１２月の介護施設は楽しい！「グループホームのおでんパーティー」

介護施設の１２月は「行事・企画が盛りだくさん」というところも多いと思います。
寒くなる時期なので、ご利用者様の体調にもより一層気を配る必要はありますが
「楽しく笑えば免疫力がアップして、健康にも良い」という説もあるので、１２月はいろんな理由をつけて、行事・企画を立ててご利用者様と一緒に楽しむ・・・これも介護士の仕事の魅力と言えます。

今回の記事は、１２月の介護施設の楽しい企画・行事の例として「グループホームでおでんパーティー」という体験談をご紹介します。

グループホームだからこそできるアットホーム感

以前、働いていた認知症高齢者グループホーム（以下、グループホームと記します）で、１２月下旬に「おでんパーティー」の行事企画をして実施したことがありました。

グループホームは、１ユニット（１つの生活空間）に対してご利用者様は最大９名というアットホーム感が魅力の職場です（魅力ある介護保険事業と言っても良いです）。

世間に実際に存在するグループホームは、２ユニット（定員１８名）や、中には３ユニット（定員２７名）というグループホームも存在します。
ただしユニット数×ご利用者様９名なので、１ユニット最大９名というご利用者様の人数構成はかわりません。

１ユニット９名＋介護士（時間帯によって１～３名程度で構成されていると思います）という人数なので、大きめの土鍋などでおでんなど作ると、まさしく「家庭の延長」のような雰囲気になります。
もしくは４～５名用の大きさの土鍋を２つ用意するのも良いです。

大きな食堂に集まって食べるのとは違う「鍋をつつける距離感」が魅力です。
これはグループホームという少人数な事業所規模だからこそできる事とも言えます。

計画は「買い物から始まる」

今はグループホームのあり方も多様化し、重度のご利用者様にも積極的にご入居していただくグループホームも増えてきました。

しかし、グループホームのご利用者様は「認知症がありながらも、ＡＤＬ（日常生活動作）は概ね自立している方」が多くいらっしゃいます。

そして「家庭の延長」とも言われるグループホームだからこそ、３食の食材はご利用者様と介護士が一緒に買い物に出かける（全員のご利用者様ではないにしても）グループホームも多いのではないでしょうか。

話は、実体験としてのおでんパーティーに戻りますが、私が働いていたグループホームの「おでんパーティー」は、ご利用者様と介護士で「何を買っておでんに入れましょうか？」という話し合いからスタートしました。

この「何を買ってくるか」という話し合いそのものがまずは楽しいのですが、ご利用者様に働きかけると、認知症がありながらも「○○を入れる」「私の家では○○を入れていた」などと、連想ゲームや過去を思い出すきっかけにもなるので、「何を買ってくるか」を話し合うこと自体が、認知症のご利用者様にとって、脳に対する良い刺激になっていたと思っています。

買い物に出かけることで感じる「年の瀬」

事前に何を買ってくるか、ご利用者様と介護士で相談してから買い物に行くのですが、単なるおでんの具材を買うというだけではなく、ご利用者様にとっては良い刺激を受ける機会になります。

それはスーパーなどに行くと、しめ縄などのお正月飾りも売っているので「もうすぐお正月なのね」とご利用者様に季節感を感じていただく良い機会にもなるのです。

これもまた生活上の良い刺激になるのです。

何日間か続けても新鮮な感覚

一般家庭においても、おでんを作ると例えばだいこんやこんにゃくなどは、初日より２日めの方が味がしみていて美味しかったりすると思います。

グループホームにおいてもそれは同じなのですが、味がしみて具が美味しくなるという以外に、２日め以降もおでんを続けても、グループホームならではの新鮮な感覚があるのです。

それは、ご利用者様が認知症であるが故に、前日おでんだった事は覚えていらっしゃらない方も多く何日間か連続しても「今日はおでんなのね～、久しぶりだわ～」とご利用者様がおっしゃる点です。
ご利用者様にとって「今日は久しぶりのおでん」だったかのように、新鮮な感覚になっていらっしゃる様子でした。
（介護士も早番、日勤、遅番、夜勤とシフトで勤務するので、介護士は毎日おでんを一緒に食べることもあまりなく、介護士も新鮮に美味しく味わうことができました。）

日によってはノンアルコールビールを買ってきて、ご利用者様と介護士で乾杯すると、まさしくおでんパーティーとして盛り上がりました。

まとめ

いかがでしたか？
１２月の介護施設の楽しい企画・行事の例として「グループホームでおでんパーティー」を、実体験としてご紹介しました。

ご紹介した内容が、現任の介護士の方の行事企画立案のヒントになれば幸いですし、介護の仕事に興味・関心を持っている方が「介護って楽しい！」と思っていただく材料の１つになれば幸いです。