介護士のお仕事
認知症の新たなかかわり方、ユマニチュードケアとは?
- 2017.10.17 @ 新着
- 介護士のお仕事
ユマニチュードという言葉は、聞きなれない言葉ですが、認知症の新たなかかわり方として今注目を浴びている言葉です。
認知症の高齢者は、時に他人に対し暴力的な行動や、暴言などを発することもあります。
そのため、必要な医療や介護を提供するために、認知症高齢者の行動を抑制することもあります。
しかし、その結果として高齢者の身体能力を低下させ、さらに介護が必要な状態をさせてしまうこともあります。
このような状態を打破し、高齢者がその人らしく生活できなおかつ、医療・介護者にとっても高齢者の介護がしやすい環境を作ることが、ユマニチュードケアという新たな認知症の関わり方となります。
ここでは、認知症の新たな関わり方、ユマニチュードケアとは何かご紹介いたします。
4つの柱で高齢者と関わる
ユマニチュードケアを行う中で、4つの大きな柱があります。
4つの大きな柱とは、高齢者と見つめあうこと、高齢者に話しかける事、高齢者の身体に触れる事、高齢者が立って生活をすることになります。
認知症高齢者は、暴言・暴力などがあり、被害的なことや妄想等があるため、介護者自体が介入しづらいと考えてしまいがちです。
しかし、認知症高齢者の多くは、人の温もりや関わりを待っていることも多く、介護者が誠心誠意関わることにより、心を開いていきます。
そのため、「認知症だから」と邪険に扱うのではなく、認知症であったも一人の人間として尊重し4つの柱を持ち関わっていくことで、ユマニチュードケアが成り立っていきます。
身体能力の維持・増進で介護者の負担軽減
認知症高齢者の介護を行っていく上で、介護者の意図することが伝わらず、暴力や暴言などにより介護拒否をしてくることがあります。
そのため、適切な医療や介護を提供するためにと考え、認知症高齢者の身体を拘束することがあります。
しかし、高齢者は拘束されることにより、身体能力は著しく低下してしまい、介護負担を増大させてしまうこともあります。
そこで、ユマニチュードケアである、高齢者が立って生活をするということを取り入れていくことで、身体能力の維持・増進を図っていくことができます。
立って生活をするということは、常に立っていてもらうということではなく、日常生活の行動を起こすときに、立って実施してもらうことになります。
例えば、歯を磨くとき、顔を洗う時等に、立ち上がり洗面台の前で実践することになります。
高齢者が立って生活を行う時、ふらつき等が生じてしまうこともあり、介護者の負担は増大すると考える方も多いです。
しかし、立って生活をするということが定着することができたとき、認知症高齢者の身体能力は維持・増進することができ、結果として介護者の負担が軽減することができるのです。
認知症は症状を維持・改善できる病気である
認知症高齢者は、自分で自分のことがわからなくなってくることもあり、さらにわかるときとわからないときがある、いわゆるまだらボケの状態もあります。
このような時、認知症高齢者の多くは、孤独を感じ不安と日々戦っていることになります。
そこで、介護者の介入として、高齢者を見つめ高齢者の事を考え思っているということを、目で伝えていく方法がります。
さらに、高齢者の手に触れ話を聴くことや、常に話しかけ高齢者の事をいつも思っているということを伝えていく方法もあります。
このように、介護者が積極的に高齢者に関わっていくことで、認知症高齢者は精神的に落ち着き介護者に対し信頼を持ち始めます。
認知症高齢者の精神状況が安定したとき、認知症の症状である、暴言・暴力・妄想等が落ち着くこともあります。
しかし、介護者が関わり始めてすぐに効果が表れるのではなく、長い時間をかけ認知症高齢者が安心できる場所を理解したとき、はじめて認知症高齢者の症状は落ち着いてきます。
とても時間がかかることですが、認知症の症状が落ち着けば、認知症の進行は落ち着き症状の維持・改善することができることもあります。
まとめ
認知症の新たなかかわり方、ユマニチュードケアとは、見る・話しかける・触れる・立つという、4つの柱からなりたっています。
特に、認知症高齢者の症状である、暴言・暴力・妄想等が出現している際には、介護者にとって介護困難となることもあります。
そのため、認知症高齢者が意図しない行動を起こしてしまうことや、どのように介護介入していくことが良いのかわからなくなることもあります。
その結果として、高齢者の安全を確保するためと、行動抑制をして身体能力の低下を促進させてしまうこともあります。
このような状態を避け、高齢者の認知症の進行を予防・改善していくために、ユマニチュードケアである、認知症高齢者を見つめ、常に話しかけ、身体に触れ、介護者との信頼関係を築いていくことが方法の一つです。
さらに、身体能力の維持・増進のためには、立って生活をすることを促進していくことがユマニチュードケアとなります。
時間がかかる介入方法かもしれませんが、結果としては高齢者の生活そのものを改善することができ、介護者の負担も軽減することができるのです。
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