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介護士コラム~体験談~

介護福祉士実話「70歳介護福祉士の復帰」が現場で重宝される理由

介護士の仕事は「若くて体力がある年代の人の仕事」と思われがちですが、意外とそうでもありません。
ベテラン層には経験に基づく技術や知識を駆使して、若い介護士以上に仕事の質が高い介護福祉士も多くいます。

最近、私の知人で70歳になってから、私の働いている介護施設の介護現場に復帰した介護福祉士と話をする機会がありました。
(60歳ではなく、さらにその10年上の70歳!驚きの復職です。)
今回は、70歳の介護福祉士の復職実話をご紹介することで、介護福祉士は年齢を重ねても役に立つ資格であることに触れてみたいと思います。

「介護技術と経験値で貢献できる気がした」とのこと

今回、実話として登場するのは70歳の介護福祉士です(以後、Kさんと記します)。
70歳のKさんは65歳以降5年間程は、現役を退き趣味活動や地域のボランティアとして活動をされていました。

決して70歳前の5年間何もしていなかったわけではないKさんでしたが、私はあえてまずは「なぜ70歳になって介護士として復帰したくなったのか?」を尋ねました。
Kさんからは次のような答えが返ってきました。

「5年間程、趣味活動やボランティアを通じて、まだまだ社会貢献できることを感じた」ときに
「介護現場は人手不足というニュースを見て、自分が60歳前の普通に介護士として働いていたときの忙しさを思い出した」
「フルタイム勤務は夜勤は無理でも、忙しそうな食事介助などに貢献できるのではないかと思った」それがKさんからの答えでした。

時間は活用できる世代である

またKさんは、次のようなことも言っていました。

「今までの介護士生活を振り返ると、家庭があるときは労働時間にも制約があり、気持ちの面で思いっきり働くことができなかった」けど「今は、孫の顔を見ること以外は、時間が自由に活用できるようになった」から「体力は落ちても、気持ちの面では心置きなく真の意味で介護士として全力投球できるような気がしている」とのこと。

妙にうなずける内容です。プライベートで制約がなくなった分、気持ちは介護士として目の前のご利用者様のために純粋に関わることができることを意味しているようでした。

Kさん「忙しいご利用者様の朝食前後や夕食前後に対応できる」とのこと、こうしてKさんは食事介助を中心としたパートタイムの介護士として復職したのです。

介護技術や着眼点は衰えない

実際にKさんの食事介助の方法を見ていると、例えばリクライニング車いす使用のご利用者様の背もたれの角度調整も絶妙(むせこまない角度)で、介助のスピードも速すぎず遅すぎずちょうど良いペースのように見えるのです。
ご利用者様がむせこまないので、誤嚥性肺炎などの心配などもほとんどありません。

必ずしも比較対象とは言えませんが、Kさんの近くで別のご利用者様に食事介助している若く経験の浅い介護士は、ご利用者様がむせこんでしまったりとやや苦労して介助している(経験値の不足)が感じられます。
その点、70歳のKさんは介護福祉士としての経験値を活かして上手な介助をしているように見えるのです。

またKさんは、若い介護士たちに「あのご利用者様の今日の顔色はいつもと違うから、看護師に体調の相談をした方がいいよ」等アドバイスもしてくださるのですが、ベテラン介護福祉士の直感ともいうべきなのか、Kさんが「体調不良ではないか」と見立てたご利用者様は、なんらかの不調で病院受診する必要が生じたりしているのです。

ベテランのカンとしか言いようのない事柄ですが、反対に言えば長年の介護士としてのカン働くという点も、70歳介護福祉士Kさんならではのように感じてしまいました。

介護福祉士としての技術や着眼点は衰えていないことを証明してくださっているようなものです。

余暇活動のちょっとしたコツを活かす

70歳の介護福祉士Kさんは、体力を著しく使う入浴介助などはしておりませんが、入浴後のご利用者様への水分補給介助(トロミ剤の分量など)も実に絶妙なものがあります。
濃すぎず薄すぎずの量で適切なトロミ加減をつけてくださるのです。

またレクリェーションの余暇活動にも、力を発揮してくださってます。ご利用者様と世代が近いという点もメリットになるのか、ご利用者様世代の流行歌なども良く知っておられるので、ご利用者様に喜ばれているのと同時に若い介護士の手本となっています。

まとめ

70歳で介護士として復職したKさん、正直すごいと思いましたが、Kさんのような介護現場復職事例を目の当たりにすると「自分も70歳過ぎても、パートの介護福祉士として何か貢献できるのではないか」と今から良い意味で思っています。
Kさんは「介護は若さだけではない」ということを体現、実践している介護福祉士の1人と言えます。

今回登場した70歳介護福祉士Kさんの復職実話が、介護士として長く働き続けたい方々の励みになれば幸いです。

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