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高齢者の方・ご家族の方向けコラム

「入所申込書を書くことが心配」な場合は、施設のイベント見学をする

介護施設見学の際、ご家族様の心配事の1つに「見学からそのまま勧誘されて、入所申込みをさせられるのでは・・・」というものがあるのではないでしょうか?「他にも見学したい施設があったのに・・・」と思いながらも、見学時の対応職員の雰囲気や、話の流れの中で「ついつい入所申込書を書いてしまった」という事例もあります。

今回の記事では、後悔しない施設選びの1つの方法として、施設見学時で勧誘されるのが心配なご家族様は「施設のイベントに参加して、雰囲気を感じてみる」ことのメリットについて触れてみたいと思います。

企業風土によって、何としても入所させないといけない場合がある。

施設のイベントとは関係のない話をあえて先に述べておきます。
それは介護保険事業の仕組みをご家族様には知っておいてもらった方がよいと思うからです。

介護保険事業は、運営法人や施設から見れば「利用していただいた分が収入となる」制度であり、言い方を変えれば「お客様が店でサービスを利用してもらえなければ、収入にならない制度」とも言えます。

入所施設で言うならば「入所していただかないと、施設(運営法人)に収入は入ってこない」ということになります。

介護保険制度前の介護・福祉の事業は、主として社会福祉法人や医療法人が担ってきました。
しかし介護保険制度施行後は、株式会社や有限会社などが介護保険事業に参入できるようになりました。
裏返せば企業として利益を上げないと(利益の幅はともかくとして)経営が成り立たない介護施設が増えたことを意味します。

それ故に施設を経営する企業風土によっては「利益追求型の施設も存在する」とも言えます。

介護施設見学程度で、入所を担当する生活相談員が、あまりにも強引な入所手続きをするとは考えにくいですが、企業の体質的に経営層から利益重視を求められている場合は、ご家族様の施設見学から「早く申し込まないと部屋がうまってしまうので・・・」などと理由をつけられて、申込書記入までもっていかれてしまう可能性も否定できません。

イベント参加で、その施設の雰囲気を見る方法

介護施設の見学の際「入所に勧誘されるのでは」「強引に勧められると断れない性格」と心配されているご家族様には、別の方法で介護施設を見る(見学)する方法があります。

それは「施設のイベント(行事)に出かけてみる」という方法です。

介護施設におけるイベント(行事)の規模によっては、その情報が地域の広報誌に掲載されたり、回覧板等で情報が周知されたりします。
「あの施設、前からいいなーと思っていた」施設のイベント(行事)があったら、まさに1人のお客さんとして雰囲気を見にいけば良いのです。

施設側もイベントに来てくれたお客様程度の意識しかしないでしょうし、施設職員から「どのようにこの施設のイベントをお知りになりましたか?」等聞かれても
「地域の広報誌で見た」とか「近くを通りかかったから寄ってみた」程度に返答しておけば無難でしょう。

イベント内容や規模よりも、職員の雰囲気を観察する

施設のイベントに出かけて、施設の雰囲気を見たい場合は、イベントの内容や規模ではなく、職員の態度や雰囲気を観察することが大切です。

施設のイベント(行事)は、内容や規模は施設によってもまちまちです。運営する法人や施設の考え方(イベントにかける予算額)によっても変わってきます。

ご家族様にお伝えしておきたいのは「イベントの規模や内容は、運営法人や施設が考えている費用によって変わってくる」ので「イベントの内容の良し悪しで、介護施設の良し悪しを判断しない」ということです。

イベントの内容よりも、職員の雰囲気を観察することで、その介護施設の普段の雰囲気もなんとなくわかります。
例えばイベント対応している職員のほとんどが笑顔で円滑なコミュニケーションが取れていれば、その介護施設は仮にイベント規模が小さくても、普段のご利用者様への対応は安心できそうな気がします。

反対に、イベントに対応している職員間の雰囲気、例えば職員どうしの言葉づかいがギスギスしていたり、笑顔で会話していない雰囲気がある施設は、職員間の連携やコミュニケーションがうまくとれていない可能性があります。
そのような介護施設は、イベント内容が良くても、入所については慎重に検討された方がよいと思われます。

既存のご利用者様に対する、職員の関わり方を見るチャンスでもある。

介護施設のイベントには、その施設のご利用者様が一緒に参加している場合も多々あります。
その施設のご利用者様に対して、介護士や看護師などの直接処遇職員がどのような関わりをしているのかを確認する良い機会になります。

「イベントだから体裁をつくろっているのでは」と思われるご家族様もいるかもしれませんが、結構普段の関わり方があらわれるものです。
イベント時の朝礼等では上司より「あいさつはきちんと」とか「笑顔で」とか指示が出たとしても、いざというときの関わり方、ご利用者様への接し方は普段の様子がでます。

ご家族様には、ぜひイベント時の、既存のご利用者様に対する直接処遇職員の関わり方を観察して、介護施設選びの参考にしていただくことをおすすめします。

まとめ

高齢化社会が進む中、介護施設も実に多くなりました。介護施設そのものが過当競争で、ご利用者様を1人でも多く獲得したい、そのためには見学時に入所申込みまで取りつけたいと思うのが運営側の実情とも言えます。
勧誘されることに抵抗があるご家族様は、施設のイベントの1人のお客として施設を見学に行けば、気軽にその施設の様子を見ることができます。

今回ご紹介した内容が、ご家族様の立場からの施設選びの参考になれば幸いです。

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