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介護士コラム~体験談~

看取り介護のはずが元気に?ご家族様と介護士の熱意が伝わった?体験談

最近の介護施設において、看取り介護をする施設も増えてきたように思います。
看取り介護は、本来人生の最期に向かっていくご利用者様をお看取りすることを言います。
しかし、今回ご紹介する内容は私の実体験と、お医者様から実際に頂いたご家族様向けの言葉をご紹介します。

経口摂取難しい状況で、ご家族様は介護施設を選んだ

私が介護士として働いていた入所型の施設にY様という寝たきり全介助の男性ご利用者様がいらっしゃいました。
そのY様、誤嚥性肺炎で入院、肺炎は落ち着いたものの、入院先の担当医の先生からご家族様と職員に向けた説明は厳しい内容でした。

(担当医の先生)「口から食べることは難しい。目が覚めているときにむせない程度の量しか食べさせてはいけない」
「胃ろうを造って胃に栄養を流す方法や、カロリーや栄養分の高い点滴を投与し続けて長生きするという選択肢もある。」

ご家族様は数日間悩まれましたが「身体に穴を開けたり、点滴を投与し続ける方法は望まない」「自然にまかせて食べれるときに食べれるだけで、結果最期を迎えてもかまわない」という答えを出し施設に戻る決断をされました。

生活施設でできる介護士としてのプライド

いわゆる看取り介護の状態です。
そしてご家族様の決断は、介護士の決断でもあるのです。

施設に戻ってから、ご家族様は毎日のように面会に来られるようになりました。

私達介護士チームは「病院のようなことはできないけど、食事の15分前からお声かけし、口腔内を氷でマッサージするなどできるだけ目覚めた状態で食事介助に臨む」というような目標で、少しでもご家族様の毎日の熱心な面会に応えようと努力しました。

医師より「看取りではなくなった」+ご家族様へ向けての言葉とは・・・

退院時には口から食べることは難しいと言われたY様でしたが、気がつけば、毎食半量程度は摂取できている状況(寝たきりなので摂取カロリーは少なめでも大丈夫という状況もありました)。
体重は退院後1か月で1キロ増えていました。

そしてお医者様の言葉として「これだけ食べれている。血圧や脈も安定しており看取りとは言えない」という、介護士チームとしては経口摂取に努力した結果であると何とも嬉しい気持ちになりました。

それとお医者様がご家族様向けにおっしゃった言葉がとても印象に残っています。

(お医者様)「食べるのが難しいと言われていましたが、これだけ食べれるようになったのはご家族様が毎日面会に来られ、ご本人の反応がなくても声かけをされていたからだと思います。ご家族様の熱意がご本人に伝わったのではないかと思いますよ。」

ご家族様にとっても嬉しい言葉を頂くことができたのです。

まとめ

いかがでしたか?
看取り介護が看取りでない状態となったという例は稀かもしれません。
でもそのような体験談をご紹介させていただくことで、介護の仕事に携わる方の励みになれば幸いです。

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