介護士コラム~体験談~
ご利用者様との思い出2。「顔で選ぶな心で選べ」の人とのお付き合い講座
- 2016.08.23 @ 新着
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この思い出は私が30代だった頃、デイサービスセンター(日中のみの介護)で働いていた時期だったと思います。
女性で当時80代半ばのC様は、腰と膝に痛みはかかえていながらも頭はしっかりしており、当時は要介護2だったような覚えがあります。
女性で80代半ばのC様は、孫育て苦労人だった
デイサービスセンターの利用は週2回ペース、主な利用目的は“自宅の浴室では入浴ができなくなったための入浴目的”だったと思います。
頭がしっかりされているC様とは、利用回数が増えていくごとにいろいろな話をすることができました。
ものすごくお話好きというわけではありませんでしたが、他のご利用者様や私達職員のことを客観的に見てくださるようなところがあり、良い意味で真剣な話ができる方でした。
C様との関係性がある程度できてきてからC様ご本人から聞いたのですが、50代の頃に孫を育てることになり(C様から見ての別世帯の嫁が体調を崩し育児ができなくなってしまったとのこと)その孫育てにずいぶんと苦労されたようでした。
母親が育児できないことを認めている義母にも厳し見方があった時代
C様が孫育てに苦労されたのは、嫁の体調不良が突然の出来事であったということもありましたが、時代背景的には“家族とはこうあるべきだ”“女は家を守り、家事や育児をする”という見方が多かった時代に「母親が存在するのに、なぜ祖母(C様)が孫の育児をしなければいけないのか」というある意味周りから批判の目で見られていたこともあったようです。
でもいろいろなご苦労をされた分、当時80代半ばとなって他のご利用者様や職員を客観的に見てくださるような一歩引いた目線で見れるというC様になられたような気がします。
「顔で選ぶな、心で選べ」の人生の教え
そのC様から声かけていただいた数々の言葉の中で、今でも鮮明に大切にしている言葉があります。それは「顔で選ぶな、心で選べ」という言葉でした。
デイサービスセンターだったので、送迎も大切な業務の1つだったのですが、送迎車両の順番がC様が最後で、車内がC様と2人きりになるとだいたい「いいかい?人は見た目で選んだら失敗するよ。顔で選ぶな、心で選べ。」と何度も言われていました。
それは当時まだ独身だた私に結婚相手選びのアドバイスだったのです。
30代になり結婚をどこかであせっていたからでしょうね。
C様は「顔で選ぶな、心で選べ」と言った後に時々付け加えられる言葉があるのですが、それはC様がご自分の指でご自分の顔を指して「若いときにいくら顔で選んでも、80才にもなればみんなシワクチャのばあさんだよ!アッハッハ・・・」とこの言葉で締めくくられるのでした。
そしてその後私は結婚することができたのでした。
そんな私のパートナーの容姿は・・・?(ご想像におまかせしますが、C様の「顔で選ぶな、心で選べ」が教訓になったのは確かです。)
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