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介護士コラム~体験談~

認知症で気難しいE様・・・ある散歩の日、目は野球少年になっていた

介護士の仕事において、認知症のご利用者様との関わりは避けては通れないものですよね。でも、そんな認知症のご利用者様から新たな発見ができると、介護士としては嬉しく時にそのご利用者様に介護士側が癒される(?)こともあったりします。

今回の記事では、介護士としての私の体験談の1つ、気難しいご利用者様の新鮮な一面を見させていただいたエピソードをご紹介します。

認知症で気難しいE様との出会い

以前、私が介護士として働いていた入所施設にE様という男性のご利用者様が入所してきました。近況として、認知症の症状が進行し、ご家族様の介護負担が大きくなったことが入所の理由でした。

このE様、認知症を発症する前は趣味が高じて、三味線の師匠もできるくらいの腕前だったと事前情報で聞きました。
入所の際、三味線も持ち込んだ程です。
(ご家族様がE様のために持たせたと言ってもいいかもしれません)

しかしE様の認知症の進行は、すでに三味線には興味も示さないような状況でした。
三味線ではなくても、和風の音楽系の趣味活動にお誘いするのですが、「子どもみたいなことやらせやがって!」と気難しい面がありました。

偶然、E様と散歩に外へ出て新たな一面を発見

野球
介護士の中には「正直、認知症で気難しいご利用者様との関わりは避けたい」と思う方もいるのではないでしょうか?私も実は経験の浅い頃「あのご利用者様ってすぐ怒るし苦手だなー」と思うことがありました。

とはいっても介護士である以上、どのようなご利用者様とも関わるのが仕事です。
先程から登場している“気難しいE様”の気分転換として、施設外の散歩にお誘いしてみよう・・・という案が介護士チームの話し合いにて出てきました。

ある日、私がE様と施設外へ散歩に出かけたときのことです。
施設近くの公園にはグラウンドがあり、たまたま少年野球が行われていました。E様、しばらく立ち止まり、その少年野球を見ていました。介護士である私はE様の側にいました。

ちなみにE様の入所前事前情報にはスポーツ系の趣味の話はありませんでした。
しかし、気難しいイメージのE様が穏やかな遠い目をして私に話をしてくれたのです。

「なつかしいなー。オレ、若い頃、野球やっていたんだよ」
穏やかにそう話すE様、その話を傾聴する介護士の私。

事前情報にはありませんでしたが、E様は活き活きと野球の話をされました。
介護士である私にとって驚きだったのは「気難しいE様が実に活き活きと話をされている」ことでした。でも新たなE様の一面を発見できたことは、とても有意義でした。

当然ながら介護士チームで情報共有し、E様は野球の話をするときは気難しさがなくなるという事を関わりの中で大切にすることができたのです。

まとめ

いかがでしたか?ご利用者様の事前情報に無いことも、意外なところで新たな発見ができるかもしれません
介護士として気難しいご利用者様と関わる際の参考になれば幸いです。

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