会議です。
本人とその家族・サービス提供の担当者(介護士や医師看護師)などが集まり、被介護者の状況を踏まえて本人と家族の希望を聞き、各分野の専門知識を活かしてどのようなケアをしていくか相談するもので、これによってケアプランが作成され、実際の介護はケアプランに沿った内容で行われます。
開催時期は、要介護認定を受けた時と、本人の身体や環境の影響などによって生活に変化があったときや、ケアプランの見直しがあったときです。
ケアマネの一人会議になることがある?
施設系の介護職でも「今日は会議がありますから、こちらへお集まりください」と言ったことのある介護士はほとんどいないでしょう。
実は、サービス提供者会議は、実際には開かずにケアマネが自力でケアプランを作り上げることがあります。
介護サービスを利用している方の家族は遠方に住んでいることもあります。仕事が忙しいからサービスを利用していることも多いです。何らかの理由で、家族などの関係者が協力的でないこともあります。
ケアマネ本人も多忙である上に、特に現役世代の家族や医師なども出席する時間を取ることは難しく、現代の社会で「関係者が集まる」ことは難しいことなのです。
「関係者が一堂に会することができないのでケアプランは作りません」と言うわけにはいかないので、何らかの方法でケアマネが各関係者と連絡を取って情報をまとめ、それに沿ってケアプランを作り上げることが多くなっています。
広義でのケアカンファレンス
介護スタッフがちょっとした時間に集まって、特定の利用者や入所者へのケアのしかたを話し合う場も「ケアカンファレンス」の一つです。
ケアプランの範囲でケアのしかたを工夫することや、情報の共有によって、提供するサービスの質を高めるために行います。
その人に合った、より良い介護のための話し合いということです。
介護職のみで行うことが多いですが、看護師などの他職種と、可能であれば被介護者本人にも出席してもらえると良いですね。
グループホームのケアカンファレンス
グループホームは、基本的には地域の認知症要介護者が家庭的な生活を送る場所です。
家族親族などの関係者が近所に住んでいることが多く、医療についても、近所の町医者が定期的に回診し、利用者のこともよく知っています。
そのため、サービス提供者会議など「各関係者が一堂に集まる会議」が比較的行いやすい環境にあります。
利用者の居室というリラックスした空間で、本人と少しの空き時間で集まった家族や医療スタッフ、介護スタッフが集まり、顔なじみ同士の関係者でお饅頭をほおばりながら、和やかなカンファレンスになることもあります。
まとめ
ケアカンファレンスとは各分野の関係者が集まり、状況や状態・専門知識を合わせて、情報の共有・ケアのしかたを相談する会議です。
広義では、介護職数人だけが集まってケアのしかたについて話し合うことも含まれます。
ケアプラン作成のためのサービス提供者会議では、一応「各分野の関係者が集まる」こととしてはいますが、現代の社会の在り方や本人のおかれている状況などから、関係者が集まることが困難な場合があります。
その場合はケアマネージャーが意見・情報を適切に収集し、「会議」という形を取らずにケアプランを作り上げることもあります。
グループホームのケアカンファレンスは関係者が比較的集まりやすく、望ましい形と言えるのではないでしょうか。
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