高齢者の方・ご家族の方向けコラム
高次機能障害と認知症の違いや共通点とは
- 2016.05.26 @ 新着
- 高齢者の方・ご家族の方向けコラム
高次機能障害や認知症とは、似ている症状が出現しますが、全く違う病気であり、たどって行く経過も変わってきます。そのため、対応方法や治療も違うことになります。
高次機能障害と認知症の違いや共通点について、ご紹介します。
高次機能障害は改善する可能性がある
高次機能障害は、何らかの病気やけがに伴い脳が外傷を受け、脳の障害を起こすことになります。そのため、その障害に関しての治療を行えば、症状が改善もしくは治る可能性があります。
リハビリや投薬治療などを根気強く行うことで、症状が悪化することも少なく、元の生活に戻れることも少なくありません。
認知症は、経過を遅らせることができるが、治ることはない
認知症は、徐々に進行していくため認知症を発症した場合治る事はありません。
今は様々な薬が開発されており、またリハビリなどの研究もされ、認知症を遅らせることはできます。
しかし、あくまでも遅らせるのであって、治癒すると言うことはないのが現状です。
そのため、認知症を発症した場合には、これから先進行していく認知症と向き合って生きていかなければならないのです。
高次機能障害と認知症の共通点
高次機能障害も、認知症も脳の障害により発症するものになります。
そのため、損傷した場所によっては、高次機能障害でも認知症に似た症状が出現することがあります。
例えば、失語や記憶障害などが、高次機能障害と認知症の共通点となります。話そうと思っても、声の出し方がわからなくなり、うまく話すことができなくなってしまう高次機能障害は、認知症で言葉が出ない状況に似ています。
しかし、高次機能障害の場合は、話したい言葉は心の中にあるのに上手く言葉として出せないと言うことが特徴的です。そのため、アプローチやリハビリの方法によっては、言葉として表現することができます。
また、「今」という新しいことの記憶を覚えておくことが難しく、過去のことは覚えていると言う記憶障害も、高次脳障害と認知症の似ている症状となります。
「今」を覚えると言うことは、高次機能障害の場合改善していくことが難しく、認知症の症状とよく似ているため高次機能障害からきているのか、認知症が発症したのか見極めることは難しくなります。
まとめ
高次機能障害は、外的障害に伴い発症し改善する可能性がある障害であり、認知症は、脳の老化に伴い発症した病気であり改善する可能性が極めて低いと言うことが、両者の違いとなります。そのため、介護者のリハビリやアプローチで日に日に改善していく可能性がある高次機能障害と、徐々に進行していくことを少しでも抑えていく必要がある認知症という分類になります。
両者共に似たような症状もあり区別がつきにくいですが、どのような経緯で現状の症状が出ているのかと言うことを理解し、アプローチしていくことが重要となります。
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