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介護士コラム~体験談~

12月の介護施設はいつも以上に楽しい!「食べない餅つき」

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介護施設の12月は「行事・企画が盛りだくさん」というところも多いと思います。
寒くなる時期なので、ご利用者様の体調にもより一層気を配る必要はありますが
「楽しく笑えば免疫力がアップして、健康にも良い」という説もあるので、12月はいろんな理由をつけて、行事・企画を立ててご利用者様と一緒に楽しむ・・・これも介護士の仕事の魅力と言えます。

今回の記事は、12月の介護施設の楽しい企画・行事の例として「食べない餅つき」という体験談をご紹介します。

食べるのが危険な2つの理由

餅つきの体験談ではあるのですが、餅を食べる危険についての予備知識を先にお伝えしておきます。

現任の介護士であれば当然のことという認識は持っているでしょう。
これから介護の仕事を始める未経験の方は、基本的な知識として餅を食べる危険性をご紹介しておきます。

「ご利用者様が餅を食べる」ということに対する危険は大きく2つの理由があります。

1つは「誤嚥、窒息の危険」です。
これは仕事として介護をしてない方でも、想像がつくことだと思います。
世間一般のニュースにおいても、毎年の年末年始で必ずといっていいほど「○○才の高齢者が、餅を喉に詰まらせて死亡」というニュースを見かけると思います。

要介護状態のご利用者様でなくても「高齢者が餅を食べる」ということは、喉に詰まらせてしまえば生命の危機に至るという点を、特に介護の仕事の未経験者は認識する必要があります。

餅を食べることに対する2つめの危険性は「ノロウィルスに感染する危険」です。
(これは、高齢のご利用者様に限らず、普通の成人でも気をつけなければいけない事柄です。)

今や日本の伝統行事とも言える「うすときねを使った餅つき」は、人の手を介して餅米をさわったり、つき終わった餅を、素手で適度な大きさに分けていく作業があります。
そのときに、ノロウィルスが人の手を介して伝染していく可能性があるのです。

ノロウィルスに感染すると、激しい嘔吐や下痢が症状として表れます。
ノロウィルスは感染力が強いので、一般成人でも感染し発症すると、激しい嘔吐や下痢で苦しみます。

これが要介護状態の高齢のご利用者様だったとしたら、激しい嘔吐や下痢から、脱水症状に結びついたり、しばらく口から食べ物が食べれないと、あっという間に状態が低下し、脱水や状態低下にともなう生命の危機に至る可能性があります。

人の手を介していく餅つきには「ノロウィルスに感染する」危険性を、介護士としては認識しておく必要があります。

つくのは楽しい

ご利用者様が餅を食べるのは生命の危機に至る場合を想定しないといけませんが、反対に「食べなくてもいいなら大丈夫?」と思いませんか?

今の時代、餅は自分でつかなくても、スーパーで切り餅が売っています。
お供え用の鏡餅も、プラスチック系素材で作ってあり、その中に切り餅が入って売っています。

古き良き日本伝統の季節行事である「うすときねを使った餅つき」を、ナマで見る機会はこの20~30年の間に極端に減ってしまったように感じます。

だからこそ「うすときねを使った餅つき」は、ご利用者様にとって年越しという季節を感じていただける良い企画ではあるのです。

鏡餅を作ろう

ここからが実体験としての話です。

私が働いている入所型の施設では「食べない餅つき」を毎年行事として企画、実施しています。
餅は食べませんが「お供え用の鏡餅を作る」のです。

「うすときねで餅をつく」という作業は変わりませんが、大正生まれや昭和前半生まれのご利用者様にとっては、なつかしさと季節感でなんだか盛り上がります。

特に男性ご利用者様は「餅をつく」側で、大活躍されるご利用様がいらっしゃいました。

また見物している他のご利用者様や職員からも「ヨイッショー」とかけ声があるので、良い意味で余計に盛り上がっていたことを思い出します。

運動機能向上と社会的役割の確保

つき終わった餅で、お供えの鏡餅を作り、年越し→正月過ぎの2週間程度は飾っておくのですが、積極的に餅をついていた男性ご利用者様が「あの餅はオレがついたんだ」と誇らしげにお話されるのです。

「自分のついた餅がそこにお供えとして飾られている」という誇り、また要介護状態でも「社会に貢献した」と思っていらっしゃるようにも見えました。
(高齢者施設で本物の餅をご利用者様が食べることはほとんど無いと思いますが)「食べれば、形は無くなってしまう」餅ですが「飾っておけば、形として残る」ので、ご利用者様もそのお供え用の鏡餅を見るたびに、良い意味で自慢したくなるのだろうなーと感じました。

「形として残る」→「見て、自分の役割として実行したことを思い出す」ということは、 ご利用者様にとって良い刺激になり、とても大切だと思いました。

まとめ

いかがでしたか?12月の介護施設の楽しい企画・行事の例として「食べない餅つき」を、実体験としてご紹介しました。

ご紹介した内容が、現任の介護士の方の行事企画立案のヒントになれば幸いですし、介護の仕事に興味・関心を持っている方が「介護って楽しい!」と思っていただく材料の1つになれば幸いです。

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