HOME > すべての記事 > 介護士のお仕事 > 特養で働く介護職員の一日の流れ

介護士のお仕事

特養で働く介護職員の一日の流れ

特養は、自宅での生活が困難となったお年寄りが必要な介助を受けながら、その人なりの自立した生活を送る施設です。
施設ではありますが「家」として暮らす場所であり、特養では多くのお年寄りがそこで寝起きし、思い出を語り、今日も人生の1ページを書き足しています。

…こう言うと穏やかな日々を送っているようにも聞こえますが、職員目線での毎日は全く穏やかではない場合が多く、毎日様々な困難が待ち受けています。
入所者が安心してその人なりの自立した生活を送るために、介護職にはやらなければならないことがたくさんあるのです、

では、具体的にはどんなことをして一日過ごしているのでしょうか。
心は穏やかに身体は慌ただしく働く、特養の介護職の一日をご紹介します。

入所者の一日のサイクルと働く時間

入所者は特養で生活しているわけですから、24時間そこで過ごしています。
入所者は介助が必要な方なのですから、職員も当然24時間体制です。
このためほとんどの施設が交代制のシフトを組み、職員みんなで早番・中番・遅番・夜勤と時間をずらして勤務します。

6時に起床し朝食を取って、簡単な体操をしたりテレビを見たりして過ごし、昼食を食べてお風呂に入り、面会に来た孫とおしゃべりしたりおやつを食べたり、自由に過ごして夕食を食べ、21~22時頃就寝します。
日によっては外出やレクリエーションに参加することもありますが、だいたい若者と大きくは変わらない生活をしています。

起床・朝食の乱~早番が来る~

皆さんは朝起きたら何をしますか?トイレへ行って、顔を洗って歯磨きして着替えて…順番はどうであれ、だいたいこのような行動をすると思います。
特養の入所者も同じで、ユニット型であれば1ユニット10人、従来型であれば40人程が一斉に起床します。

ほとんどの施設は夜勤者が起床介助をおこなっており、1人または2人でこの介助をおこないます。
7時に朝食が取れるように、起床・更衣・排泄の介助を済ませます。
時間に間に合わせようとして、あまりに早くたたき起こしてしまうことはできません。
だいたい早番は7時からの業務で、朝食の介助から夜勤者と合わせて人数が増えることになります。

急いでいるからと言っても安全第一、身体介助にも見守りにも細心の注意を払って全員の起床介助を済ませ、早番と共に朝食の準備や食事介助、口腔ケアをおこないます。

朝礼と入浴の乱~中番・遅番が来る~

中番がだいたい8時半に出勤します。この頃は朝食を済ませ、朝食後の排泄介助をおこなっている頃です。
排泄介助は起床時にもおこなっていますが、お年寄りでなくても起床時にトイレ、出勤前や登校前にもトイレに行ってから出かけますよね。

このように排泄介助は介護職の仕事の大半と言っても過言ではないでしょう。「しっこうんこで一日終わる」という迷言を聞いたことがあるほどです。
この排泄介助が終わると、夜勤・早番に中番が加わり、朝礼を始めます。
看護師や相談員も集まり夜勤の出来事や連絡事項を確認し、本格的に一日が始まります。

特別な予定が無ければ入浴をおこなうことがほとんどでしょう。
何人もの入所者にお風呂に入ってもらい、その介助をしますが、職員全員浴室に行ってしまうと、他の入所者が残されてしまいますので、見守りの職員と二手に分かれてそれぞれ介助します。
10時に遅番が出勤し夜勤者と交代するように業務に入ります。入浴介助、入所者の水分補給、入所者の要望(ほとんどがトイレ)に応えたりします。

午後は朝食からの繰り返し?

入浴の介助が終わると、次は昼食があります。朝食時のように準備や食事介助をおこない、口腔ケアを済ませて排泄の介助、そしてまた入浴です。
入浴は一度で全員入ってもらうことはまず不可能ですので、午前と午後に分かれていることがほとんどです。

入浴介助に行かなかった職員はまた入所者の排泄介助や水分補給、面会に来た入所者のお客さんへの対応や、おやつ・夕食の準備をおこないます。
入浴が終わるとおやつ、おやつの介助、そしてまた排泄の介助をして流れるように夕食になります。
おやつの頃に早番が退勤、夕食の頃には中番が退勤します。中番が帰る少し前に夜勤者が出勤し、遅番と共に食事介助・口腔ケア・排泄介助、更衣やベッドへの移動などの就寝介助をおこないます。

まとめ

介護職は生活のお手伝いをする仕事ですので、入所者の生活に合わせた介助をしています。
起きてご飯を食べて寝る、最低限の生活ではたったこれだけのことですが、そのためにしなければならないことがたくさんあるのです。

一つ違うことと言えば、一般的な生活であれば入浴は一日の後半である夕方や夕食の後であることが多いかと思いますが、介助を必要とする大勢の方が暮らす施設では、この時間に入浴することは現実的ではないので、入浴時間帯だけは施設の都合に合わせてもらっています。

また、これら最低限の仕事だけでなく、消耗品や備品の整備などの雑務はもちろん、外出やレクリエーション、季節行事やお誕生日などのイベントをおこなうこともあります。

掲載中の転職サイト一覧

介護士のお仕事関連記事