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高齢者の方・ご家族の方向けコラム

高齢者の虐待、命の危機がある身体的虐待について

高齢者への虐待行為は、様々なところで話題となっており、知らない人はいないのではないでしょうか。また、高齢者の虐待の中でも、言葉による虐待だけではなく、身体的虐待も引き起こっている現状があります。

そこで、高齢者の虐待、命の危機がある身体的虐待について、ご紹介いたします。

身体拘束も虐待です

現在、病院や施設において身体拘束を行うことについて、家族の同意が必要となり、身体拘束した日時などを記載しなければならない法律となっていますが、現実として身体拘束を行っている病院や施設は少なくありません

しかし、身体拘束は高齢者の意と反することであり、さらに身体拘束することで身動きをとることができないということからも、身体的虐待と言えます。看護、介護を行う中で、高齢者が動くことや拒否をすることは、ケアをスムーズに遂行できないことになりますが、しかし、高齢者を身体拘束するということは、高齢者の動きを妨げ動けない身体を作ることになる危険性があります。

その結果として、寝たきり高齢者を生み出してしまう可能性が高いことになります。

抵抗できない高齢者へ殴る蹴る

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高齢と共に、身体機能は衰え自分の思い通りに動くことができなくなります。
また、介護もより一層必要となり、介護者への負担も増していくことになります。
さらに、身体機能が衰えた高齢者は、排泄を自分でできなくなったり、食事をこぼしてしまったり介護者のストレスをためてしまう行為をしてしまいます。

高齢者が、意図的に行っているわけではないのですが、介護者にとってはストレスとなり高齢者に対し、殴る蹴るなどの暴力をしてしまうことがあります。この時、高齢者は抵抗する身体機能もなく、されるがままでいることが多く、身体にあざができていることも少なくありません。

また、高齢者は骨密度が低く、骨折しやすい状況であるため、軽い暴力だとしても骨折し寝たきりになることや、骨が内臓に刺さり命を落とす危険性もあります。

薬の過剰投与

認知症高齢者は、初期から中期の介護が一番大変な時期で、昼夜問わず徘徊や暴言暴力などを引き起こすことが多いです。そのため、精神科へ受診し認知症の診断を受け、内服治療を開始することがあります。

内服薬の中には、漢方だけではなく夜の睡眠を確保するための安定剤や睡眠薬などもあります。その睡眠薬を過剰に投与し、高齢者を動けないようにすることがあります。

しかし、動ける高齢者を薬の作用によって動けなくすると言うことは、身体的虐待でありさらに、薬の副作用に伴い食事を摂取できなくなる可能性もあります。そのため、薬の過剰投与はそのまま寝たきりとなり、命を落とす危険性があります。

まとめ

現在、老老介護が増えさらに少子高齢化社会であることから、介護者の減少により介護者の負担が増えています。そのため、介護者自身が精神不安定となり、介護を実施しているのが現状となります。

その結果、心のゆとりがないことにより、高齢者への身体的虐待が起こってしまうことがあります。また、身体的虐待に伴い、命を落としてしまう高齢者も増加しているため、介護者をサポートするシステムが重要となります。

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