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介護士のお仕事

「上げて下ろす」介護は腰痛原因だけでなく、ご利用者様のケガ原因にも!

介護士の仕事においては、様々な場面で「移乗介助」が発生します(業界用語で“トランス”と言います)。

この移乗介助、ついつい「持ち上げて、移動させて、下ろす」という動作になりがちですが、この動きは介護士の腰痛原因になることはもちろんのこと、ご利用者様にケガを負わせることになりかねないことをご存じでしたか?
今回の記事では、移乗介助のコツに触れてみたいと思います。

様々な場面で発生する移乗介助

介護業界には「3大介助(介護)」という言葉があります。
3大介助(介護)とは、入浴介助、排泄介助、食事介助のことを言います。

このうち、入浴介助と排泄介助には「移乗介助」が付きものの介助といっても過言ではありません。

例えば入浴介助において、車いすに座っているご利用者様を、機械浴専用のいすに座りかえていただくとき、いすを乗り換えていただくための移乗介助が発生します。

排泄においても、車いすに座っているご利用者様がトイレで排泄する場合、便座に座っていただくために移乗介助が発生します。

その他、寝たきりのご利用者様をベッドからストレッチャーに移っていただく際の介助も移乗介助など、移乗介助は、3大介助よりも実は多くの場面で発生する介助内容だということを、介護の仕事をする方は知っておく必要があります。

「上げて下ろす」動きは、介護士の腰痛に直結!

初心者の介護士に多いのは、移乗介助において、ご利用者様を「持ち上げて下ろす」という動きが多いということです。
実はこの動き、腰痛に直結する動きとも言えます。

ご利用者様を持ち上げる時、介護士は腕で持ち上げているようで、実は腰に負荷がかかっています。
ご利用者様を下ろす時も同様です。

回数を重ねるうちに、腰への負荷がたまっていき、腰痛を発症します。

ご利用者様がケガをする恐れあり!

また「上げて下ろす」という動きは、ご利用者様にケガをさせる恐れがあります。

例えば骨粗しょう症のご利用者様が、車いすに下ろされた際に「腰椎圧迫骨折」なる骨折を発症させてしまう恐れがあります。
介護士にとっては、たいした高さから下ろしたわけでもないので「まさか骨折なんて・・・」と思いがちですが、意外と多い事例です。

コツは水平移動(スライド)の動きを意識する

では、どのような動きが介護士の腰痛を防ぎ、ご利用者様のケガを防ぐことにつながるでしょうか?

動きのイメージは持ち上げず「水平移動(スライド)」の動きです。
高さを変えれるベッドなどは、なるべく移乗元と移乗側の高さを合わせて、不用意に持ち上げないことです。

こうすることで、介護士の腰への負担は軽減し、かつご利用者様にもケガを負わせにくい移乗介助の方法となります。

まとめ

いかがでしたか?
「上げて下ろす」移乗介助はなるべく避けることで、介護士の腰にも、ご利用者様にも負担の少ない移乗介助となります。
今回ご紹介した内容が、移乗介助のコツとして参考になれば幸いです。

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