HOME > すべての記事 > 介護士のお仕事 > 介護ロボットのメリットデメリット

介護士のお仕事

介護ロボットのメリットデメリット

IT化が進むわが国において、介護の現場で介護ロボットが活躍する姿を見ることもあります。介護ロボットとは、ロボットの形をしていて、人間の変わりに何かをしてくれると言うことだけが介護ロボットではありません。

例えば、介護士の介護補助的な役割をするロボットや、利用者に対して心の癒しを与えるロボット、さらには利用者が訓練を行う中で自立に向けて補助を行うロボットなどがあります。このような介護ロボットを使用し、介護の現場では円滑に援助することができるよう、支援していることもあります。
ここでは、介護ロボットのメリットデメリットについて、ご紹介いたします。

介護者の負担を軽減でき、ケガ等を予防できる

腰痛を抱えている介護士は多く、腰痛に苦しみ悩んでいる方は少なくありません。そこで、介護ロボットを使用し、介護者の腰痛緩和に役立つことがあります。

例えば、移乗介護などの際に介護ロボットを利用し、介護者の負担を軽減することにより、介護士の腰痛を緩和することができます。また、入浴介助などの際には、機械を使用することにより、介護者にかかる負担も軽減されます。

介護士が腰痛を抱えている状態で、更に移乗などの介護を行うことで、介護士がケガ等の労災を引き起こしてしまう可能性があります。さらに、介護士が利用者の移乗中に腰痛などを悪化させてしまうことにより、利用者もケガをしてしまう可能性もあり、安全な対応ができないこともあります。このような事態を招かないためにも、介護ロボットを使用し、安心で安全な介護を提供することが、介護ロボットのメリットとなります。

利用者に癒しを提供し介護予防

介護ロボットの中には、利用者とお話しすることができる物など、利用者に癒しを提供することができる物があります。例えば、犬などの動物に類似したものや、お話ができる人形方のものなどがあります。これらは、利用者に対して意欲の増進や、癒しを提供することなり、利用者の日々の生活を活性化させることができます。

また、利用者が介護ロボットを育てていくことにより、ロボットに対して愛情が芽生え、リハビリなどに対し積極的な行動を起こすきっかけともなります。特に、認知症高齢者などで、他者とのコミュニケーションが難しい利用者などの場合には、介護ロボットとのコミュニケーションをとることにより、生きがいなどが出現し認知症の進行を予防することもできます。このように、介護ロボットは利用者に対し癒しを提供し、さらに介護予防に役立つメリットがあります。

利用者の状態観察がおろそかとなることがある

介護ロボットは、介護士不足に伴い、利用する施設が増加しています。そのため、利用者の対応を介護ロボットに委ねてしまい、介護者自体が利用者と関わることがおろそかとなってしまう危険性があります。そのため、本来看なければならない状態観察ができず、利用者の病態が悪化してから気づいてしまうケースもあります。

特に、認知症高齢者など、自ら体調の変化などを訴えることができない利用者に対して、介護ロボットが相手をしてくれているから大丈夫と言った、行き過ぎた解釈をしてしまうと、利用者の状態観察がおろそかとなってしまうデメリットがあります。

介護者の技術力が低下

人が物に動作などを委ねてしまうとき、その人の労力の低下を引き起こす可能性があります。そのため、その物が利用できなくなってしまったときに、介護士としての技術力が低迷し、何もできない介護士が生まれてしまう可能性があります。

特に、介護ロボットは、介護士の補助的な役割であり、本来介護士が行わなければならないことを、介護士の負担を軽減するために利用するものとなります。しかし、介護ロボットがあるからと、介護士が本来行うべきことを行うことができない介護士が育ってしまうことにより、介護士の技術力自体が低下してしまうデメリットがあります。

まとめ

介護ロボットは、介護士の負担を軽減し、よりよく安全で安心な介護を提供するために利用するものとなります。特に、介護士にとって腰痛緩和を行うことは、介護士が継続的に働いていくポイントとなります。そこで、介護ロボットをうまく活用し、介護士にとっても利用者にとっても、安全な場を提供していくことになります。

また、介護士不足であり超高齢化社会のわが国において、利用者が意欲的に介護予防に取り組むために、介護ロボットを活用し、利用者の生きがいを提供することも介護ロボットのメリットとなります。しかし、介護ロボットに介護を委ねすぎてしまうことにより、利用者の状態把握がおろそかになってしまうことや、介護士の技術力自体が低下してしまうこともあります。

そのため、介護ロボットを利用する際には、介護ロボットに委ねすぎず、介護士が本来ある姿を守り利用していくことが、利用者にとっても介護士にとっても安心で安全な介護を行うことができます。

掲載中の転職サイト一覧

介護士のお仕事関連記事