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高齢者の方・ご家族の方向けコラム

親の介護に義務はあるのか。親の介護をしなかった際の責任について

親が介護を必要とするとき、子どもは介護をしなければならないと考え、仕事を辞め介護に専念する人も少なくありません。
また、夫の親だから介護をしなければならない、娘だからやらなければならないという衝動に駆られ、自らの人生を犠牲にせざるを得ない状況になることもあります。
しかし、親の介護に義務は本当にあるのでしょうか。親の介護をしなかった際の責任についてまとめました。

法律で介護義務は定められている

民法によれば、「直系血族および兄弟姉妹は互いに扶養する義務がある」とされ、さらに刑法では「老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者が、これらの者を遺棄し又はその生存に必要な保護をしなかったときは、3ヶ月から5年の懲役を処す」と定められています。
そのため、親の介護に対し介護するという義務はあることになります。しかし、介護を行うための能力、例えば資金や時間等の関係もあり、介護をしたくても出来ない状況の人も少なくありません。
だからと言って、そのまま何もしないわけにはいかないため、まずは法律で定められていると言うことを理解しておくことが、重要となります。

介護者および親の生活が困窮しているケース

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現社会において、介護を強いられる人の収入が低迷化しており、働かなくては生活が成り立たない人も少なくありません。そのため、親の介護のために仕事を辞めてしまうと、親が生きている間は年金で何とか生活ができたとしても、親が亡くなった後生活ができなくなる可能性があります。
また、親の年金も少ない場合には、働かなければならない状況の介護者も少なくありません。そのため、介護者自身の生活が困窮しており、なおかつ親も年金が少なく生活が大変であれば、生活保護を受給し生計を立てていくことも重要となります。
また、介護が必要な高齢者の状態によりますが、24時間介護が必要な状況だったり、同居家族の外出が難しい場合には、生活保護を受給し施設入所または在宅介護をすることも重要です。
しかし、生活保護を受給するに当たり、介護者の収入が合った場合には申請は難しくなるため、高齢者と別の生計を立て生活保護の申請を行うことをお勧めします。

施設への入所

施設に入所することと、介護しないことは違います。
介護ができないから施設に入所してもらい、定期的に面会に行くということは、法律的にも何も問題もなく逆に、自らの生活自体を脅かしてしまうのであれば、施設に入所しケアを遂行していく方が良いということを、理解しておくことが重要です。
「施設に入所させてしまった」と、悔やむ人もいますが、在宅介護をしながら働き、家では高齢者がほとんど一人でいる生活を強いられるのであれば、むしろ施設に入所したほうが、安心で安全な生活を送ることができます。
確かに、住み慣れた家で生活をさせてあげたいと思う気持ちもありますが、果たして一日中刺激のない生活を送ることが高齢者にとって良いことなのか、また施設入所はそこまでのデメリットがあるのかと言うことを、今一度考え検討していくことが重要となります。

まとめ

親の介護には義務があり、法律上でも責任について言われています。
しかし、その義務や責任のために、介護者の生活すべてを犠牲にする必要はありません。介護者ができる範囲での介護を行っていくために、また細く長く介護を継続していくためにも、自治体やプロの力を借り生活をしていくことが重要なことになります。

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