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介護士コラム~体験談~

看取り介護は経験した方が絶対良い!いつかおとずれる最期の瞬間のために!

看取り介護と聞いて、介護福祉士をこれから目指す皆さんはどのようなイメージを持たれるでしょうか。

最初は不安と恐怖感先行

○十年前の私は「看取り介護=死の場面への遭遇=こわい」といったイメージを持っていました。
実際に初めて看取り介護に関わったとき、知識不足や経験不足からくる不安とこわさ、自分の夜勤中に呼吸が停止していたらどうしようという不安でいっぱいだったのを思い出します。

その時同じ部署だった先輩介護福祉士からは「そんなにこわがらなくて大丈夫だよ。
介護職として排泄や入浴や食事を介助して差し上げて、いつか来る最期の日にこのご利用者様にできるだけキレイな状態でいてもらおう」とアドバイスをもらいました。

最期に向かう中で関わる思い

水分
でもでも初めての看取り介護、関わる中で少しずつ食事を食べることはもちろん水分さえ取ることができなくなっていくご利用者様に対して泣きたい気持ちを必死にこらえて、ご利用者様の前では笑顔でいなければと自分に言い聞かせてえ介護した覚えがあります。

初めての看取りの瞬間

そんな中、最期の瞬間がやってきました。
時間は昼の12:00前、昼食時間に入る直前。(先に述べますが、今思えば日勤帯で先輩介護福祉士や看護師がいる時間帯で良かったなと思いました。もしこれが夜勤帯で当時の知識も経験も不足していた私だったら、あわてるだけでどうにもできなかったんじゃないかって思っています。)

そのご利用者様の呼吸は完全にいつもと違い(先輩介護福祉士にこういうのを努力呼吸っていうんだよと教えてもらいました)、声をかけても返事は返ってこない状況、それでもせめて水分だけは介助を試みるかどうかを日勤帯だったので、複数いる介護職で話しあいました。

水分だけは介助を試みてみようということになり、そのご利用者様の居室に先輩と2人で(その後、私が1人で介助する予定で)入り、水分摂取の介助の準備をしていたその最中、大きく息をしたなーと思ったら、その後動きが無い?えっ?息とまっちゃったの??先輩介護福祉士、とっさに「すぐナース(看護師)を呼びなさい」と私に指示。

これが私の初めて経験した看取り介護の最期の場面、正直もっともっと構えていました。高齢者だからテレビのドラマのような最期に何かもの申して首がうなだれるようなお亡くなり方はしないだろうなーとは思っていても、もっといかにも最期っていう雰囲気と瞬間になるのかなーと思っていたら、思いの他、私にとっては日常の仕事の最中に起きたあっけない瞬間ではありました。

天に旅立たれるときのご利用者様の体温

看護師がやってきて、その後何時間も経たないうちにお医者さんがやってきて、気がつけばご家族もいらっしゃって、居室でお医者さんによる死亡確認がされました。

呼吸が止まったときのご利用者様の身体はまだ温かかったのに、お医者さんが死亡確認をされたときのご利用者様に触れると明らかに生きている人間の体温でない温度を感じ、これが人間が冷たくなるってことなんだとまさに肌で感じた瞬間でもありました。

だからこそ、最期の瞬間にかける思い

最期の瞬間が思いの他あっけなかった初めての看取り介護。
でも、だからこそ、いつ訪れるかわからない最期の瞬間に悔いを残さない関わりを介護福祉士としてしていきたいと純粋に思った看取り介護でもありました。

今でもその出来事があるから、看取り介護のご利用者様にはできる限りの関わりをしたい、介護者としての私ができることを精一杯やりたいという気持ちで関わっています。

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