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高齢者の方・ご家族の方向けコラム

介護度が重たくても悲観しない!介護度が重い方のメリットについて

“介護保険制度における介護サービスを利用する場合、どのサービスを利用するにしても要介護認定を受けていることが基本になります。ご本人様の突然の病気などがきっかけで要介護認定を申請した場合、初回の介護認定でいきなり要介護4や要介護5といった重度の介護度が出る場合も少なくありません。

介護度が重たいと、ご家族様の中にはショックを感じる方もいらっしゃるかと思いますが、悲観する必要はありません。むしろ介護度が高い方が、介護サービスを受けるうえでは有利な場合もあります。今回の記事では、介護認定で要介護4や要介護5といった重い介護度の認定を受けた場合のメリットを中心に触れてみたいと思います。

介護度が軽いと、利用できる介護サービスは減少傾向

本題に入る前に、介護保険制度の開始時期から今日に至るまでの、介護度と利用できる介護サービスの関係、その概要に触れておきます。

介護保険法、介護保険制度、またそれにともなう介護保険サービスがスタートしたのは2000年(平成12年)です。今に比べると、介護サービスの種別は少なかったものの、当時は要支援のように介護度が軽い方も、介護サービスの利用に著しい制限がなく、それなりの介護サービスを利用することができていました。

しかし、介護保険制度スタートから15年以上経過し、3年ごとに法改正を繰り返しながら進んできた今日の介護保険法においては、簡単に言えば介護度の軽い方は利用できるサービスが狭められたと言えます。介護保険という社会保険を支える財源が足りなくなってきており、国としては介護保険の財源を少しでも圧縮したいという考え方があります。

反対に言えば、介護度が重たい方は介護保険法に定められている多くの介護保険サービスが利用できると理解することもできるのです。

介護度が重たい方が利用できる介護サービスが増える

介護度が軽い方は、利用できる介護サービスにも制限がありますが、1か月あたり利用できるサービスの量も狭められています。

介護保険は医療保険と似ている点があり、利用するサービスと介護度ごとに単位が設定されています(病院受診したときの明細に記載されている点数のようなもの)。どの介護度で、何の介護サービスを利用するかによって単位数が決められ、特に在宅で介護を受けている方は1か月あたりの限度単位数が定められています。

それぞれの介護サービスは、1回分だけ見ると介護度の重たい要介護5の方がサービスを受けた場合にいちばん高い費用(介護保険の自己負担分と言われているものです)になっています。しかし、介護度が重たい方は1か月に利用できる限度単位数も多いので、総合的に考えると介護度が重たい方の方が、利用できる介護サービスは多く、1か月あたりに利用できるサービスの量も多めに設定できると言えるのです。

なお、1か月あたりの限度単位数を超えても介護サービスは利用できますが、単位数を超えた分は10割負担(全額自費)となるので、一気に多額の費用が必要になります。これは病院で例えると、保険証を持たずに病院受診して全額支払いするというイメージに似ています。

1か月あたりの限度単位数を超えても介護サービスは利用できますが、やはり基本は限度単位数内でサービスを受ける(ケアマネ―ジャーに単位数内でサービスを組んでもらう)と考えた方がよいでしょう。

特養への入所は原則要介護3以上などの決まりがある

介護度が軽いと利用できないサービスを象徴するのが、2015年度法改正によって定められた「特別養護老人ホームへの入所は原則要介護3以上」という決まりです。厳密に言えば要介護1や要介護2の方でも入所できるのですが、特例扱いとなり特例要件にあてはまることが必要になってきます。

介護用ベッドを借りることができるのは要介護2以上

在宅で介護を受ける方、また介護をするご家族様にとって大切な介護用ベッドを借りることができるのは原則要介護2以上となっています。

介護用ベッドや車いすなどの福祉用具は、介護保険を利用するのであれば購入よりも貸与(レンタル)がお得です。ご本人様の状態に応じて、変えていくことができますし、ご本人様がご自宅からいらっしゃらなくなった場合に業者に返すことが可能という点でも便利です。購入してしまうと費用が高いだけでなく、必要なくなったときの処分に困ることになります。

このように介護用ベッドなど、あると便利な福祉用具も、介護度が軽い方には利用制限があるというのが実情です。

まとめ

初回の介護認定でいきなり要介護4や要介護5のような重たい介護度で認定されると、ご家族様としてはショックを覚えるかもしれませんが、介護保険制度においては介護度が重たい方が介護サービスを利用するうえでは有利です。

今回ご紹介した内容が、重度の要介護者をもつご家族様の、気持ちの負担軽減になれば幸いです。

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